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[2013年2月28日:更新]
[2011年1月21日:公表]

「安すぎる思い出」の巻 貴金属買取トラブル

  • 登場人物
    • 五十嵐 美千代 (68歳)
    • 五十嵐 巌 (72歳 美千代の夫)
    • 高井 義男 (貴金属買取業者)
    • 山口 たかる (貴金属買取業者)

ナレーション

ある日の午後、玄関のチャイムが鳴った
美千代:
はーい、どちらさまですか。
高井:
私は、アラキ貴金属の高井と言います。アクセサリーなどの貴金属の販売と買取を行っている会社です。今日はこの地域を回っています。貴金属の鑑定をさせていただき、よろしければ高額で買取をいたしますが、少しお時間をいただけないでしょうか。
美千代:
貴金属の鑑定士さん?私、たいした物は持っていないんですよ。
高井:
皆さんそうおっしゃるのですが、意外と忘れられている物があるんですよ。眠らせたままではもったいないです。そのように使わなくなった貴金属を買い取らせていただくので、お客様に喜んでいただいています。そのお金で新しい物をお買いになる賢い方もおられますよ。
美千代:
そうね、最近使っていない物は何点かあるかもしれないわ。
高井:
鑑定だけでもさせていただけませんか?鑑定は無料ですよ。
美千代:
無料なの?それなら見てもらいましょうか。

ナレーション

そこで、美千代は手持ちのネックレスや指輪などの貴金属を見てもらうことにした
山口:
随分たくさんお持ちですね。(手に取って見ている)
美千代:
そうね。こうやって並べてみると、ずいぶんあるわね。
あっ、これは夫が結婚25周年に買ってくれた指輪。台はプラチナのはずですよ。
これは・・・そうそう、私のパートのお金を少しずつ貯めて夫に内緒で買った金のネックレス。うれしかったわー。でも重くて最近は使っていなかったわね。それにこれは家族で旅行したときに買ったイヤリング。それにこれは・・・どこで買ったんだったかしら・・・。
山口:
ですが、大変失礼ですが、どれも少しデザインが古いですね。
美千代:
それはそうね。随分前に買ったものだから。でも物はいいはずよ。当時は流行のデザインで気に入ってたのよ。いろいろ思い出しちゃった。
高井:
山口、ちょっと値段を出してみてくれ。
山口:
あ、はい。えっとこのプラチナのリングが1万円。こちらの金のネックレスが3万円、他はほとんど価値がないので・・・・全部で4万5千円です。
美千代:
いえ、まだ売ると決めていないんですよ。
高井:
ですが、使わない物を持っていても仕方がないでしょう。少しでもお金にして新しい物を買われたらどうですか。
美千代:
そう言われても急には決められないわ。
山口:
金の相場が高い今は売り時ですよ。使っておられないし、手入れもされてないようですから。
美千代:
でも、買ったときはそんな値段なんかじゃなかったわよ。少なくとも10倍はしたんじゃないかしら。
高井:
それはそうですよ。購入されるときには、デザイン代や加工代なども含まれていますからね。私どもが買うのはあくまでも金やプラチナだけです。ですからその重さ分の値段をお支払いするのですよ。
美千代:
え、そういうものなの…?
少なくとも夫が買ってくれたこの指輪は売れないわ。
山口:
そうですか、するとこのプラチナ分を差し引いて、3万5千円になります。
美千代:
え〜、いくらなんでも3万5千円はちょっと安いように思うんだけど。
高井:
では、特別に3万7千円にしましょう。他の方には内緒ですよ。おい、山口、代金をお渡しして。
山口:
あ、はい。お確かめください。(と、現金3万7千円を渡す)
美千代:
あ、はい・・・。(と、受け取ってしまう)
山口:
それから、この書類に署名して、健康保険証の番号を書いてください。1万円以上の商品を買い取った場合には、この書類が必要になりますので。
美千代:
あ、そうなの。保険証ね。これでいいかしら?
山口:
はい、結構です。
高井:
今日はどうもありがとうございました。また何かありましたら、お声をかけてください。
美千代:
え、いえ、はい、どうも。(なんだかキツネにつままれた気分、これでよかったのかしら・・・)

ナレーション

夕方帰宅した夫に、美千代はこの話をした。
美千代:
ねーあなた、そういうわけで使わなくなったアクセサリーを処分して3万7千円になったのよ。これで新しいネックレスでも買おうかしら。
巌:
えー全部で3万7千円!?それ安すぎないか?ちゃんとした業者なのか?
美千代:
多分。二人のうちの一人が○○鑑定士って言う身分証明書を持っていたわよ。その人が鑑定してくれたの。それに買う時にはデザイン代や加工料が入っているから高いんですって。
巌:
それはそうだろうが、今、金の相場は上がっているんだぞ。買取の明細はもらったの?
美千代:
そういえば、明細書も何もくれなかったわ。向こうに渡す領収書にはサインしたけど。いえね、私も本当は売るつもりはなかったんだけど・・・。でも、なんだか知らないうちにそんなことになってしまって。よく考えると、思い出を安く売っちゃった気がしてきたわ。どうしましょう。保険証の番号も記入させられたし・・・。
巌:
保険証の番号?何に必要なのかな・・・。業者に連絡して解約したがいいよ。名刺くらいはもらっているんだろ?売るなら、自分でも相場とかを調べて、よく考えてから売らなきゃだめなんだよ。
美千代:
あ〜あ、臨時収入になってよかったと思ったけど、やっぱり変よね。明日連絡してみます。(しょんぼり・・・)

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