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[2011年7月28日:公表]

震災便乗商法−「その屋根工事、本当に必要なの?」の巻

  • 登場人物
    • 吉田 茂さん (80歳) 年金生活者
    • 屋根工事業者

ナレーション

震災の次の日のこと
事業者:
ごめんください。私どもは屋根の工事を請け負っている者です。昨日の地震はすごかったですねえ。お宅の屋根も瓦が随分落ちていますね、早く補修したがいいですよ。
茂:
いや、まだ動揺していて工事どころじゃないよ。
事業者:
気持ちはわかりますが、早く手配しないと工事の依頼が殺到することが予測されますので、いざ工事を、と思ってもすぐにやってもらえなくなりますよ。
茂:
失礼だが、君は誰だね。どこの誰かわからない人に頼めないよ。今日は帰ってくれ。
事業者:
申し遅れました。私は丸三角工務店の営業部長の田中と申します。うちは営業を始めて30年、地域の方々に信頼されてここまで続けることができました。今日は、昨日の地震の影響を見るために、通常の営業範囲以外の地域も回っていたところです。今日だけで100件ほど工事の依頼を受けていますよ。
茂:
100件かね!それはすごいな。皆急いで工事を頼んでいるのかな…。それでは見積もりだけでもお願いしようか。
事業者:
分かりました。では、ちょっと屋根と建物を見せていただきますよ。

ナレーション

1時間後
事業者:
吉田さん、いやー、思った以上に広範囲で瓦が落ちたりずれたりしていました。すぐに手当てした方がいいですよ。雨でも降ったら被害が大きくなります。
茂:
それは本当かね。困ったなぁ。
事業者:
とりあえず、問題のある箇所にシートを張って応急処置をしましょうか。費用も大してかかりませんし、しばらくの間ですが雨は防げますよ。
茂:
そうかね、それでは頼むよ。
事業者:
分かりました。今日すぐにやりましょう。職人も連れてきていますから。

ナレーション

工事はすぐに行われた。
事業者:
終わりました。これで、しばらくは大丈夫ですよ。
茂:
それはよかった。ホッとしたよ。ありがとう。
事業者:
ところで、見積もりの件ですが…。大変失礼ですがこの瓦はふいてからずいぶん時間が経っていますよね。先ほど見てみたら地震の影響だけではなくあちこち随分と傷んでいました。どうせ工事をするのであれば、ついでといってはなんですが、屋根の下地から新しくして全部ふき替えられたらどうですか。足場を組む費用を考えるといっぺんにやった方が結果的には割安になります。ちょっと試算してみましたが、400万円ほどですみますよ。
茂:
400万円!? いや、急に言われても…。今日の分の支払いもまだだし。
事業者:
今のままでは部分的に補修をしても、小さな地震がきたら瓦が落ちるだけではなく、屋根そのものも壊れてしまう可能性が高いですよ。うちに依頼していただければ、今日の代金はサービスしますよ。
茂:
サービスしてくれるのかね。でも、ちょっと家族に相談したいな。
事業者:
先ほども言いましたが、すでに100件の工事を依頼されています。職人の手配や材料の調達などを考えると、うちではギリギリです。おそらく他の工務店も動いていると思いますよ。そうなると、職人と材料の手配だけでも大変ですし、資材不足になると材料の価格は跳ね上がって工事金額に上乗せすることになります。
茂:
確かに、物がなくなれば値段は上がるかもしれないねえ…。
事業者:
よくお分かりですね。明日はこの値段ではお請けできないと思いますよ。
茂:
そうか、わかった、じゃあお願いするよ。
事業者:
ありがとうございます。早速手配しますね。

ナレーション

夜、勤めから戻った息子に話をしたら、工事金額も高いし、数年のうちに家を建て替える計画もあるので屋根全体の工事は必要ないと大反対されました。そこで、茂さんはクーリング・オフすることにしました。

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