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[2009年7月3日:公表]

契約をやめたいとき(1):契約の不成立、無効、取消し

 「事業者との間の契約、どんな場合にやめることができるの?」という疑問にお答えする新シリーズです。

 1回目の今回は「そもそも契約が成立していない」場合や、「契約は無かった(無効)」という主張ができる場合、また契約は成立したもののだまされていたことがわかり、取消しができる場合について、いずれも事例をもとに法律で定められていることをやさしく解説します。

 2回目は契約の解除や請負契約などの中途解約について、3回目はエステティックなどのサービス(役務)やマルチ取引の中途解約と合意解約について、解説していく予定です。


ケース1:そもそも契約が成立していない−不成立

事例

 自分宛てに封筒が送られてきたので開封したところ、花の種と金額欄に3千円と記載された振込用紙が入っていた。ボランティア団体を名乗るところからの手紙が添えられ、「活動資金が不足しているので支援として購入をお願いする」と書かれていた。どんな団体かわからないので代金は支払いたくない。

チェックポイント

 契約は、「申込み」と「承諾」の意思の合致によって成立します。どちらか一方だけでは成立しません。申込みを受けても、それに対して承諾をしなければ契約は成立しないのです。

 事例のボランティア団体を名乗るところの手紙にある、購入のお願いは、売買契約の「申込み」です。現段階では「申込み」だけですから、当事者間の意思が合致しておらず、契約は成立していません。契約は成立していないのだから、当然、代金を支払う必要もありません。



ケース2:勘違いした状態で申し込んだ−錯誤により無効

事例

 ネット通販で広告を見てブランド品の財布を購入したが、届いた商品はニセモノだった。前払いで支払った代金を返してほしい。

チェックポイント

 契約に関する重要なことを勘違いした状態(錯誤)で相手に意思表示をした場合は、その意思表示の無効を主張することができます。

 事例の場合は、消費者が広告によってニセモノの財布を本物であると勘違いした結果、購入を申し込んだもので、ニセモノであることを知っていたら、決して申し込むことはありませんでした。よって申込み自体が無効で、その結果、契約はそもそも無かったことになりますから、事業者は消費者に代金を返さなければなりません。一方、消費者は事業者から届いたニセモノの財布を返すことになります。



ケース3:相手にだまされた−詐欺による取消し

事例

 「海外への投資事業を営んでおり、大きな収益が期待できる。わが社に投資すれば高額な配当金を支払う」と説明されて100万円を出資したが、配当金は支払われなかった。その後、社長が詐欺で逮捕され、海外への投資事業に関する説明は、だまそうとしてついたうそだったことがわかった。

チェックポイント

 相手のうそにだまされて(詐欺)契約をした場合、契約は成立していますが、取り消すことができます。

 事例の場合、海外への投資事業の説明はうそで、事業者はだますつもりでお金を集めていたので、支払った100万円全額の返金を要求できます。一方、配当の一部を受け取っている場合は、それを返さなければなりません。

 ただし、逮捕された事業者から実際に返金があるかというのは別問題です。返金されるかどうかは、はなはだ疑問です。



参考法令

民法  521条から528条、555条、95条、96条



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