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[1997年7月7日:公表]

廉価DPE店のプリント品質(データバンク)<抜粋>

 同一条件で撮影したフィルムを、東京都及び神奈川県内のDPE店(廉価店10店、スピード店7店、一般店2店)に渡して仕上がりを調査した。

  • 写真のネガについて、傷等は認められなかった。
  • フィルムを現像に出した3本のネガの内の1本の番号のラベルが切り取られた。
  • プリントされた写真上の傷やゴミ等表面上の問題はあまり見られなかった。
  • 同時プリントの色の再現性は、全般的に満足できるものが見られなかった。
  • プリントサイズの小さいものがあった。
  • 各DPE店で1回目に現像した色が2回目でどのようになるのか、カラーチャート撮影したプリントを見ると、1回目と2回目のプリントの差が見やすかったが、人形などの写真を見た場合には比較的わかりにくかった。1回目と2回目の写真を見て、明らかに差が感じられるものはあったが、廉価店、スピード店、一般店の傾向的な違いは見られなかった。
  • プリントの退色は、廉価店や一般店に比べて、スピード店の写真に比較的大きく目立ったものがあった。

※調査時期:1997年3月

消費者へのアドバイス

料金について

1. フィルムだけ現像するのか同時にプリントをするのか考えて

 一般に市販されている35mmフィルムのDPE店での同時プリント料金は、フィルムの現像料金とプリント料金からなる。通常0円プリント等といわれているのは、フィルムとプリントを同時に行う場合の料金であった。12枚撮りフィルムでも24枚撮りフィルムでもフィルムの撮影枚数に関係なく同一の料金としているところも多かったが、料金はほぼ600円以上はした。一方、最初からフィルムの現像料烽ニ分けて扱っている店では、今回の12枚撮りを例に取ると比較的現像料金は安く400円から500円くらい、プリント料金は1枚約27円から35円と店による違いが見られた。なお、アンケート調査結果によるプリント料金は30円くらいが多かった。このようなことから、プリントはネガの出来具合を見てからというのであればフィルム現像だけするのもよいだろう。プリントが安いからと(0円プリントだからといって)安易に考えないでどのような写真を何枚くらい必要とするのかよく考えて現像・プリントに出すとよい。なお、0円プリント店でも再度焼き増しをする場合にはプリント1枚あたり15円から20円以上の料金が必要ということも知っておくとよい。

2. どのようなサイズで撮影されているか知っておくこと

 現像に出すときにパノラマ撮影がされているか聞かれることが多かった。撮影されたフィルム内に普通サイズとパノラマサイズが混同されているとパノラマサイズの料金を別途払う場合がある。パノラマサイズは1枚あたり40円から80円くらいまでで70円から80円くらいが多い。店によって違うので、パノラマサイズが混同している場合は店頭でそのことを言い、料金の確認をするとよい。

焼き増しをすると色が変わるものがある

 調査したところ、同時プリントの1回目の写真と2回目で色の大きく異なるものが多く見られた。1回目だけでは分かりにくいが1回目と2回目を比べると分かることが多い。今回の結果を見ると、最初に色が悪くても良くなったものや、良かったものが悪くなったものもあった。同じ色に仕上げることを特に重要視するのであれば、DPE店に見本の写真を持って行き相談するとよい。

プリントのサイズに注意をする

 同じ大きさにプリントしたはずのサイズ(縦と横の寸法)が店により違いのあるものがあった。
 店によってプリントのサイズをサービスサイズといったりLサイズといったりしている。また、0円プリントを指定すると、サイズが小さいOサイズでプリントした店もあった。
パノラマサイズなどではアルバムに入らない場合も出てくるだろう。現像店でどのサイズにするか聞かれることもある(今回、OサイズにしますかLサイズにしますかと聞かれたこともあった)。店頭で聞かれても戸惑わないように予め、自分が必要とするプリントのサイズや呼び方を知っておくとよい。

保存について

 ネガやプリントの保存については、もともと傷や埃が付きやすいものであるので、アルバムに入れるとよい。今回耐光性テストとして、一定の波長域での光をプリントに当てたテストをしたが、通常色の退色は、光を当てなくても温度や湿度、周囲のガスなど環境条件でも進むと言われている。したがって、写真の保存については余り湿度や温度の上がるようなところ、直射日光が当たるようなところに置くことは避けること。また、フィルム面やプリント面を直接手で触ったりすると汚れやカビの発生も起こりやすくなるのでそのようなことは避けること。

(参考)ミニラボと総合ラボって?

