家庭内で圧倒的に多い階段の事故

最近、電動モーターで走行する「電動スクーター」が販売され、「ハンドルが折れて、けがをした」「走行中突然前輪がロックされ転倒しそうになった」など、安全性にかかわる相談が寄せられています。




 このページのTOP特徴実例対策コラム

特徴
電動スクーターってどんなもの?
 電動スクーターは電動モーターで走行する乗り物で、電動キックスケーター、電動キックボードなどと呼ばれることもあります。電動スクーターは、「道路交通法」上では原動機付自転車として扱われるため、公道での走行時には運転免許証が必要になります。さらに、市区町村で登録してナンバープレートを取り付け、自賠責保険にも加入しなければなりません。
 また、電動スクーターで公道を走行する際には、電動スクーターのブレーキ、前照灯、方向指示器などの各種装備や性能について定められた「道路運送車両の保安基準」(以下、「保安基準」とする)に適合する必要があります。

けがをした事故が発生
 国民生活センターには、電動スクーターに関する相談が1999年度以降2002年度までに76件寄せられ、そのうち71件(93.4%)は、2002年度に寄せられたものでした。なお、1998年度までは電動スクーターに関する相談は1件もありませんでした。
 相談の中には、「ハンドルが折れてけがをした」など、危害(けがをした)情報が2件、「転倒しそうになった」など、危険(けがのおそれがあった)情報が3件ありました。

販売時の説明に問題があると思われる相談が多い
 購入時に「無免許で使用できる」30件(39.5%)、「公道で走行できる」9件(11.8%)、「登録不要」2件(2.6%)等の説明を受けたが、 その後、「警察から注意を受けた」「実際は免許がないと乗れない」 「公道走行不可」であることがわかった等、 販売時の説明に問題があると思われるものが48件(63.2%)ありました。


=道路交通法及び道路運送車両の保安基準について=

(1)道路交通法  原動機付自転車は運転免許が必要で、ヘルメット着用など原動機付自転車としての通行方法に従うこと、道路運送車両の保安基準に適合したものしか運行できないことなどを定めており、違反した場合には罰則規定があります。

(2)道路運送車両の保安基準  原動機付自転車の保安上又は公害防止上の技術基準を定めており、各種装備や性能の詳細を定めています。

 このページのTOP特徴実例対策コラム

実例
危害・危険情報
販売時の説明に問題がある
と思われる相談
↓
↓
CASE1
通信販売で購入した電動スクーターのハンドルが折れて、けがをした。
CASE1
店舗で電動スクーターを購入。「公道で無免許、無登録で使用できる」と言われたが、警察から注意を受け、うそとわかった。
免許がなく、利用できない。
CASE2
電動スケーターを使用中に、前輪のチューブが2回ねじれたので、修理に出し取り替えてもらった。しかし、その後も接触不良で電源が切れなかったり、ヘッドライトが落ちてきたりして故障が頻発している。
 

 このページのTOP特徴実例対策コラム

対策
 購入時の注意
その1
公道の走行が可能なことをうたって販売していますが、走行してはいけないものがありました。 購入の際は、公道で走れるかどうかお店でよく確認しましょう。

その2
保安基準に適合しない電動スクーターは、公道での走行が禁止されています。 使用できる場所は私有地等に限定されることに注意し、購入前には使用できる場所が確保できるか考えましょう。

その2
原動機付自転車に相当する電動スクーターは、車両の登録や免許、自賠責保険への加入のほか乗車時はヘルメットの着用等が必要なので注意しましょう。

業界への要望

1 保安基準に適合していないにもかかわらず「公道の走行が可能」と表示・販売しているものがありますので、車両を保安基準に適合するように改善するか、「公道の走行ができない」旨の表示に改善するよう要望します。
2 組み立てが困難なものや、走行に支障があるもの、耐久性に問題のある銘柄がありましたので、品質や耐久性の改善を要望します。
3 取扱説明書が英語のみで書かれているものがありましたので改善を要望します。

行政への要望
 保安基準に適合していないにもかかわらず「公道の走行が可能」と表示・販売している電動スクーターがあります。表示の改善をするよう業界への指導を要望します。

 このページのTOP特徴実例対策コラム

コラム
電動スクーターをテストしてみました
「公道での走行が可能」と表示して販売されていた電動スクーター4銘柄をテストし、次のようなことがわかりました。

(1)前輪ブレーキのないものが多く、どの銘柄も灯火類等の装備に不適当なところがあり、公道を走行してはいけないものでした。

(2)最高速度はどれも20km/h以下であり、また、走行安定性は低いと考えられました。

(3)上り坂(斜度8度)で、発進できないものやブレーキで静止できないものがありました。

(4)一部組み立て式ですが、部品が不適切なため組み立てが困難なものや、走行に支障のあるもの、耐久性に問題のあるものがありました。

 以上、「公道での走行が可能」と表示されているものの、いずれの電動スクーターも保安基準で定められた基準を満たしていないので、公道を走行してはいけないことがわかりました。早急に「公道の走行が可能」という表示を改善する必要があります。
 また、上り坂で静止できない等性能的に劣るほか、組み立て部品や構造部品に不適切なものが使用されていました。他に、車体やバッテリーの耐久性に問題のある銘柄もありました。

2003年8月発行「くらしの危険No.264」より