[本文へ] 消費生活・消費者問題に関する事例や対処方法を紹介しています。

現在の位置 : トップページ > 注目情報 > 発表情報 > 浄水器の比較テスト結果

[1997年6月6日:公表]

浄水器の比較テスト結果

コンパクトさをうたった蛇口直結型浄水器6社9銘柄と、災害時やアウトドア用として登場した携帯用浄水器5社5銘柄をテストした。

テスト結果は・・・


蛇口直結型浄水器

  • おいしさに関わりのある残留塩素除去は、どの銘柄もカートリッジ初期時点からろ過能力最終時点まで9割以上の除去率を示した。カビ臭の除去率は、カートリッジの初期時点で[サンクリア]の52%以外の8銘柄は8割以上だったが、最終時点まで8割を維持したのは[トレビーノmini8][ミズトピアミニ]の2銘柄だった。
  • 安全性で気になるトリハロメタンや農薬の除去率は初期時点では、どの銘柄も良好。しかし最終時点になるとトリハロメタンは7銘柄で半分以下の除去性能になった。
  • 同メーカーなら価格が異なっても浄水性能はほとんど変わらなかった。


携帯用浄水器

  • どの銘柄も、一般細菌数は水道法の水質基準内に。ただし、添付の殺菌料で塩素殺菌しても、一般細菌数はゼロにならない。
  • 味を改善する能力はあるが、殺菌料を投入するため、かなり強いカルキ臭が残る銘柄がある。
  • 浄水を取るのは、かなりの力仕事。アウトドア用、海外旅行用としてよりは、むしろ非常事用として備えたい。
購入:
1996年8月
テスト:
蛇口直結型浄水器 1996年8月〜1997年4月
携帯用浄水器   1996年8月〜1997年5月

※注意事項
このテスト結果は、今回のテストのために購入した商品のみに関するものである。



テスト結果から見た選び方・使い方

PART1:目的に応じて選ぶ

【蛇口直結型浄水器・選び方編】

 まず、自分の家の水道水はどんな状態か考えれば、どんな点に着目するかがはっきりする。

カルキ臭の除去だけならば経済的な銘柄を

 日本の水道水では、カルキ臭を取り除くだけで、味やにおいが改善される場合が多い。カルキ臭のもとである残留塩素(おいしさにかかわりの深い成分)は、ろ過能力の最終時点まで、どの銘柄でも9割程度を取り除くことができた。カルキ臭の除去だけが目的ならば、浄水器を使用する期間内で経済的な銘柄(記事番号1266参照)を選べばよい。

カビ臭の除去は銘柄で差、テスト結果を参考に

 また、カルキ臭と同様に、水にカビ臭があるとまずく感じる。カビ臭の原因はいろいろあるが、貯水池などで発生する植物プランクトンなどが関係している。

 カビ臭の除去は、銘柄間に差がみられた。カートリッジの初期時点で9銘柄のうち8銘柄が8割以上の除去率だったが、最終時点まで8割を維持したのは「トレビーノmini8」と「ミズトピアミニ」の2銘柄で、他銘柄はそれ以下だった。カビ臭が気になる地域では、テスト結果を参考に選ぶとよい。

トリハロメタンの除去を確実に求めるなら、容量の大きなタイプを

 安全性で気になるのが、発がん物質といわれているトリハロメタンや農薬だ。その除去率は、初期ではどの銘柄も8割以上だった。しかし、最終時点になると、トリハロメタンは5割以下の除去率になる銘柄が多く、農薬は2銘柄が6割台以下になった。

 トリハロメタンや農薬については、心配しなければならない地域はそれほど多くはないが、トリハロメタンを確実に取り除きたいならば、さらに据え置き型などカートリッジの容量の大きいタイプを選ぶほうがよい。

鉄・鉛の除去は、ろ過材に中空糸膜を使っているものを

 水の味に関係の深い赤水(赤さび)の原因の鉄、安全性に関係のある鉛の除去率は、ろ過材に中空糸膜を使用している7銘柄が最終時点まで高い除去率だった。鉄、鉛を取り除きたいならば、ろ過材に中空糸膜を使っているものが効果的だ。

