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[1996年6月6日:公表]

子供と老親への責任と自分の老後−団塊世代の生活実態調査から<抜粋>

調査の目的

 団塊世代を対象に、本格的高齢社会に生じるであろう生活上の諸変動への対応を将来の生活設計や世代間の資産移転・介護等の実態からみるとともに、資産等に関わる消費者問題を探ることを目的としている。

調査対象等

  1. 1.調査地域・調査対象…首都圏 1947年〜1949年生まれの男女
  2. 2.調査方法…留置記入(一部郵送)・選挙人名簿等より抽出
  3. 3.調査時期…1995年11月
  4. 4.調査対象者数…1,500
  5. 5.回収数および回収率…1,017 67.8%

調査結果の概要

現在行っている活動と今後の活動希望

リサイクル活動や「地域のスポーツや趣味の会」活動、ボランティア活動など11項目をあげ、日ごろ積極的に行っている活動と今後行いたい活動をみた。

日ごろの活動

  1. (1)女性の実施率のほうが男性より11項目中 9項目について上回っている。高齢者のためのボランティア活動実施率は女性 7.2%、男性は 0.3%である。
  2. (2)二世代同居の女性の活動実施率は、親と同居する三世代同居の女性よりやや高めである。
  3. (3)フルタイムで働く女性の活動実施率は総じて低い。「地域のスポーツや趣味の会」活動を例にみると、専業主婦の活動率(42.1%)はフルタイムで働く女性(19.8%)より22ポイント上回る。

今後行いたい活動

  1. (1)今後は男性も地域のスポーツ活動や学習活動を希望する人が多い。今後の学習希望率(38.5%)は、現在(12.5%)より26ポイント上昇する。
  2. (2)三世代同居の女性の今後の活動希望率は、現在の活動状況とは逆に二世代同居の女性よりやや高めである。
  3. (3)フルタイムで働く女性は、今後は「学習活動」の希望率は高いが、地域活動への参加希望は今後も低調である。

親と子にみる「特殊販売等に勧誘された経験とトラブル」

親の場合

  1. (1)金融関連商品は男性のほうが勧誘される率は高く、高収入層ほど勧誘される。商品相場に勧誘される率は男性は女性より27ポイント高く(女性 8.5%、男性35.2%)、株式(女性37.4%、男性47.4%)や会員権(女性22.6%、男性32.7%)は、10ポイント上回る。マンションなど自宅以外の不動産への投資に勧誘される率に男女差はない(女性52.0%、男性52.3%)。
  2. (2)資格講座や自己啓発講習会も男性のほうが女性より勧誘される率は高い。資格講座の勧誘率の男女差は約10ポイント(女性13.3%、男性24.7%)である。
  3. (3)健康食品やマルチ・マルチまがい取り引きに勧誘される女性は 1割台であり、男性は 1割に満たない。SF商法の勧誘を受けた女性は 5.3%、男性は 0.8%。
  4. (4)株式や会員権、不動産への投資は高収入層ほど勧誘される比率は高い。マルチ・マルチまがい取引は低収入層のほうが勧誘される比率はやや高め。
  5. (5)申し込み率は低い(勧誘された男性の 1.9%、女性 2.9%)。被害に遭った男性は1人もいない。女性は35.7%が被害に遭っている(14人中 5人)。勧誘される率、申し込み率、被害率共に、高齢者は団塊世代より高い。

未成年の子の場合

  1. (1)未成年の子の77.1%が「家庭教師派遣や塾」に、31.6%が「英会話学校」に、12.7%が「レジャー施設などを安く利用できる会」に勧誘されている(と親は思っている)。これら以外の10の商品・サービスに勧誘されている比率は 5%前後であるが、資格講座やマルチ取引など大人と同様の勧誘をされている。 勧誘されているかどうかわからない親は10.3%いる。
  2. (2)勧誘されて困った経験のある子は17.3%である(と親は思っている)。困った経験をしているかどうかわからないという親は21.5%である。
  3. (3)困った経験とは、街頭で「取り囲まれ逃げられずに困った」「追いかけられて怖かった」「断ったら脅された」なかには「販売組織の加入」を断り友人から恨まれた子もいる。

