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[2017年4月26日:掲載]

電話勧誘販売で契約したモバイルWi-Fiルーターの解約

電話勧誘販売で契約したモバイルWi-Fiルーターの解約に関する事例のほか、改正された電気通信事業法の解約ルールも併せて紹介する。


相談内容

 契約している携帯電話会社から電話勧誘があり、「通信料金が安くなる」と言われたのでモバイルWi-Fiルーター(以下、ルーター)を機種変更して、ルーターの料金プランも変更した。しかし、よく考えると現在使用しているルーターの代金の分割払いが残っていたので、やっぱり契約をやめたいと思った。新しいルーターの代金は3年間の分割払いであること、月額料金等は聞いていたが、契約書は手元に届いておらず、詳細が分からない。ルーターも配送時に不在だったため、受け取っていない。勧誘時の電話で「クーリング・オフできる」と説明を聞いた気がするので、契約をキャンセルしたい。

(20歳代 女性 給与生活者)



結果概要

 相談を受け付けた国民生活センター(以下、当センター)は、契約内容の確認や相談者から経緯の詳細を聴き取り、次の内容が分かった。

 相談者は当センターに相談する前に、携帯電話会社(以下、事業者)のカスタマーセンターへ契約をキャンセルしたい旨を連絡していた。カスタマーセンターは「ルーターは受け取らないこと」「解約手続き等は担当者不在のため答えられない」との回答だった。相談者は不安になり、同日中に事業者の店舗で解約手続き等を聞いた。店員がその場でカスタマーセンターに電話し、「担当者から相談者へ直接電話する」と言われたがその後も電話がなかったため、翌日、相談者は当センターへ相談した。

 当センターは、ルーターの端末購入契約、通信サービス契約の2つの解約手続きが必要であることを伝えた。また、電話勧誘販売における端末購入契約は、特定商取引法(以下、特商法)上の法定書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフが可能であるが、通信サービス契約は電気通信事業法の解約ルールである初期契約解除制度の対象*(図)となるため、早急に契約書面を受け取り、解約に関する記載内容を確認したうえで事業者に解約を申し出るよう助言した。

 その後、相談者より「契約書は届かず、しかたなくルーターを受け取り、同梱されていた書面の記載に従ってルーターの端末購入契約と、端末代金の分割払い契約のクーリング・オフ通知 を出したが、その後も通信契約の契約書が届いた」と連絡があったので、当センターから事業者に相談者の契約内容を確認した。

 事業者は「ルーターを受け取ったため、通信サービスは開始している。このことは契約書に記載があり、契約書は契約申込み日から3日以内にルーターと別に送っている」との回答で、書面の交付時期について相談者の申し出と相違があった。

 そこで当センターでは、改めて経緯を時系列で整理し、相談者に送られた書面を確認した。

  • 相談者に最初に送られた書面はルーター同梱の書面であり、その後2回にわたり通信サービスに関する書面が届いている。
  • 書面は合計3回にわたって届いており、すべての書面を確認すると契約内容の全体が分かるが、それぞれの書面だけでは契約内容全体が分からなかった。
  • ルーターは、ルーター同梱の書面が届いた日から8日間、クーリング・オフが可能との記載があった。通信サービスも、契約時交付書面の受領日またはサービス提供開始日のいずれか遅い方から8日間、初期契約解除が可能との記載があったが、契約時交付書面がどの書面を指すのか分からなかった。

 以上のことから、当センターから事業者に対し、相談者は契約書が届かなかったためにルーターを受け取ったこと、契約書面の交付方法に問題があること等を伝えて交渉した。

 その結果、事業者は相談者に適切な案内をしていなかったことを認め、ルーターは特商法のクーリング・オフ、通信サービスはサービス提供前とみなして料金等の負担なく解約に応じた。さらに、本件はトラブルの原因の1つに書面の交付方法や書面内容に問題がみられたため、当センターより事業者に対しこれらの改善を要望し、相談を終了した。

電気通信サービスの形態と初期契約解除制度における確認措置の範囲を示した図。固定通信サービスのうち光回線サービス等は初期契約解除制度の対象となり、移動通信サービスのうち携帯電話サービス等は初期契約解除制度に加え確認措置の対象にもなる。
図 初期契約解除制度と確認措置の対象範囲(イメージ)



問題点

 本件は電話勧誘販売であったため、ルーターは特商法のクーリング・オフ、通信サービスは電気通信事業法の初期契約解除制度が適用される事例であった。それぞれの制度において、契約書面の受領日は契約解除が可能となる期間の起算日になる場合もあるため非常に重要となるが、本件では書面が複数回にわたって送られていた。また、すべての書面がそろって電気通信事業法上の記載事項を満たす状態であったが、本来であれば、一体性を持った記載・交付方法が必要であると考えられた。

  2016年5月21日から施行された改正電気通信事業法では、契約後の書面の交付義務や、初期契約解除制度等の解約ルール等が導入されている。また、電気通信サービスはさまざまな端末等とセットで販売される機会も多く、端末等は販売形態によって特商法等の法律が適用になる場合もある。そのため、契約書面等の記載はよく確認し、不明な点があれば契約先の事業者にすぐに問い合わせて確認することが重要である。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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