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[1996年10月24日:公表]

拡大損害------観賞魚用水槽セットの場合<抜粋>

消費者被害注意情報(危害情報システムから)No.6

 熱帯魚等の観賞魚がインテリアとしても人気を呼び、観賞魚用の水槽セット(以下、水槽セット)は年間数十万セットも販売されているといわれている。

* 水槽セット:「水槽」と、水温を適温に保つための「ヒーター」「サーモスタット」、「照明」「循環ポンプ」「フィルター」「水温計」等からなる。

 水槽セットは、水と電気という相性の悪い物質を同時に使うため、もともと事故(以下、水槽事故)が発生する要素をもっている製品といえるが、国民生活センター危害情報システムに寄せられる水槽事故は、ここ数年激増している。 水槽事故の特徴は、事故の被害が水槽セットに止まらず、いわゆる「拡大損害」に発展するケースが多いことである。

 PL法導入により拡大損害が注目されている折り、拡大損害を中心に水槽事故の概要をまとめ、消費者に事故防止のための注意を呼びかけることとした。

水槽セットに関する事故情報の傾向

 1987年以降96年10月15日までに入力された水槽事故は75件であり、このうち、61件(81%) に何らかの拡大損害が発生している。このうち、併せて人身被害も発生した事故は1件で、ヒーターからの発火が原因と推定される火災による焼死である。

年度別にみると

 水槽事故は増加傾向にあり、93年度6件、94年度15件、95年度27件とここ数年の増加は著しい。96年度に入ってからの事故9件を含めると、93年度以降で57件(水槽事故の76%)の事故が起きている。

どのような事故で、どのような拡大損害が発生したか

  • ヒーターが、過熱、発煙、発火などした(発火・火災事故・・・・21件) 壁、床などに類焼、または住宅火災になった・・・・7件(うち、住宅火災で焼死した・・・・1件)
  • 水温調節のためのヒーター、サーモスタットなどの故障等により、水温が高すぎ(または、低すぎ)て、魚が死んでしまった(ヒーター・サーモスタットによる事故・・・・11件)
  • 水槽が割れたり、水槽にヒビが入って、水が流出し、じゅうたん、壁紙、階下等が水びたしになった(水槽破損事故・・・・43件)

どの程度使用した製品で事故が起きているか

 7日未満12件、1か月13件、3か月11件で、36件(水槽事故の48%)が、使用3か月までに発生している。以降、事故件数は減少し、1年までで48件(64%)、2年までで54件(73%)になる( ただし、使用期間不明の10件を含む)。

事故例と事故原因(略)

一般論としての事故原因と問題点

  1. (1) ヒーターは、サーモスタット(自動温度調節器)に接続して使用し、サーモスタットが水温を検知して電源を自動的にON、OFFすることにより、水温は一定温度に調節される。サーモスタットは、水温に限らず空気中の温度でも作動するため、サーモスタットの温度感知部が水面から露出し、外気温が設定温度より低いと、温度制御がきかなくなりヒーターは連続通電の状態になることがある。
  2. (2) ヒーター・サーモスタットの故障の状態が続くと、水が蒸発してサーモスタットが水面から露出してヒーターは連続通電の状態になることがあり、その結果、ヒーターの空加熱状態となり発火する恐れがある。
  3. (3) 「観賞魚用ヒーター」は、サーモスタットと一体になったヒーターでも、ヒーター単体でも、電気用品取締法の規制の対象となるが、水槽用サーモスタットは、単体では規制の対象となっていない。しかし、水槽用サーモスタット単体でも販売されている。水槽用サーモスタットは、ヒーターと接続して使用する器具で、正常に機能しない場合、水温が異常に高くなったり、最悪の場合発火する恐れがある。
  4. (4) 特に水槽セットの場合、照明や循環ポンプ、ヒーター等 複数の電源を必要とするため、タコ足配線になりがちで、発火事故につながる恐れがある。
  5. (5) 電源コードがショートしたり、電源プラグ部分のトラッキング等の事故は、水槽セットに限らず他の電気製品でもみられる事故である。特に、水槽の場合は、水や塩分が、長時間差し込んだままの電源プラグの刃と刃の間のホコリに付着して、トラッキング現象が発生しやすい。
  6. (6) 水槽用品は運転時間が長く、1年間で電気洗濯機の約10年間相当を運転することになる。それなのに、ヒーター、サーモスタット、循環ポンプ等には必ずしも耐用年数が表示されていないのが現状である。
  7. (7) ガラス製の水槽は、傷が付くと突然水槽が壊れたりヒビが入ったりして、水が室内に流出し、周囲や階下等に損害を及ぼすことがある。

消費者へのアドバイス

発火事故を防止するために

  1. ヒーター.サーモスタットに対する注意
    • ヒーター管は必ず水中で使用すること。
    • 水槽内の水位を、常に点検すること。
    • 水槽を掃除するときは、ヒーターやサーモスタットの電源プラグをコンセントから抜いた後、ヒーターを水中に10分程度置いてから、ヒーターを水槽外に出すこと。
  2. トラッキング現象に対する注意
    • プラグ類は、水槽の水がかからないくらい高い位置に置くこと。高い位置にプラグがない場合は、水槽から離して設置すること。いずれの場合も、コード等が濡れないよう注意すること。
    • 照明、循環ポンプ、ヒーター等の電源プラグの刃と刃の間のほこりを拭き取り、電源プラグやコンセントなどをいつもきれいにしておくこと。
  3. 蛍光灯に対する注意
    • 蛍光灯が水中に落下したり、大量の水がかかったりすると、感電や火災の原因になるので注意すること。一度水中に落下したり大量の水がかかったりした蛍光灯は、使用しない方がよい。
    • 蛍光灯の上に物を置くと、蛍光灯の内部に熱がこもって過熱し、火災や故障の原因となるので、物を置かないこと。

水槽破損事故を防止するために

  • 水槽に衝撃を与えたりキズをつけたりしないこと。掃除するとき、砂利や砂が掃除器具についたままでガラス面をこするとキズが付きガラス破損の原因になるので注意すること。
  • 水や砂利を入れたままで移動しないこと。
  • 強度が不十分な台や不安定な台の上に水槽を置かないこと。専用のキャビネットの使用が好ましい。
  • 水槽は耐熱性ではないので、お湯を直接水槽の中に入れないこと。

観賞魚に適した水温を維持するために

  • 必ず水温計を併用し、日頃から水温を点検すること。
  • サーモスタットのセンサーが水面から露出しないよう注意すること。
  • ヒーターは水槽の底部に直接触れないように砂利等を敷き、その上に水平に近い状態で置くとよい。
  • 水槽の容量に合ったヒーターを使用すること。

その他の注意点

  • ヒーター、サーモスタット、水中ポンプ等は消耗品であるから、早めに交換すること。
  • 気泡発生器のポンプを水面より低い位置に設置すると、停電の時水が逆流して感電の事故の恐れがあるので、気泡発生器のポンプは水面より高い位置に設置すること。
  • 取扱説明書をよく読んで、注意事項を守ること。

本件連絡先 情報管理部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。