DPE店はミニラボと総合ラボの二系統

 あなたは、フィルムの現像・紙焼きをどんな店に依頼しているのだろうか。街のカメラ店、DPEの看板を掲げた専門店、あるいはコンビニやクリーニング店の窓口……。いや私はなるべく安くしたいので「格安0円」表示の店、できるだけ早く見たいので「30分仕上げ」の店に頼んでいるという人もいるだろう。ある調査によると、多くの消費者は家の近くだとか、通勤途中の駅のそばにあるなどの利便性でDPE店を選んでいるという。しかし、人々が必ずしもその写真の仕上がりに満足しているとはかぎらない。

 国民生活センターに寄せられた写真に関する相談や苦情の件数は、94年度以降の3年間で661件。その中で目立つのは、色や傷などの写真の“品質”に関するもの。例えば、「DPEサービスでプリントの一部に色傷が出た」「写真の焼き増しを頼んだら、もとのプリントより色が黄色っぽくなった」「5、6年前に引き伸ばした写真がもう変色してしまった」などといったものだ。こうした問題がなぜ生じるのかを理解するためには、まずDPE業界の仕組みをしらなくてはならない。

 全日本写真材料商組合連合会によると、現在、店舗を構えた専門のDPE店やカメラ店だけでも約3万、コンビニやクリーニング店で単なる取次ぎ窓口だけをやっているところを含めると、その数は5万〜6万に上るという。なんともおびただしい数だが、これらのDPE店も、基本的には「ミニラボ」と「総合ラボ」の2つに大別することができる。  ミニラボとは店内に自動現像機と自動紙焼き機を備えたDPE店。預かったフィルムをその場で現像・紙焼きにまわすこともできるので、サービスサイズの同時プリントなら、最も速く処理することができる。「スピード仕上げ」「特急30分」などの看板を掲げている店は、ほとんどこのミニラボと考えていい。

 一方、大規模な現像所を持ち、集配車が各店舗を回ってフィルムを回収するのが総合ラボ。直接、消費者と接する受付窓口は、各総合ラボが直営するDPE専門店のほか、コンビニ、クリーニング店などとさまざま。カメラ店なども、こうした総合ラボに現像・紙焼きなどを委託しているところが多い。また、集配の回数が1日1回のところもあれば、1日に朝夕の2度回るというところもあり、それによって仕上がり時間や価格に差が出てくる。

 この総合ラボは、さらにフィルムメーカーと同じ系列の会社ととそうでない「独立系」の2つに分けることができる。「0円」表示の窓口は、ほとんどこの独立系と考えていいだろう。

 これらの話を総合すると、DPE店には「ミニラボ」「フィルムメーカー系総合ラボ」「独立系総合ラボ」の3つの系統があることになる。しかし、かつてはメーカー系総合ラボに現像・紙焼きを委託していたカメラ店がミニラボ機器を設置してスピード仕上げをするようになったり、ミニラボ店でも大規模にチェーン展開するところがあったりと、実情はかなり込み入っている。そこで、本記事の中では、最も消費者の目につきやすいサービス面に注目して、DPE店を次の3タイプに分類して話を進めていくことにする。

  1. 廉価店=同時プリント代が0〜10円までの低価格サービスのラボ
  2. スピード店=即日仕上げサービスのラボ。同時プリント代は30円前後
  3. 一般店=同時プリント代が30円前後で、翌日仕上げのラボ

 おおむね「1.」が独立系総合ラボ、「2.」がミニラボ、「3.」がフィルムメーカー系総合ラボと考えていいが、例外も少なくない。依頼したフィルムがどういう流通経路で、紙焼きになるかを知るには、個々の店舗に確認するのが、最も確実な方法である。

写真の価格はどのように決められているのか

 DPEということばは「現像(Development) 」「紙焼き(Print) 」「引き伸ばし(Enlargement) 」の3つのプロセスが結びついたもの。ごく大ざっぱに言って、DPE料金もこれらの3要素から成り立っていると考えていい。つまり、現像にいくら、紙焼きにいくらという具合に価格が積み重ねられていくのだ。「同時プリント代0円」という表示は、このうち、紙焼き代を無料サービスしようというもの。消費者にとってはうれしい話だが、実情はそう単純なものではない。こうした廉価店の現像代は、30円前後のプリント代を設定している店に比べて総じて高い傾向にある。そのため24枚撮りのフィルムのうち、ちゃんと写っているコマが10枚しかないといった場合、「プリント1枚0円・現像代700円」と設定している廉価店と「プリント1枚30円・現像代400円」と設定している一般店では、1枚あたりにかかる金額がそれぞれ70円と同じになってしまう。さらに成功した写真が少なければ、両者の関係は逆転する。

