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[2018年4月23日:掲載]

最初の30分間は「強」で自動運転する電気カーペット

温度設定を「弱」にしても座れないほど熱くなるとの相談があった電気カーペットを調べたところ、設定温度にかかわらず最初の約30分間は「強」で自動運転し、40〜42℃まで表面温度が高くなる仕様であった。表示からは分かりにくかった事例を紹介する。


相談内容

 1畳用と2畳用の電気カーペットを購入し、初めて使用したところ、1畳用は座れないほど熱くなり、一番低い温度設定の「弱」にしても熱くて座れなかった。2畳用は温度センサーが付いているが、一番低い温度の「弱」に設定した場合でも、熱くなり過ぎて、すぐにスイッチが切れてしまう。店に伝えたところ、持ってきてくれれば交換すると言われた。しかし、交換した物でも同じことが再び起きるのなら危険なので交換ではなく返品したい。電気カーペットの表面温度を調べてほしい。



商品テストおよび調査

 相談を受けた消費生活センター(以下、受付センター)は、国民生活センターに商品テストを依頼した。その結果、次のことが分かった。

(1)苦情品の概要

 苦情品は床に敷いて直接暖を取るための電気カーペットであった。

 今回、相談者からは苦情品として1畳用と2畳用の電気カーペットのほか、それぞれに使用していた専用のラグも提供された。なお、苦情同型品は在庫がなく入手することはできなかった。

 1畳用、2畳用ともに、電気用品安全法に基づく基準を満たしていることを示すPSEマークがあった。

 また、2枚とも取扱説明書に「最初の約30分間を『強』で自動運転する」との記載があった。なお、この自動運転を解除できる旨の表示はなかった(苦情品の主な仕様は以下のとおり)。

1畳タイプ
定格:AC100V 50/60Hz 200W
寸法:約176×88cm
温度調節目盛:弱〜強
消費電力量・表面温度:約110Wh(中)・約35℃、約141Wh(強)・約45℃
その他:PSEマークあり
2畳タイプ
定格:AC100V 50/60Hz 500W
寸法:約176×176cm
温度調節目盛:弱〜強
消費電力量・表面温度:約220Wh(中)・約35℃、約298Wh(強)・約45℃
その他:PSEマークあり

(2)苦情品の外観調査

 2枚とも使用に伴う汚れや破損はなく、目立った異常はみられなかった。

(3)作動確認および表面温度測定

 相談者の申し出どおりにじゅうたんの上に電気カーペットを敷き、その上に専用のラグを敷いて、使用状況を再現して、作動確認を行った。

 1畳用、2畳用のいずれも、コントローラーで「弱」「中」「強」の温度設定ができる。そこで、それぞれ「弱」「中」「強」に設定した状態で表面温度を測定した(図1)。

表面温度の測定方法を示したイメージ図。じゅうたんの上に苦情品を敷き、その上にラグを敷いて測定をしている。
図1 表面温度の測定方法(図はイメージ)

  • ※JIS C 9216「電気カーペット」の「設定温度許容差試験」の方法を参考に実施。一辺の長さ65mmの正方形で厚さ0.5mmの表面が平らな銅板に熱電温度計の感温部をはんだ付けなどによって固定し、測定時はその銅板の上に発砲スチロールと3kgの重りを載せて固定する。測定点は苦情品の中央部とし、室温は約20℃、測定時間は60分間とした。

 2枚とも温度設定とは無関係に、最初の約30分間は表面温度が40〜42℃まで上昇し、約30分を過ぎると、「弱」「中」「強」それぞれの設定した温度域になった。

 次に比較のため参考品として他社製造の1畳用電気カーペットを2銘柄購入し、同様の条件で作動させた。苦情品のように、最初の30分間に表面温度が40〜42℃まで上昇することはなく、設定した「弱」「中」「強」それぞれの温度で作動するようすが確認できた(図2)。

作動時の表面温度の変化を示したグラフ。苦情品は最初の30分で温度が40〜42℃に上昇するが、参考品は苦情品のような温度変化はせず設定した「弱」の温度で作動している。
図2 作動時の表面温度変化(温度調節「弱」の例)

 さらに電気カーペットの上に敷くラグが異なると、表面温度に違いがあるかどうかを確認するために、別途ラグを購入して調査した。室温約20℃で1時間作動させたときの表面温度分布は、相談者のラグと大きな差はみられなかった。

 これらの結果から、苦情品を「弱」にしても熱いと感じた原因は、「弱」「中」「強」のいずれに設定した場合でも、最初の約30分間は表面温度が40〜42℃まで上昇するためと考えられた。



結果概要

 受付センターは、商品テスト結果を販売会社に伝えた。

 販売会社からは、当該商品は最初の約30分間を「強」で自動運転する機能が付いたものであったが、既に製造を終了している。今後、同様の機能が付いた電気カーペットを販売する際は、分かりやすい表示に努めたいとの回答があり、相談者には返金された。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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