これまでに、スチーム式加湿器の蒸気によるやけどを6例治療しました。7ヶ月から1歳7ヶ月の乳幼児で、すべて手指のやけど、3例は
瘢痕拘縮で植皮手術を行いました。瘢痕拘縮とは指がくっついてしまい、伸ばせなくなる状態です。
加湿器の蒸気によるやけどは深いやけどになる例が多く、植皮手術により指は伸ばせるようにできますが、皮膚の色や状態はもとどおりにはなりません。
保護者は皆「まさか加湿器でやけどをするとは思わなかった」と、乳幼児の手の届く範囲に加湿器を置いており、蒸気に触ってやけどをしたものです。中には、祖母の目の前で蒸気に触って、皮膚移植を要する深いやけどを負った例もあります。祖母は加湿器から出る蒸気を、超音波式の冷たいものだと思っていたそうです。
スチーム式加湿器でのやけどの危険性は、あまり知られていません。噴き出し蒸気の温度を低くしたとされるスチームファン式が、最近は多いようですが、それでも蒸気は60℃前後からもっと高温のものもあるといわれ、やけどの危険があります。
指が伸びない状態(瘢痕拘縮)
●10ヵ月女児の症例で、手術により指は伸びるようになりましたが、鼠径部(そけいぶ 太もも付け根の内側)の皮膚を移植したため色調の違いがあります。
(札幌医科大学形成外科医 本間賢一先生より提供)