 ことし3月、東京都生活文化局が発表した『写真のDPE料金』という調査報告書ではこうした点を指摘して、「プリント代0円など大きく表示している店は、一部料金だけを積極的にPRするために行っており、またプリント代を現像代に上乗せしていることが推定できる」としている。ただし、生活文化局の担当者によれば「表示自体には、なんら違法性はないので、今のところ、具体的な処置は考えていない」とのことだ。

 もちろん、こうした表示の問題点はあるにしても、現像代を含めて1枚当たり実質30円を下回る廉価店の価格はたいへん魅力的である。独立系総合ラボの最大手である「日本ジャンボー」によれば、こうした価格設定は、コンビニなどを受付窓口にしたり、1日2万枚もプリントできる機械で大量処理を行うことなどによる徹底的なコスト削減によって可能になっているという。ただし、集配の回数を1日1回にしてコストを抑えているため、フィルムを渡して写真を手にするまでには中1日かかる。ほとんどの廉価店は、この日本ジャンボーのシステムを手本としてサービスを展開している。

 廉価店とはまったく逆に、価格よりも時間というサービス展開をしているのがスピード店だ。全国で“パレットプラザ”名義のミニラボ・フランチャイズを展開している「プラザクリエイト」の最短コースは23分。同社によれば、各店に配備しているミニラボ機器の現像とプリントにかかる時間は、それぞれ9分と6分。それに手作業にかかる4分をプラスして、この23分という時間を設定したという。もちろんこれは特別に依頼された場合の時間で、すべての写真をこのスピードで仕上げているわけではない。

 スピード店では1枚当たりのプリント代が高めの傾向にあるが、多くの店がプリントのクオリティを維持するためにはこのような価格設定が必要であると主張している。また、高速サービスを常時可能にするため、何台か設置してある機械の1つをフリーの状態にしておくためのコストが価格に反映されているという事情もあるという。

 一方、メーカー系の総合ラボも、こうした廉価店、スピード店の動きを静観しているわけではない。ユーザーの多様なニーズにきめ細かく対応することでサービスの充実化をはかろうという動きがあるのだ。フジフイルム系列で、業界最大手のフジカラーサービスでは、プリントのサイズひとつとっても、最も一般的なEサイズのほか、Lサイズ、ポストカード、大伸ばしとさまざまなサイズを用意している(通常、サービスサイズは、EサイズかLサイズ)。また、最新のデジタル技術を応用して、例えば露出不足のネガからデータを読み取り、失敗をカバーするシステムを導入するなど、技術、クオリティの違いを強調している。同社の本社ビルの1階には、デジタルによる画像の入出力サービスを中心としたマルチメディア・ラボ“アビーズ”があり、近未来のラボ・サービスの形をかいま見せてくれる。

プリントの品質は何で決まるのか

 このように廉価店、スピード店、フィルムメーカー系総合ラボが、三者三様のサービス展開をしているわけだが、写真の品質についてはどんな違いがあるのだろう。取材の過程でよく耳にしたのは、紙焼きレベルでいえば、どんなタイプの店でも基本的な技術力に大きな差はないということだ。これはフィルムやプリント用紙の品質が高まり、さらに現像・プリント機器が完全自動化されたことにより、仕上がりのバラつきが少なくなっているというのだ。したがってミニラボ機器といえども、大型機器に劣らない仕上がりが期待できるという。

 それでもなお冒頭にあげたように、写真の品質に関しての苦情が多く寄せられているのはなぜなのだろう。これには、むしろ、人間的な要素のほうが大きく影響しているという。

 まず、いくら自動化されたとはいえ、現像液をきちんと管理しないと、最終的な仕上がりは劣化してしまう。これは、人間が大きく関与するプロセスだ。また、自動化が進んだため、スイッチひとつで色の傾向がまったく違ったものになるという。そのため、極端な話、オペレーターの好みによって、同じフィルムからかなり色の違うプリントが出来上がってしまうこともあるそうだ。

 もちろん、どの店も厳密なマニュアルを作成し、現像液管理や色の統一に気を配っているというが、最終的にはそのDPE店なり、ラボの意識の問題に集約されてしまう。そのため自分の望む仕上がりを求めるなら、廉価店、スピード店、一般店とタイプ別に考えるよりも、個々の店にあたって仕上がりを確認するのが最も確実な方法といえるだろう。また、プリントに傷がある、あまりにも赤みが強すぎるなどの問題点がある場合は、そのDPE店に焼き直しを依頼することも試みるべきだろう。撮影条件や消費者のフィルム管理のまちがいが原因である場合も少なくないが、店側に問題がある場合には無料で焼き直してくれる店は多い。

 いずれにせよ、大切な写真を扱うDPE店だけに、それぞれのショップの特性を見極めることが最も重要である。


本件連絡先 商品テスト部
電話 0427-58-3165