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[2016年11月29日:掲載]

電話勧誘販売で契約したウォーターサーバーレンタル・水宅配サービス

ウォーターサーバーのレンタルと飲料水の宅配サービスを電話勧誘販売で契約し、すぐに解約を申し出たところ、説明されていない解約料を請求されたという事例について紹介する。

相談内容

 引越業者と引っ越しの打ち合わせをしていた時、水の宅配のチラシをもらった。後日、引越業者の担当者から「今ならウォーターサーバー(以下、サーバー)が無料でレンタルできるキャンペーン中だ」と説明されたので「いいですね」と答えた。すると、水の販売代理店C社から「水の代金だけでサーバーが無料レンタルできるのでお得だ」と電話がかかってきた。「考えさせてほしい」と答えたが、数日後に再びC社から電話で勧誘され、電話口で申し込むと言ってしまった。その際に中途解約時の解約料の話はなかった。やはり、必要ないと思い、すぐにC社にキャンセルを申し出たが、「解約料がかかるので続けたほうがいい」と言われ、しかたなく受け取った。その後、消費生活センターに相談し、自分でC社にクーリング・オフ通知を出した。C社からは「クーリング・オフはやっていない」と言われ、解約料14,000円を請求された。契約時に解約料の説明はされていないので支払いたくない。なお、契約書はもらっていない。

(20歳代 女性 給与生活者)

結果概要

 相談を受け付けた消費生活センター(以下、受付センター)から問い合わせを受けた国民生活センター(以下、当センター)において、得られた情報をもとに、本件契約が特定商取引法(以下、特商法)の電話勧誘販売に該当するか検討した。

 本件契約では、販売代理店C社から電話をかけており、その電話で契約の締結についての勧誘を行っていることから、特商法の電話勧誘販売に該当すると考えられたが、特商法上の法定書面が交付されていなかった。

 また、その後の情報収集においてC社は二次代理店であることが分かった。事業者の関係は、サーバーを貸し出し、飲料水を宅配販売する事業者A社、A社の一次販売代理店であるB社、さらにB社から販売を委託されている二次販売代理店のC社という構図になっていた。

 そこで、本件においてクーリング・オフを認めない姿勢はどの事業者の判断によるものなのかを確認することとした。受付センターがC社に確認したところ、「販売方法はA社の指導により行っている。A社もクーリング・オフは対象外だと言っている」との回答であった。そこで、受付センターはA社にクーリング・オフできない理由を確認した。A社は「いったんサーバーを設置すると解約料がかかる。設置前だったら無料でキャンセルを受け付けている。本取引は、特商法の適用外であると考えている。販売代理店の販売方法については把握していないので、交渉はC社とやってほしい」と回答した。受付センターは、A社に代理店の販売方法について調査を行うこと、問題を把握した場合は代理店へ指導を行うことを要請するとともに、早期解決のため、まずはC社と交渉を開始した。その結果、C社との間で、本件契約を解約すること、解約料の請求をしないこと、配達された水とサーバーを撤去すること、これらの代金を請求しないことで合意した。

 他方で、当センターは、A社とB社と面談を行った。A社からは「当社はこれまで店頭での販売活動を中心に行っており、特商法の対象となるような販売方法はしてこなかった。一方で、最近、新たな代理店が電話で勧誘を行うようになっていたが、特商法上の電話勧誘販売に当たるという認識がなかった。今後、勧誘トラブルを避けるため、代理店が行う電話勧誘の通話内容は全件録音させ、定期的にチェックする等の対応をする。代理店が使用している電話勧誘用マニュアルが、消費者に誤解を生じさせない内容になっているか確認し、電話勧誘における正しい説明を徹底する。消費者からの苦情や契約に関する問い合わせも、当社まできちんと報告が上がるように体制を整える。また、現在、特商法にのっとった法定書面を作成する準備をしている」とのことであった。そのうえで、A社は、今回のトラブルはC社の説明不足やオーバートークも原因だと考えるので、相談者への負担がないように対応する。相談者が支払った費用は全額返金すると回答した。

 後日、相談者から解約金の負担なく解約できたとの報告があり、相談を終了した。

問題点

 特商法の電話勧誘販売とは、事業者が電話をかけまたは政令で定める方法により電話をかけさせ、その電話において勧誘した消費者に、商品等を購入する申し込み・契約を締結させる行為のことをいう。同法において、電話勧誘販売には、消費者がトラブル解決に利用できる8日間のクーリング・オフや取消権等に加え、事業者に対して、法定書面の交付義務や契約を締結しない旨の意思表示をした者に対する勧誘禁止、不実告知等の禁止行為が定められている。

 本件は、C社が電話をかけて消費者を勧誘し、その電話の中で契約が成立していることから、電話勧誘販売の定義に該当し、説明不足や書面不交付等の問題点があると考えられた。しかし、勧誘を行った事業者と契約先となる事業者が別であったため、問題整理や交渉に一定の時間を要することとなった。C社には勧誘時の行為規制が、またA社には法定書面の交付義務等が発生することを伝え対応を求めた。

 特に、相談者はクーリング・オフを希望したが、契約書面が交付されておらず、契約関係を把握できなかったことから、C社に対してのみクーリング・オフを書面で申し出ている。そのため、契約先であるA社は取引形態およびトラブルの状況を把握しておらず、対応が遅れた。このように、電話勧誘販売においては、勧誘を行う事業者と契約先が異なるケースもあるため、契約先の事業者を確認することが望ましい。また、本事案においては、販売業者A社が特商法上の問題点を認め、契約は無条件解除となったが、A社のように、代理店の拡大や勧誘手法の拡大を行うことにより、取引における法の適用の有無や基本的な法ルールへの認識が不足したまま営業を続けている場合がある。そこで、このような事業者によるトラブルが寄せられた場合には、早急な実態調査の依頼と法定書面の交付等を始めとする特商法上のルール認識を徹底することを求めていくこととなる。


ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。