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[2012年1月10日:公表]
講習会商法−「信じていたのに・・・」の巻
- 登場人物
- まつこ(63歳) 主婦
- トキエ(67歳) 主婦
- ワルヤマ(20代後半くらい) 「アヤシー」店員
- ウソダ(40代後半くらい) 「アヤシー」店長
ナレーション
ある日のこと・・・- まつこ:
- ねえねえ、新しく開店した「アヤシー」というお店のチラシ見た?今日新聞に入っていたでしょう。100円で食パンや卵が買えるみたいよ。行ってみない?
- トキエ:
- ほんと?じゃあ行ってみましょうか。
ナレーション
まつことトキエはチラシを持って、「アヤシー」のあるビルへ行った。- トキエ:
- 「アヤシー」って書いてあるわ、ここみたいね。中が見えないけど大丈夫かしら・・・。
- まつこ:
- 大丈夫よ、100円の商品だけ買って帰りましょう。
- ワルヤマ:
- いらっしゃいませ!初来店の記念にポイントカードを差し上げます、ご来店いただくごとにスタンプを押します。全部のマス目が埋まったらプレゼントを差し上げますよ。
- まつこ:
- まあ、ポイントカードですって。トキエさん、もらっておきましょう。
- トキエ:
- えっ、ええ・・・。ねえ、なんだか変ね。商品は少し並べてあるけど値段がついていないわよ。それに椅子がこんなに並べてあって、何かの説明会場に来たみたい。
- まつこ:
- それは、そうね・・・。
ナレーション
しばらくすると、40〜50あった席は客でほぼ埋まった。大半が60歳以上と思われる女性であった。そこへ40代後半と見受けられる男性が登場した。- ウソダ:
- みなさん、本日はようこそ「アヤシー」においでくださいました。私は店長のウソダと申します。どうぞよろしくお願いします。せっかくおいでいただいたので、今日は皆さんに健康について少しお話したいと思います。
まず、こちらの表をご覧ください。年代別の生活習慣病の発症数です。このように年齢が上がるにしたがって発症数が増加しています。生活習慣病を予防するためには、規則正しい生活とバランスのとれた食事が大切です・・・。
ナレーション
店長の話は1時間ほど続いた。- ウソダ:
- 今日はここまでです。続きは明日お話します。今日の特売品、食パンをお買い上げの上お帰りください。ありがとうございました。
- まつこ:
- いい話だったわね。100円で食パンも買えたし。明日の特売品は卵よ。明日も来ましょうか。
- トキエ:
- そうね、何か売りつけられるんじゃないかって心配だったけど、いい話が聞けて、100円で食品が買えるなんて、いいことばかりね。明日も来ましょう。
ナレーション
翌日- ワルヤマ:
- ようこそおいでくださいました。来店のスタンプを押しましょう。もうすぐ店長の話が始まりますので、お席についてお待ちください。
- トキエ:
- 今日はどんな話かしら、楽しみね。
- まつこ:
- そうね!
- ウソダ:
- みなさんこんにちは!今日はユウメイ大学教授のサギタ先生が開発された「そばで作る健康食品」について話します。皆さんもご存じと思いますが「そば」には体に良い多くの成分が含まれています・・・。
ナレーション
話は1時間ほどで終わり、まつこさんとトキエさんは特売品の卵を100円で買って帰りました。二人は毎日通ううちに、同じように通っているほかのお客さんや店員のワルヤマとも仲良くなり、通うことが楽しみになっていました。こうして一週間ほど二人は通いました。今日も二人は会場で話が始まるのを待っています。
- トキエ:
- 毎日本当にいい話が聞けてとても勉強になるわ。昨日は健康チェックまでしてくれたし、来ているだけで健康になれる気がするわね。ここで販売してる健康食品なんかは本当に体にいいんじゃないかしら。あっ、店長の話が始まるわ。
- ウソダ:
- みなさん、今日もようこそおいでくださいました。毎日通ってくださるみなさんのために今日は特別なお話をします。
先日お話した、うちで販売している「熊の幸せ」のことを覚えておられますか?めったに入手することのできない熊の肝を使った健康食品です。通常この商品は1箱3万円ですが、6箱まとめてご購入いただければ1箱サービスします。毎日通っていただいた方への特別サービスなので、20人様限定とさせていただきます。
- トキエ:
- すごい!この前聞いた、飲んでいるだけで健康になるっていう「熊の幸せ」を1箱サービスですって。お得だわ。20人限定なら早くしないと!私買うわ!
- まつこ:
- そうね。私も買いましょう!二人で健康になりましょう!
ナレーション
こうして二人は「アヤシー」をすっかり信じ、その後も勧められるまま、次々と健康食品や空気清浄器などを買い続けました。気づいたときには二人とも、支払った額が総額100万円を超えていました。健康食品が山積みになっているのを見た家族に「おかしい」と指摘され、二人はやっと我に返り、消費生活センターに相談することにしました。
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