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[1996年12月5日:公表]

消費生活相談にみる'96年の10大項目

 国民生活センターでは、全国の消費生活センタ−や協力病院に持ち込まれた消費生活相談等を「全国消費生活情報ネットワーク・システム(PIO−NET)」によりオンラインで収集している。ここには、年間27万件(蓄積件数は約210万件)の情報が寄せられている。これらの情報は、消費者の関心事項や消費者問題の動向をみる上で貴重な情報源である。

 本資料は、本年相談件数の多かったものや相談件数が急増したもの、また、相談現場で注目を集めたものの中から10項目を取りまとめたものである。なお、電話勧誘販売の新たな規制、マルチ商法の規制強化を目的とした改正訪販法が11月21日に施行された。これら相談件数の今後の推移に注目したい。

消費生活相談件数は昨年に続き高い伸び

 今年の相談件数をPIO−NETでみると、10月末現在で約22万件、前年同時期に比べて 18.3 %の増加となっており、昨年に続いて高い伸びを示している。

PL法施行から1年余、危害・危険情報が急増

 消費生活相談として寄せられた危害・危険情報が前年に比べて 41.0 %増と急増した。中でも、危害情報は 52.2 %と大幅な伸びをみせた。PL法施行に伴って、消費者の安全意識の高まりが反映したものと思われる。

こんにゃく入りゼリー、6名もの命を奪う!

 昨年来、一口サイズのこんにゃく入りゼリーによる窒息事故が乳幼児や高齢者を中心に起きている。国民生活センターは事故防止のためのアドバイスや商品改良の要望等を行ってきたが、今年に入っても事故は続き、事故件数は計31件を数えるに至っている。このうち今年新たに寄せられた事故は14件で、うち死亡者は6件(1件は事故発生が95年のもの)であった。国民生活センターの危害情報システムにおいて、食品で死亡事故が数多く報告されたはじめての例である。

自動車の相談件数が過去最高に

 PL法施行以来、自動車に関する相談件数が大幅に増加している。PIO−NETには昨年を上回るペースで相談が寄せられており、今年も過去最高の件数となることが見込まれる。その内容はエンジントラブルや車両火災、急発進・暴走、ブレーキの異常など、安全性に係わる問題が多いが、今話題のエアバッグやABSなどの安全装備に係わる苦情も目立つようになってきた。

マルチメディア時代を迎えて、情報通信に係わる消費者トラブルが急増

 今年は、マルチメディアの進展にともない、特に電話関連サービスの相談が飛躍的に増加した。相談の内容は、使用した覚えのないアダルト情報サービス料や国際電話料金(国内にかけたつもりが国際電話でのアダルト情報サービスを利用していた)を請求されるというものが多かった。それ以外の相談では携帯電話やPHSの加入契約に関する相談が急増した。なかには、無料でもらえるはずの携帯電話が加入料を支払ったのに届かないという相談もあった。

被害者を更に狙い撃ちにするトラブルが多発

 ここ数年来、資格講座やエステティックサービス等の契約をした人に対して、次々と新たな契約を迫る業者の販売方法が問題となっている。実際、3年間に19社と900万円以上の資格取得講座等を契約させられた結果、支払い困難に陥ったという深刻なケースもある。「当社と契約すれば、他社の勧誘を止めてやる」「この化粧品を買えば、もっときれいになる」などと言葉巧みに誘って消費者の弱みにつけ込んでいるものが目立つ。

新聞の悪質勧誘が相変わらず横行

 新聞講読の勧誘に関する苦情が増加している。夜間や長時間の勧誘、偽りのセールストークに係わる苦情、宅配便や隣家の人を装ってドアを開けさせる等の他、「契約するまで帰らない」「歩けなくしてやる」など、脅しての勧誘もある。国民生活センターはたびたび業界に改善を要望し、本年3月、日本新聞協会などが改善策を回答した。しかし、なお、現状において改善の気配は見られない。

クレジット(割賦購入あっせん契約)まがいの消費者金融急増

 販売業者から「クレジットのようなもの」と言って渡された用紙で申し込んだが、消費者金融業者から支払い請求が来て初めてクレジットではないことがわかったなど、クレジットまがいの消費者金融の利用が資格講座等の契約に増えている。借入金は金融業者から販売業者の口座に直接振り込まれるので、一見クレジットと何ら変わらないが、商品等に不具合があっても消費者金融業者は支払い停止には応じず、執拗な請求を続ける。

外国語会話教室、エステティックサービスのトラブル増大

 倒産などによって多数の消費者被害が発生した外国語会話教室やエステティックサービス等の継続的役務は、取引きの適正化のために平成6年にそれぞれの業界団体において前払期間の制限や中途解約料を盛り込んだガイドラインが策定された。しかし、その後も1〜3年の長期契約の代金一括前払いがあとを絶たない。業者の解約拒否、高額な解約料など中途解約をめぐるトラブルに加えて悪質な勧誘方法に関するトラブルも横行している。

日本中を揺るがした病原性大腸菌O-157 …便乗商法も登場

 5月の兵庫県内での死者発生を皮切りに、O-157による集団食中毒は、患者・感染者約1万人、死者10名以上を出し、日本中を揺るがせた。消費生活センタ−は、消費生活に関する相談を受け付ける機関として定着しているため、消費者の不安に乗じた便乗商法や消費者取引に関連した相談など、保健所とは異なる傾向のものが多かった。