有機物除去はどの銘柄も苦手

 味やにおいにかかわる成分が含まれる有機物の除去は、銘柄間で差があったが、全般的に、あまり取り除けなかった。特に最終時点では、全銘柄ともほとんど取り除けなかった。

同メーカーなら価格が異なっても、浄水性能はほとんど変わらない

 同メーカーで価格の違う浄水器を東レと三菱レイヨンの2社について調べた。初期の有機物やトリハロメタンの除去性能にわずかな違いがあったが、同じメーカーならば価格が安い銘柄も高い銘柄も、浄水性能にほとんど差はなかった。価格差はカートリッジ寿命の差といえる。経済性の面からは初期の価格だけでなく、使用期間内に使用するカートリッジ数などから、費用の総額を出してみるとよい。

ろ過材の特徴を見て選ぶ

 浄水器の特徴は第一にろ過材で決まる。今回テスト対象としたものには活性炭、中空糸膜、イオン交換繊維が使われていた。特徴を以下の表にまとめたので、参考にしてほしい。

ろ過材別特徴(今回のテスト品)
活性炭
今回、すべての銘柄で使用されていた。残留塩素やカビ臭などおいしさにかかわる成分、トリハロメタンや農薬など安全性にかかわる成分の除去に効果を発揮
中空糸膜
微生物除去や鉄分除去が期待できる。テスト結果では、鉄、鉛の除去性能がよかった
イオン交換繊維
イオン化した成分(鉄、鉛等)が除去できるが、テスト結果では中空糸膜を使用した銘柄の鉄、鉛の除去性能がよかった

【携帯用浄水器・選び方編】

携帯用浄水器は非常用、アウトドア用、海外旅行用などとして販売されており、河川水などを飲めるようにする器具だという。大きさ、形状、使用方法が銘柄で大きく異なるので、どんなときに使いたいのかよく考えて選ぶ。

どの銘柄も細菌面では、河川水を水道法の基準内に

 携帯用浄水器は、飲用に適さない水を飲むためのものでもあるので、信頼できるものでなければ、安心して使えない。まず、河川水が飲めるようになるか調べてみた。

 5銘柄のうち4銘柄は、河川水に付属の殺菌料を入れるタイプである。取扱説明書のとおり、4銘柄は河川水に殺菌料を投入したものを浄水器に通し、1銘柄はそのまま河川水を浄水器に通した。その結果、5銘柄とも大腸菌群は除去され、一般細菌は水道法の水質基準内となった。しかし、殺菌料で塩素殺菌したものでも、一般細菌がわずかではあるが検出された。

 なお、30リットル通水後(「浄水筒Q」と、「ストロー浄水器」は5リットル)でも、水質基準内だった。

殺菌料を投入するため、強いカルキ臭が残る銘柄も

 どの銘柄も2ppm程度の残留塩素を除去する能力はある。しかし、実際には、「粉末除菌剤AQUAQU」を使用する「浄水筒Q」「Super mizu-Q」「ストロー浄水器」の3銘柄は、除菌料投入後の原水の残留塩素濃度が10ppm程度になる場合がある。ろ過速度によっては、浄水でも3ppm程度の塩素が残留することがあり、強いカルキ臭が残る。これを避けるためには、できるだけゆっくりろ過すると塩素の残留が少ない。

災害のときには、一時的な飲料水確保に役立つ

 携帯用浄水器は水道水以外の水でも飲めるようにできるので、災害時には、一時しのぎの飲料水を確保することができる。利用できる水は、入浴剤などの入ってない風呂の水、トイレのタンク水、雨水やにごりのない河川水などだ。海水は利用できない。

アウトドアではろ過流量、海外旅行では携帯性に着目

 よく考えたうえで、アウトドア、海外旅行などで必要だと思った場合は、アウトドア用としては1分間に1リットル程度の浄水が供給できる「ファーストニードデラックス」と「真清水」の2銘柄がいいだろう。海外旅行ではカートリッジ容量が小さく、使い切りでも携帯性のよいものを選ぶとよいだろう。

壊れやすい銘柄があった

 アウトドア用、災害時用であるにもかかわらず、「Super mizu-Q」は、使用中にポンピング部分が破損した(4個中2個)。アウトドア用や災害時用に備えておく浄水器が壊れやすいものであったら、いざという時に役に立たない可能性がある。浄水性能と併せて強度面でも信頼の持てる製品作りが望まれる。

