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[1997年3月28日:公表]

こんなものが入ってる! 食品の「異物混入」<抜粋>

消費者被害注意情報(危害情報システムから)No.9

 もっとも衛生的でなければならないはずの食品に、虫、針、ガラスなどさまざまな「異物」が入っていたという苦情が増加している。「パンに小石が入っているのを知らずにかんだところ、歯が欠けた」、「買った魚につり針が入っていて、うろこを落としている最中に指をけがした」など「異物」が原因でけがをしたという例もある。

 以下に、食品に何らかの異物が入っていて危険な思いをした、けがをしたなど「異物混入」に関する危害・危険情報をまとめた。


事故の概要

事故件数等

1990年4月〜97年1月までに危害情報システムに寄せられた「異物混入」の苦情は1,491 件(うちけがをしたというもの171 件)で、食品の危害・危険情報4,387件中最も多く、34%を占める。また、年々、増加の傾向にある。96年度は年度途中であるため前年より少ないが、前年同時期より増加している(下表参照)。

年度別件数
  90年度 91年度 92年度 93年度 94年度 95年度 96年度
ミネラルウォーター00002295
34318501313
異物混入でけがをしたというもの8151519165144
異物混入でけがをしていないもの
(ミネラルウォーター・米を除く)
736969180196298298
合計848887217264391360

1.何に異物が入っていたか(菓子、パン、米がトップ3)

異物混入はあらゆる食品で起きているが、最も多い食品群は、ケーキ、チョコレート、せんべいなどの「菓子類」305 件(20.5 %)である。、次いで、米、パンなどの「穀類」297 件(19.9%)、弁当、そうざい類を含む「調理食品」229件(15.4%)で、この3食品群で55.7%を占める。(以下、表1参照)

表1 異物混入の多い食品(件)
食品群主な食品
菓子類 (305) 和菓子(66)、洋菓子(57)、スナック類(34)、チョコレート(33)、せんべい(31)、あめ・キャラメル(21)、アイスクリーム類(19)
穀類 (297) パン(114)、米(104)、めん類(68)、粉類( 6)、もち( 4)、雑穀( 1)
調理食品 (229)弁当(61)、そうざい類(39)、冷凍調理食品(23)、調理パン(22)、レトルト調理食品(16)、調理食品の缶詰・びん詰(12)
野菜・海草類(137) 漬物・佃煮など(73)、豆腐・納豆・おからなど(24)、野菜(23)、海草(17)
飲料 (131) 清涼飲料(45)、ミネラルウォーター(36)、コーヒー・紅茶・ココア(17)、緑茶(13)、中国茶( 9)
魚介類(126)かつお節など魚介加工品(47)、魚・貝類(38)、干物・塩蔵品(26)、魚肉練り製品(15)
調味料( 60) 砂糖・ジャム・蜂蜜(16)、ふりかけ(16)、食塩・しょうゆ・みそ(12)
肉類 ( 58)ハム・ソーセージなど加工肉(28)、牛肉(13)、豚肉( 7)、とり肉( 4)、挽き肉( 4)
乳卵類 ( 56)ハム・ソーセージなど加工肉(28)、牛肉(13)、豚肉( 7)、とり肉( 4)、挽き肉( 4)
酒類 ( 53)ビール(25)、ワイン(16)、清酒( 6)
果物 ( 34)果物の缶詰・びん詰(20)、干し柿・干しぶどう( 7)、生鮮果物( 6)
その他 ( 5)インスタント食品・チルド食品などその他の食料品

2.何が入っていたか(虫、ネジ・ボルト、つり針、釘・針、毛が多い)

 苦異物の種類で最も多いのは、「(単に)虫」(316 件、21.2%)であり、以下、「金属類」(金属片、ボルト、ナット、ネジ、缶のクズなど:131 件・8.8 %)「針・針金・つり針・釘」(116 件・7.8 %)、「毛」(110 件・7.4 %)、「ガラス片」(75件・5.0 %)であり、ここまでで全体の50.2%を占める。件数はそれほど多くないが、人間の歯や爪のようなもの、傷テープ、たばこの吸いがら、へびの脱け殻のようなもの、人間の指のようなもの、ボタン電池などもあった。(表2)

