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[2015年12月28日:掲載]

インターネット上のカジノのアフィリエイトの紹介で報酬が得られると勧誘する海外事業者

「インターネット上のカジノのアフィリエイトで収入を得られる」「人を紹介すると報酬が得られる」と勧誘され入会費用等を支払って契約したが、解約を申し出ると返金は2年後と言われた事例を紹介する。


相談内容

 1カ月前、職場の同僚に面白い話があると誘われ、アフィリエイト事業者(以下、事業者)の事務所に出向いた。事業者からは「インターネット上のカジノのアフィリエイトで稼げる。2人紹介すれば紹介料で50万円の利益になる、2020年の東京五輪に合わせて国内でカジノが解禁されるので、代理店になれば大きな利益が出る」等と矢継ぎ早に説明された。よく理解できないうちに話を進められてしまい、断る間もなく契約する雰囲気になってしまった。

 クレジットカードを作成してくるように言われたので、指示どおりカード発行窓口に出向きカードを作成して事務所に戻った。その場で自分のスマートフォンで事業者のウェブサイトにアクセスさせられ、言われるままに事業者の会員用アカウントを作成し、入会費用約20万円をクレジットカード決済した。また、紹介料を入金するためのドル建てオンライン口座を開設し、約15,000円をクレジットカード決済でチャージした。その後、冷静に考えればもうかるはずもないし、カジノにかかわりたくないと思ったので、事業者に連絡し、解約をしたいと伝えたが、2年後に返金すると言われた。すぐに返金してほしい。

(20歳代 男性 給与所得者)



結果概要

 相談を受け付けた消費生活センター(以下、受付センター)は、国民生活センター(以下、当センター)から得られた情報をもとに、事業者とあっせん交渉を行った。

 事業者は日本国内で勧誘を行っているものの、事務所は海外にあるとして苦情や相談を受け付ける窓口は国内にはなく、解約の申し出はメールで行わなければならなかった。

 一方、事業者への入出金を扱っている集金代行業者は国内にあり、返金の問い合わせに電話で対応していた。そこで受付センターは、集金代行業者に連絡をしたが、「当社は事業者の日本における事務取り次ぎをしているだけである」として対応しなかった。そのため、受付センターは、相談者本人から事業者にメールで解約通知を行うように助言した。

 相談者は、事業者の解約通知先アドレスに解約通知メールを送った。1通目のメールでは、「解約と返金を求めること、返金が数年先になることは知らされていなかったこと」を記載した。しかし、事業者からの返信は「数年先に返金することは規約に明記しているので対応できない」とする内容であった。そこで相談者が2通目のメールに、「連鎖販売取引に該当すると思う」旨を記載して送信したところ、事業者より「カード決済取消しと退会手続きが完了した」という返信があった。

 さらに、クレジットカード会社より、事業者への入会費用約20万円については解約になったので、取消しにするとの連絡があった。しかし、オンライン口座の約15,000円については、オンライン口座への「預入金」となっているため、取消し処理はできないとのことであった。

 このオンライン口座を運営しているのは、海外の資金移動サービス事業者であった。そこで当センターが資金移動サービス事業者から聞き取りを行ったところ、日本国内に拠点はないが、日本向け電話窓口は存在すること、オンライン口座を閉鎖すれば口座残高は返金されること、口座閉鎖の手続きは相談者本人が電話窓口で行わなければならないことが判明した。

 受付センターは、相談者に対してオンライン口座に係る約15,000円については相談者から資金移動サービス事業者に直接連絡して解約をするように伝えた。

 後日、相談者からオンライン口座は閉鎖され、手数料を差し引いた約12,000円が返金されたと連絡があり、相談を終了した。



問題点

 事業者は、インターネット上のカジノで継続的な広告収入が得られるとうたい、紹介料報酬を消費者に示している。

 「アフィリエイト」とは、一般的にはインターネットを利用した広告の一種であり、その広告をクリックした人が商品を購入した場合に報酬が得られるものである。しかし、事業者は、新規会員から上がる紹介料報酬を順次上位会員に配当していくしくみをアフィリエイトというなどして、一般的なアフィリエイトとは異なるシステムを用いているように思われる。

 新規会員から上がる紹介料報酬を順次上位会員に配当していくしくみや、入会者は約20万円の入会費用を負担していることから、役務の提供のあっせんをする者を特定利益で誘引し、特定負担を伴う取引をしているという見方もある。事業者のサービスが「有償で行う役務の提供」に該当するのであれば、特定商取引法の連鎖販売取引に該当し得る可能性も考えられる。

 なお、事業者の契約書には連鎖販売取引に関する記載は一切なかった。

 最後に、インターネット上のカジノについて、事業者は「日本の法律では(賭博罪が成立するには)提供する側と遊ぶ側がどちらも違法である必要があり、カジノでは提供している側が完全に合法的に運営しているためにこれに適用しない」と説明している。しかし、刑法の「賭博罪」に該当する可能性も否定できないため、カジノの合法性について事業者の説明のみで判断することは難しいことを付記する。



資金移動サービス事業者とは

 資金決済に関する法律(資金決済法)により、銀行等以外の業者が行う為替取引を「資金移動業(資金移動サービス)」といい、株式会社のみが登録を受けることができる。資金移動サービス事業者には「営業店型」「インターネットモバイル型」「カード・証書型」の3つのタイプがある。なお、「資金決済法」に相当する外国の法令で登録等を行っている外国資金移動業者については、国内に株式会社を設置することまでは求めていないが、事業者の実態を把握する観点から、国内に営業所を有することを要件としている。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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