PART2:上手に使う

【蛇口直結型浄水器・使い方編】

捨て水を必ず行い、浄水の保存は避ける

 浄水器内には、消毒のために用いられる残留塩素が取り除かれた水が滞留し、細菌が繁殖しやすい。銘柄によっては、滞留水がカートリッジ内に残らないようなくふうがあるが、通常は細菌の繁殖は避けられない。テスト結果でも、48時間滞留後の水を調べたところ、6銘柄からは水道法の水質基準を超える一般細菌が検出された。しかし、1分間通水後の水は、全銘柄で水質基準を満たし問題はなかった。

 たとえ、ろ過材が抗菌活性炭だったり、電子抗菌機能があっても、取扱説明書にあるように、毎日の捨て水をしたり、使い始めには捨て水をしたほうがよい。また、浄水は残留塩素がほとんどないので、保存状態によっては細菌が繁殖する可能性があり、保存は避けたほうがよい。捨て水は植物にやるなどなるべくむだにしない。

 ただ、取扱説明書に、数日間以上使用しなかった場合の捨て水について、記載のないものが2銘柄あったが、記載することが望まれる。

ろ過材で異なる、目詰まりによるろ過流量の減少

 浄水器を使っていると、ろ過流量は減ってくる。浄水器に通す水道水の水質によって時期に多少の長短があるものの、鉄や有機物などをろ過するため、カートリッジの目詰まりが起こる。

 最終時点では、全銘柄でろ過流量が減ったが、ろ過材に中空糸膜を用いていない2銘柄は初期時点とほぼ同じくらいの流量だった。また、最終時点でろ過流量が大幅(初期時点の30%弱)に減少した銘柄は、浄水量が少なく、使いにくいと評価された。

カートリッジ交換時期は自分で判断する

 浄水器は使っていれば、カートリッジ交換は必ずしなければならない。カートリッジは使い方や水質などによって早めに寿命がきたり、逆に、ろ過流量が減らなければ、寿命がきても続けて使用してしまうこともある。カートリッジ交換時期はあくまで目安なので、交換年月日を記入したり、ろ過材の色の変化を観察するなどくふうして、自分で判断していくことが大切だ。

カートリッジの交換費用も考えて経済性を判断する

 浄水器をどのくらいの期間使いたいのか考えて、総合的に費用を出してみるとよい(本体価格に交換回数分のカートリッジの価格を加える)。今回は、1日に10リットルずつ、3年間使用した場合の総費用を計算してみた。最も高い銘柄は、最も安い銘柄の約2倍だった。また、同じメーカーの銘柄間で比べてみると、総費用はカートリッジ交換回数の影響を受け、本体とカートリッジ価格が安くても、必ずしも経済的ではなかった。

 使用性の面からはカートリッジ寿命の長いほうが交換期間が長くなり、手間はかからないといえる。

蛇口直結型の使用性

 「原水」と「浄水」を切り替えるときの本体表示は、大きな文字のものが評価が高かった。絵表示だけや、文字が小さい銘柄は、今出している水が浄水なのか原水なのか区別がつきにくいため、評価が低かった。

 蛇口への取り付け方、原水・浄水の切り替えレバーの操作、台所仕事への影響は、全銘柄で差がなかった。

くふうしだいで水道水の味を改善できるが、水源を汚さないことが基本

 浄水器に頼らなくとも、3分程度煮沸したり、かくはんしたり、くみ置いたりするなどのくふうで、カルキ臭やトリハロメタンなどを取り除くこともでき、水道水の不安やまずさを改善できる。

 しかし、最も大切なことは、排水に気をつけ、水源を汚さない努力や、水を大切に使うことなどをひとりひとりが心がけることではないだろうか。

【携帯用浄水器・使い方編】

浄水を取るのはかなりの力仕事!

 アウトドア用、海外旅行用よりは、非常時用として備えておこう

 携帯用浄水器では、ある程度満足できる量の浄水を得るには、どの銘柄も結構たいへんだった。単位時間当たりに得られる浄水量は銘柄間で差が大きい。「ストロー浄水器」は小型で携帯に便利だが、ゴクゴクとのどを潤すようには飲めず、1分間吸い続けてもコップ1杯にもならない。その他4銘柄は、ポンピングをして浄水を得るタイプ。1分間に0.3〜1.1リットルの浄水が得られるが、1リットルの浄水が得られるにはどの銘柄もかなりの労力が必要だ。

