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[1997年3月19日:公表]

「牛の預託オーナー契約」に関する消費者相談<抜粋>

消費者被害速報 No.9

 「牛の預託オーナー契約」に関する消費者相談が、今年度に入って急増している。「牛の預託オーナー契約」とは、和牛のオーナーになり飼育を事業者に2〜5年程度委託し、育った牛の売却利益がオーナーに還元されるというシステムに基いた契約で、新聞の折込広告等で高い利益還元率をうたって(元本保証をうたっている事業者もある)預託金を募集しているものである。

 寄せられている相談の大半は、信用性を問うものだが、なかには「満期日がきても元金が返還されない」という例もある。現在「牛の預託オーナー契約」については直接規制する法律がないため、事業者が倒産した場合など、多数の消費者被害が発生する可能性もあり、今後十分注意をする必要がある。農林水産省は3月14日付で都道府県と地方農政局に注意喚起の通達を出した。

相談件数の推移<年度別件数>

89年度以降の累積相談件数 505件(1997年3月17日現在)

年度 89 90 91 92 93 94 95 96
相談件数 581316322768336

発生地域<地域別累積相談件数>

地域 発生件数
北海道・東北北部 14件
東北南部 13件
北関東 3件
南関東 308件
甲信越 7件
東海 76件
北陸 9件
近畿 15件
山陰 2件
山陽 17件
四国 6件
九州北部 28件
九州南部 7件

相談者の属性(不明を除く)

〔性別〕
女性  393件(78.1%)
男性  110件(21.9%)
〔年齢〕
平均年齢40.2歳
〔職業〕
主婦    282件(57.6%)
給与生活者 156件(31.8%)

主な相談内容

  1. 契約前の相談 (422件)
    • 信用できるか。
    • 預託オーナーシステムとはどのようなものか。
    • 苦情はないか。
    • 利益は保証されるのか。
    • 農業生産法人とは何か。
  2. 契約後の相談 (83件)
    1. 信用できるか。不安だ。解約したい。(73件)
    2. 満期がきたのに預託金が返還されない。配当金が払われない。(10件)

支払い金額等(不明を除く)

〔平均既支払い金額〕
約119万円
〔支払方法〕
現金払い 100%

広告媒体(不明を除くマルチカウント)

広告で募集していることが多く、媒体別にみると折込広告と雑誌広告が多い。

  1. 折込広告 163件
  2. 雑誌広告 114件
  3. 新聞広告 47件
  4. 他の広告(投込・DM・テレビ・ラジオ広告等)30件

相談事例

  1. 「牛の預託オーナー募集」の新聞折込チラシを見た。「元金保証。3年預託のコースでは利益年7%。肉引換券3万円交付」とある。心配なので業者に問い合わせると、「出資法にはあたらない」と言われた。高利回りで魅力を感じ契約したが、苦情はないか。
  2. 雑誌の広告で見た「和牛の預託オーナー」に申し込んだ。「預託満了時には元金が返還される。日本有数の大牧場で万一の場合の保証は保険で万全。農水省が推進する『農業生産法人』として厳しい審査を通っており、利益率が100万円に対し6%」とある。還元利益が良すぎて不安になった。
  3. 新聞で「和牛オーナー募集。育てた牛の売却益を牧場とオーナーで分配」という紹介記事を見て、購入・飼育委託契約を申し込んだ。100万円で子牛1頭を購入してオーナーになり、3年契約の満期時に、分配金30万円を上乗せした130万円を受け取る約束になっていた。満期が過ぎたのに返金されないため催促したが、支払いに応じてくれない。

消費者へのアドバイス

 「牛の預託オーナー契約」への投資は、牛の相場等に左右されるため必ずしも利益を得られるものではなく、ハイリスク・ハイリターンの性格を持っている。KKCやオレンジ共済組合等の利殖商法が社会問題になっている昨今、高収入をうたう商法には十分に注意する必要がある。


※この情報は、PIO−NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に入力された相談のうち非常に新手の商法・販売手口である事例や、最近相談件数が急増している事例について速報性を最優先に情報提供するものである。


本件連絡先 情報管理部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。