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[1997年3月28日:公表]

外国語会話教室における中途解約トラブルの実情と問題点<要旨>

 近年、若者の間に高まりを見せている外国語会話熱を背景に、外国語会話教室の普及は目ざましく、参入業者数も非常に多い。大多数の業者は良心的な経営を行っていると思われるが、派手な広告・宣伝やキャッチセールスなどを展開する事業者も多い。この中には長いもので3年の高額な長期契約を一括前納(クレジット払い含む)で結ばせながら、“サービスが契約に基づくものと異なる”“中途解約に応じない”等のトラブルを多発させている業者も多い。

 国民生活センターでは、外国語会話教室をめぐるトラブルの実情と問題点について調査を行い、関係各方面に情報提供することとした。

苦情件数の推移

 PIO−NETによると、外国語会話教室に関する苦情件数(倒産を除く)は、95年度が1,833件で前年度に比べ11.1%増加し、96年度は更に20%以上も上回る勢いにある。苦情の対象となった事業者は多数あるが、最も多いA社が96年度は全体の24%、次いでB社が12%近くを占めており、両社とも前年度に比べ苦情件数の増加が著しい。

主な苦情内容

 「予約が取れない」「授業のレベルが合わない」「教師の教える能力に疑問」等の理由で「中途解約を申し入れても拒否された」というのが最も多く、解約に応じても「解約料が極めて高いうえ入学金は返してもらえない」とか、「勧誘が強引で充分な説明もないまま強く契約を迫る」「転勤・転居など正当な理由でも解約に応じない」という訴えも多い。

事業者側の対応

 苦情件数が群を抜いて多いA社の場合、契約全期間の代金一括前納制をとっているが一般レッスンの解約条件についてパンフレット等に明記せず、実際、解約事由の如何にかかわらず解約には応じないという対応や、解約時に一番高い単価を適用して高額な解約料を請求している。しかも、高額なコースを勧めたり、契約を急がせるなどの問題勧誘も解約トラブルの背景となっている。

 同社に対して、解約対応の改善を要望したが、同社は、実情に即して、社会的道義に即して、中途解約の要請に応じていると回答するにとどまり、改善策は示さなかった。

 次にB社については、解約に関する苦情が圧倒的に多いのに加え、販売方法に関する苦情も5割強を占めている。海外旅行が当たる等と言って路上で呼び止め、アンケートに答えた人を勧誘するキャッチセールスや会話教室の無料体験が当たったと言って勧誘するアポイントメントセールス等の問題勧誘が見られる。

 同社は、外国語会話教室と併せて、英会話教材も販売しているが、未開封の教材でも多額の解約料を請求するといった苦情も寄せられている。

 同社に対して、上記販売方法の改善と解約についての改善を申し入れたが、具体的な改善策は提示されなかった。

 以上の2社は、苦情件数が多く、しかも顕著な増加傾向にあることから例示したが、サービスの内容並びに中途解約等に関する苦情は他の事業者に対しても多数ある。

問題の所在・背景

 外国語会話教室に止まらず、学習塾や家庭教師派遣、エステティックサービス等の継続的役務取引に関しては、サービスを受けてみなければ中身の良し悪しが分からないケースが大部分であることもあって、解約を巡るトラブルが発生しやすい。このため、通産省は92年に上記4業種の取引の適正化について継続的役務取引研究会を設置して検討し、同研究会の提言に基づいて、94年に外国語会話教室の業界団体(全国外国語教育振興協会=全外協)が、前払いの期間を1年以下に制限することや、中途解約、解約料、クーリング・オフ等について定めた自主ルールを策定した。

 しかし、全外協の加盟業者数は現在わずか36社で、自主ルールを採用していない団体(民間語学教育事業者協議会=民語協)は53社、業者の大部分はどちらにも加盟していない。96年度の苦情の割合を業界団体別で見ると、全外協加盟社に対するものが4.3%、民語協は29.9%で、凡そ6割はどの団体にも属さない業者に対するものであった。

問題解決へ向けての方策

 外国語会話教室の業界は、会話力向上に対する旺盛なニーズを背景に急速な成長を遂げているが、それだけに、サービスが適切でなかったり、契約・解約のルール作りが極めて遅れていることは否めない。

 苦情の多い業者に関しては、受講者の納得する授業の体制を整えるとともに、契約・解約についてのルールの整備や充分な説明の履行、勧誘方法の改善等を速やかに実施することを求めたい。

 また、通産省及び業界等に対して、自主ルールの普及を求めるとともに、今後なお苦情が多発する場合には、授業料の前納の制限や中途解約権を認める内容での法整備検討も必要となろう。

消費者へのアドバイス

  1. 1)強引な勧誘をする業者にはくれぐれも注意する。
  2. 2)役務内容、料金、解約条件等について、充分に事前調査をした上で業者を選ぶ。料金の支払い方法についても注意を払う。
  3. 3)最初から長期間のコースを勧める業者や契約を急がせる業者には十分注意し、できれば短期コースから始める。
  4. 4)長期の契約をする場合は、解約条件について必ず確認しておく。解約条件を示さない業者や自己都合による解約には応じない業者、高額な解約料を請求する業者もあるので注意が必要。

本件連絡先 相談・危害情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。