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[1996年12月5日:公表]

誤飲、切り傷、眼の障害…おもちゃの事故が増えている

消費者被害注意情報(危害情報システムから)No.7

 もうすぐクリスマス。子どもたちへのプレゼントとして人気が高いのは、やはりおもちゃ(玩具)だろう。しかし、せっかくの玩具でけがなどしては何にもならない。

 国民生活センター危害情報システムには、玩具の事故情報が数多く寄せられており、また、年々増加の傾向にある。そこで、玩具の事故を分析し、子どもたちが玩具で楽しく安全に遊ぶための注意を呼びかけることにした。

事故の概要

事故件数等

小学生まで(0〜12歳)の玩具による事故情報は、1992年4月〜96年10月までに480 件(協力病院から409 件、消費生活センターから71件)報告されている。
年度別にみると、92年度: 79件、93年度:102件、94年度: 99件、95年度:128 件、今年度も10月までの7か月間で72件と年々、増加の傾向にある。

  • 0〜5歳の未就学児が83%を占める
    年齢別では、2歳の87件を筆頭に1歳(77件)、3歳(75件)、4歳(62件)、5歳(56件)と続き、0〜5歳のいわゆる未就学児で397 件、全体の約83%を占める。6歳から12歳は合わせて83件、約17%である。男女別にみると、男児315件、女児163 件であり、男児が約2倍と多い。
  • 誤飲や耳や鼻へ何か入ってしまう事故が最も多い
    けがの内容では、「飲み込む・耳や鼻などに入れる」が最も多く、半数近くに及ぶ。次いで多いのが「擦り傷・打ち身など」であり、以下、「切り傷・刺し傷」、「目の障害」と続く。ここまでで全体の95%を占める。
    年齢層別にみると、0〜5歳では「飲み込む・耳や鼻などに入れる」が半数を占め、以下「擦り傷・打ち身など」「切り傷・刺し傷」「目の障害」の順である。これに対して、6〜12歳では、「飲み込む・耳や鼻などに入れる」の割合が減り、「目の障害」の割合がかなり増え、「擦り傷・打ち身など」「切り傷・刺し傷」の割合が多少増えてくる。
    全体的には比較的軽いけがが多いが、中には骨折(3件)やひどい切り傷(2件)、何かが耳や鼻に入ったり、窒息のため入院を要した(4件)などの重い事故も報告されている。
  • 事故が多い商品は、ビー玉類、積木類、玩具銃……
    商品別にみると、小さな玩具が上位を占める。
  • 7歳以下のどの年齢にも見られるビー玉
    商品と年齢の関係では、それほど顕著な傾向はみられないが、0歳は「おしゃぶり」「ガラガラ」といった乳児特有の商品が群を抜いて多い。また、「ビー玉」は7歳以下、「積木」は5歳以下のどの年齢にもみられる。

事故の内容

玩具の事故は、概ね次の4つに大別できる。

  • 小さな玩具、玩具の部品などを飲み込んだり、耳や鼻に入れたりすることによって引き起こされる事故
  • 玩具のバリや尖った部分、鋭利な部分によって切り傷、擦り傷などを負う事故
  • 何かが発射したり、飛び出すことによってけがを引き起こす事故(目の障害など)
  • その他、1)〜3)に含まれないさまざまな原因によって引き起こされる事故

安全基準等

玩具

 玩具の安全性については(社)日本玩具協会が定めた自主基準(ST基準、注1)があり、この基準に合格した商品には「STマーク」が付けられる。

 現在、市販されている玩具の90%以上に付いているといわれる。STマーク付きの玩具の欠陥が原因で事故が起きた場合の補償額は、対人最高1億円、1事故2億円、対物2,000 万円の範囲内、また30万円までの見舞金制度がある。

注1:例えば、「3歳未満の子どものための玩具及びその分離可能な部品は、テスト円筒(幼児の口の大きさを模している)の内部にどのような位置であれ、納まってはならない」など多数の項目について安全基準が定められている。

玩具銃

 「玩具銃」の中に含まれるエアソフトガンには、日本遊戯銃協同組合が定めた安全規格(注2)があり、合格した商品には「ASGKマーク」が付けられる。ASGKマーク付きの銃で事故が起きた場合対人最高5,000 万円、1事故2億円、対物3,000 万円の範囲内での補償金制度がある。

 さらに、このエアソフトガンについては、全国ほとんどの自治体が条例などで性能や販売、購入に対する規制をしている。

注2:例えば、「製品は、安全装置またはそれに相当する構造を有していること」、「弾の先端は尖っていないこと」などが定められている。

消費者へのアドバイス

玩具を選ぶとき

玩具は子どもが使うものであるから、安全性を第一に考えて選ぶ必要がある。以下の点を参考に選ぶとよい。

  • STマークやASGKマークが付いているか。ひとつの目安にする。
  • 先が尖っていたり、切り口が鋭くないか。
  • 子どもの口の中に入ってしまうような大きさではないか。
  • とれやすい小さな部品は付いていないか。
  • 「対象年齢」や注意事項などの表示をよく読む。
  • できれば実際に触ったり、試すなどして安全性を確認する。

子どもに与えるとき

  • 何かが飛び出したり、発射する玩具は、弟や妹にあたってしまうこともあるので、低年齢の子どもには与えない。
  • 子どもは大人が予想もつかない遊び方をするもの。取り扱いに注意が必要な玩具は、乳幼児には不適である。
  • 取扱説明書があるときは、必ず読んで注意事項を守り、子どもによく言い聞かせること。
  • 子どもが遊ぶ前にねじがゆるんだり、部品が脱落していないか、きちんと動くかなどを点検する。
  • 玩具銃などは被害者になる危険とともに、いつ加害者になるかわからない危険性もある。危険なことを理解できるように教育する必要がある。

子どもが玩具で遊んでいるとき

 子どもは毎日成長することを念頭に置き、自由に遊ばせながらも常に注意の目を向けることが大切である。また、きょうだいで遊んでいるときに、下の子どもがけがをするケースがよく見られる。上の子ども向けの玩具できょうだいが遊んでいるときは、特に下の子どもに注意する。

遊び終わったとき

 玩具の小さな部品を飲み込んだり、散らばった玩具を踏んでけがをしたりしないように、子どもには遊んだあとは片付けさせる習慣をつけ、きちんと保管しておく。また、玩具が壊れて、そのままにしておくと危険につながる場合があるので修理をしておく。


本件連絡先 情報管理部
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