これからの仕事と経済的な備え

これからの仕事

  1. (1)フルタイムで働く男女の場合、現在の仕事を「定年まで続けるつもり」の男性は59.6%、女性は38.2%である。「辞めるかもしれない」「辞めたい」「辞める」を合わせると男性18.1%、女性28.1%となる。
  2. (2)フルタイムで働く男女のうち転職や独立を「考えたことがある」男性は55.1%、女性は31.4%である。「考えたことはない」男性は40.7%、女性は60.9%である。
  3. (3)専業主婦の 6割は仕事をしたいと思っている。なかでも多いのは「パートかアルバイト」27.0%であり、「家でできる仕事」15.8%、「常勤の仕事」5.9 %となっている。就労意志と収入には関わりはない。

経済的な備え

  1. (1)仕事を辞めた後の日常の生活費としては、公的年金を予定している人が最も多く(85.3%)、次いで預貯金(55.1%)、個人年金(36.7%)、養老保険(31.4%)と続く。退職後、再就労の収入でまかなうつもりの男性は43.1%いる。株式や投資信託でまかなうつもりの男性は、1,500 万円以上層でも9.4%にすぎない。
  2. (2)仕事を辞めた後の生活費は、高収入層ほど多様な金融商品を準備している。預貯金でまかなう 700万円未満層は40.0%に対し、1,500 万円以上層62.5%。個人年金でまかなう700万円未満層は20.0%に対し、1,500万円以上層43.8%。再就労の収入でまかなうつもりの男性は、逆に、 700万円未満層は48.0%に対し、1,500万円以上層28.1%と高収入層が少ない。

親の介護と自分の老後

親の介護

  1. (1)親の介護を「過去あるいは現在」している女性30.9%、男性18.1%。「介護経験はないが将来介護するかもしれない」を合わせると、女性62.9%、男性49.2%は親を介護することになる。
  2. (2)「過去あるいは現在」の介護率は常勤で働く女性が低く(24.6%)、専業主婦(36.2%)や自営業(35.1%)より10ポイント下回る。
  3. (3)常勤で働く女性は「自分の親」、専業主婦は「夫の親」の介護率が高い。
  4. (4)介護した場所は病院が最も多く、なかでも自営業の女性の利用率が高い。
  5. (5)家政婦のヘルプサービス利用率が最も高い(23.5%)。ホームヘルパー、デイサービス、ショートステイはいずれも1割未満。

自分の老後

  1. (1)「家族の世話を受け自宅に住み続ける」ことを望む男性29.3%、女性 9.1%。家族の世話を受けたい男性の96.7%は妻を、女性71.9%は夫を頼っている。
  2. (2)介護経験のある男女は共に「家族の世話を受け自宅に住み続ける」ことを望む比率は、他の男女より低い。
  3. (3)「家族以外の世話になる」という女性の68.8%、男性の67.3%はホームヘルパーによる世話を期待している。

子供に関する費用負担

  1. (1)授業料、学習塾、予備校などの学校教育費や家庭教育費はピ−クを迎えているが、これらの費用は世帯当たり月額で106,838 円にも達している。年収別では「700万円未満」 の86,898円から「1,500 万円以上」の130,460 円と月額 4万円以上の開きがあり、同時に収入との相関が認められる。
  2. (2)なかでも授業料は予備校・浪人の73,537円、専門学校・高専79,489円、短大・大学82,746円といずれも高い水準を示している。
  3. (3)低学齢層が中心の習い事に対し、学習塾や現役高校生の予備校通いは一般化しており、調査世帯の55% 、子供総数の61% でこれらの支出が計上されている。
  4. (4)高額化する教育費ではあるが、国民年金の保険料よりも「親が全額(大部分)負担する」ことを肯定的に受け止めている。

[報告書は以下の方法で入手できます]
 「子供の老親への責任と自分の老後
          −団塊世代の生活実態調査から−」
  平成8年3月 国民生活センター(調査研究部)発行
  B5版 98ページ 価格 800円(消費税込み)

  • ※本報告書の有償配布は終了しました。