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[1996年10月3日:公表]

「環境に配慮した衣料品」の商品テスト結果−強度・洗濯による変化などの基本性能を調べる−

 個人の嗜好で選ぶことの多い衣料品の分野でも「環境への配慮」をうたった商品が出てきている。そこでリサイクル素材を使ったフリースジャケット4銘柄、従来品のフリースジャケット2銘柄、リサイクル素材を使ったワイシャツ、セーター、Tシャツ各1銘柄、草木染めのワイシャツ、Tシャツ各1銘柄、テンセルのスカート4銘柄、合計15銘柄について衣料品として品質や性能をクリアしているのかテストした。

テスト結果は……

  • 使用済みのペットボトルなどから再生されたリサイクルポリエステル素材を使ったジャケット、バージンポリエステル素材を使った従来品、どちらも衣料品として基本的性能には特に問題は見られなかった。どの銘柄も洗濯などで毛並みの乱れが出たが、洗濯機洗いよりドライクリーニングの方が乱れが大きかった
  • リサイクルコットン素材を使ったTシャツ糸の長さがやや短く、製品の裏側に玉状の繊維のかすが付いていた
  • テンセル素材は生地の基本的性能にはいずれも問題はなかった。最も生地の組織が粗い変化織りの銘柄で洗濯のあとで地糸のひきつれができた

※購入時期:フリース製品'96年1月 その他:'96年4〜6月
 テスト時期:'96年3月〜6月
※このテスト結果は、テストした商品のみに関するものです。

買うとき使うときのアドバイス

環境に配慮した商品を選ぶ心がけを。

 環境に配慮したとうたった衣料品は従来品と比べてほとんど品質上の差がなく、衣料品としての性能に問題がなかった。衣料品を選ぶときの対象範囲にも入れてよいだろう。

フリース製品の毛並みの乱れはバージン素材、リサイクル素材を問わない。どちらも日ごろの手入れが大切。

 リサイクル素材100%のものは、新品時から毛並みが乱れていたが、いずれにしろ洗濯やクリ−ニング、着ているときのこすれなどで、毛並みの乱れは激しくなる。気になる場合は、豚毛などの洋服ブラシで、毛並みの方向に軽くブラッシングすると、かなり修正できる。

 また、洗濯機で洗うときは、表を外側にしたまま洗うと毛並みがよけい乱れるので、裏返して目の細かいネットに入れて洗うとよい。汚れている部分は、洗う前にあらかじめ汚れをたたき出しておく。

草木染め製品の染色は、今回のテストでは問題がなかったが、一般的には変色などに注意が必要。

 草木染め製品は、石油が原料の化学染料で染めたものに比べ、洗濯したり日光にあてたりすると、色が変化したりほかのものに移染しやすいので、注意しよう。

テンセル製品は、洗うと風合いや光沢が変化しやすい。じょうずな洗濯を。

 洗濯機洗いは、弱水流で短時間に。フリ−ス製品同様、裏返して、目の細かいネットに入れる。そうすれば、地糸がひきつれにくく、起毛も取れにくいので表面の光沢が失われずに済む。また、水洗いをすると、シワができたり、縮んだりするので、アイロンかけが必要になる。表面に起毛加工がしてあるとアイロンのあたりが生じやすいので、生地に段差ができないように、当て布をしてかけるようにしよう。

環境に配慮した商品の今後に注目しよう。

 LCAの評価をはじめ、業界の環境への取り組みはまだまだこれからの段階だが、わたしたちも製品の表示のされ方などに注意し、問題意識をもって今後の衣料品や業界の動きに注目していこう。

環境に配慮した衣料の種類

 環境への影響をなるべく減らそうという試みは、衣料品の分野でもいろいろ行われているが、まだ広く出回るところまではいっていない。製品化されつつある中で、どんなものがあるか、まとめてみた。

環境への影響が少ない原料を使ったもの

  1. 廃棄物を再生したリサイクル繊維を利用したもの
    • ペットボトル、ビデオテ−プ、テレホンカ−ドなどからのリサイクルポリエステル繊維
    • 紡績段階で削り落とされた落綿や裁断くずから作られたリサイクル綿糸
    • 糸くずや裁断くずを利用したウ−ル
  2. 染色の原料に、石油から作る化学染料を使用せず、天然素材の草木を使用したもの
  3. 栽培時に化学肥料を使わず有機栽培を行った綿花や麻、有機栽培した牧草で飼育した羊の毛を使用したもの(オーガニックコトッン、オーガニック麻、オーガニックウールなど)

製造段階で環境への影響を少なくしたもの

  1. 染色加工工程(薬剤や水を大量に使うため、最も環境汚染につながる工程とされている)で、染色を施さず、もともとの素材の色合いを生かしたもの(無染色、ジーンズの裁断くずの色をそのまま利用する、など)
  2. 紡糸の段階で紡糸溶剤をリサイクルして使っているもの
    • テンセル(英国のコートルズ社が原綿を生産、日本のメーカーが製品化した素材の商標名)
    • リヨセル(オーストリアのレンチング社の商標名)

廃棄の段階で、環境への影響を少なくしたもの

  1. 廃棄しても生分解するもの
    • パルプを原料とするもの(テンセル、リヨセルなど)、生分解性ポリエステルなど
  2. 製品にリサイクルしやすいくふうをして回収し、ボタンなどに再生するシステム
    • 生地や芯地、ボタンなどがすべてポリエステル100 %の衣料
  3. ユニホームを回収・再利用するシステム
    • ボタンや芯地、ファスナーまでナイロンの素材を用い、回収後ナイロンの原料に戻す

衣料品のリサイクルの方法としてはこのほかに、リユース(古着として再使用する)、リメーク(衣類を分解して工業用ぞうきん=ウエスなどにする)などがある。


本件連絡先 商品テスト部
電話 0427-58-3165