表2 異物の種類
異物の種類件数(%)
(単に)虫316( 21.2)
金属類(*1)131( 8.8)
針・針金・つり針・釘116( 7.8)
110( 7.4)
ガラス片75( 5.0)
プラスチック・ゴム62( 4.2)
ゴキブリ61( 4.1)
石・砂 55( 3.7)
ハエ 36( 2.4)
ビニール 34( 2.3)
紙・糸・布 28( 1.9)
ホチキスの針 17( 1.1)
ねずみのふん・毛など 16( 1.1)
木片15( 1.0)
刃物 12( 0.8)
その他(*2) 144( 9.7)
不明 263( 17.6)
合計1,491(100.0)

*1:金属片、ボルト・ナット、ネジ、缶のクズなど
*2:人間の爪、動物の骨・毛・羽、傷テープ、陶器の破片、カビなど

3.食品と異物の関係

 あらゆる食品にさまざまな異物が入っているが、米、めん類、チョコレートには虫、鮮魚にはつり針が入っていることが多い。また、ミネラルウォーター、ビール、ワイン、清涼飲料水などの飲料の場合は、混入しているものが何かわからないため、不明の割合が高い。

4.年度による特徴(94年度は米、95年度はミネラルウォーター)

 異物混入は年度による傾向の違いはほとんどないが、例外的に以下の特徴がある。

94年度:米
 93年の米の大凶作に伴う緊急輸入米に消費者の関心が集まったためか、この年は米だけで異物混入の2割を占めた。
95年度:ミネラルウォーター
 浮遊物が入っていたため回収する旨などの社告が相次いで出され、消費者の不安が高まったため、異物混入の最も多い商品となった。

5.どんなけがをしたか(半分近くが歯が欠けた)

 異物混入が原因で、身体被害が起きたというものは171件、異物混入全体の約1割である。多いけがは、知らずに食べて歯が欠けたなどの「歯の障害」で79件、約半数(46.2%)である。次いで「切り傷」20件(11.7%)、「擦り傷」17件(9.9%)である。

 けがをする割合の多い異物は「石・砂」が最も多く(29件・17.0%)、以下、「針・針金・つり針・釘」(24件・14.0%)、「金属類」(22件・12.9%)の順である。

事故事例(略)



法規制などについて

 「食品衛生法」では、不潔、異物の混入または添加、その他の理由により、人の健康を損なうおそれのある食品は、販売、陳列を禁止している。



事業者への要望

(1)食品メーカーへ
 食品工場等が大規模になり、自動化、省力化が進んでいるが、異物混入を防ぐことができるのは、最終的には厳しい人間の目以外にはない。材料の厳選とより徹底的な衛生管理を望みたい。
(2)流通業者へ
 蛾類などは15℃以上になると、越年潜伏していたのが、さなぎから成虫となって活動する。また、孵化直後の幼虫は小さく鋭い歯と硬い頭を持っていて、アルミはくやポリエチレンなどを食い破る力を持っているといわれる。箱や包装紙の折り目や角は傷つきやすく、虫などが侵入する経路にもなる。倉庫内の温度に注意するとともに、包装や容器を損傷しないようていねいに扱ってほしい。
(3)販売業者へ
 店内や陳列棚の生管理は特に注意してほしい。また、店内に虫等が発見された場合には、その発生源を絶つこと。


消費者へのアドバイス

 食品の異物混入を消費者の注意で防ぐことはできないが、以下の点を心がけよう。

  1. (1)食品に異物が混入していたら、できるだけ現物を保管しておくこと。包装紙や容器など商品の情報となるものといっしょに現物を持参して保健所に届け出る。
     また、再発を防ぐために、消費生活センターにも申し出てほしい。
  2. (2)購入した食品は何でもなくても、家庭内で異物が入ることがある。使いかけの小麦粉、封の開いた菓子類、香辛料などは虫たちにとって絶好のエサになる。開封後の食品はなるべく早く食べきること。
     また、食品は、戸棚などに入れたまま放置せず、密閉できる容器に入れてなるべく低温で保存する。



本件連絡先 情報管理部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。


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