 こうしたことを考えれば、よほど飲料水事情の悪いところでないかぎり、アウトドアや海外旅行での通常使用向きとはいえない。むしろ非常時用と考え、災害時などには、ミネラルウォーターといっしょに備えておくと、役立つと思う。

 もし、アウトドア用として調理水にも使用するなら、1分間当たり1リットル程度度採水できる銘柄がよいだろう。アウトドアや海外旅行の際にミネラルウォーターが手に入るのであれば、携帯するには少し重いものの、そちらのほうが便利だと思う。

 また、殺菌料を投入するとき、手や衣服などにつかないように注意が必要。殺菌料には塩素が含まれているので、衣服に付着すると脱色することがある。もし付いてしまったら、すぐに水洗いをする。

再使用を考えるなら、保存前に殺菌消毒を行うこと

 蛇口直結型浄水器と同様に、携帯用浄水器内の滞留水にも細菌が繁殖する。使ったあと長期間保存するならば、浄水器とカートリッジの水を切り、殺菌消毒を確実に行ったうえ、乾燥して衛生的に保存する。再使用時には、しばらく通水して捨て水をしたほうがよい。

 また、汚染のひどい水を使用した場合は、カートリッジの廃棄を指示している銘柄もある。

残留塩素除去には、「ゆっくりろ過」がポイント

 活性炭は、殺菌料などによる残留塩素を吸着するので、ろ過しようとする水が活性炭と接触している時間が長いほど、浄水性能はよくなる。そこで、浄水の味の改善や残留塩素を少なくしたいのなら、できるだけゆっくりとろ過したほうがよい。



携帯用浄水器 こんな表示でいいの?

購入時の参考となるろ過流量やろ過材の表示がない銘柄も

購入するときの重要な判断材料になるろ過流量やろ過材の表示が不十分なものがあった。ろ過流量の表示がなかったのが、自分の口で吸う「ストロー浄水器」を除く4銘柄のうち「浄水筒Q」「Super mizu-Q」の2銘柄。ろ過流量は、例えば、浄水器をキャンプなどで使うとき、調理用水を得るのにどれくらいの時間が必要かの目安になる。また、カートリッジの浄水機能についての表示はあるが、実際にろ過材として何を使用しているのか、表示がないのが「ファーストニードデラックス」だった。浄水器の浄水性能はろ過材に大きく依存するので、表示が欲しい。

取扱説明書に誤認を与える表示の銘柄も

「Super mizu-Q」には「重金属、汚染物質を除去」、また「浄水筒Q」には「汚染物質を除去」という漠然とした表示が、取扱説明書にあった。汚染物質の中には鉛やクロムなどの重金属が考えられるが、これら2銘柄のろ過材では鉛やクロムなどの除去は難しいと考えられる。また有機系の汚染物質についても、ろ過材の量からは十分取りきれるとは思えない。誤認を与えないように正確な表示が欲しい。



参考

テストに用いた水の水質
  浄水性能測定用調整水 連続通水用負荷水
(水道水)
<参考>
水質水準
残留塩素1.0ppm0.8ppm0.1ppm以上
カビ臭の原因物質
2-メチルイソボルネオール
100pptN.D.(*1)
20ppt以下
300ppbN.D.300ppb以下
クロロホルム60ppb18ppb60ppb以下
農薬 シマジン3ppbN.D.3ppb以下
50ppbN.D.50ppb以下
硬度61ppm300ppm以下
有機物
(過マンガン酸カリウム消費量
1.6〜2.7ppm1.6〜2.7ppm10ppm以下

(*1) 水道水質に関する基準のうちの快適水質項目としての目標値(粉末活性炭処理の場合)

(単位の説明)
ppm:1/10の6乗
ppb:1/10の9乗
ppt:1/10の12乗

(注) 表中のN.D.は、検出されなかったことを示す。

テストに用いた河川水の水質
 1997年1月24日1997年1月31日1997年2月5日1997年5月14日
一般細菌数(個/ミリリットル)1700067011702210
大腸菌群(*1)欠測
過マンガン酸カリウム消費量(mg/リットル)2.72.43.5欠測
濁度欠測2.54.2欠測

(*1)大腸菌群(+:検出あり、−:検出なし)

※ 河川水の水源は酒匂川(神奈川県)。河口から2.5km上流で河川水を採水した。




本件連絡先 商品テスト部
電話 0427-58-3165


発表情報トップページへ

ページトップへ