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[2014年12月26日:掲載]

雑誌広告を見て開運商品を買った消費者に、不安をあおり次々とお金を請求する販売業者

雑誌に載っていた「幸運を呼ぶ置き物」を買ったところ、業者から紹介された「お師匠様」という人物から「悪い縁がある」などと言われ、200万円以上の現金を支払ってしまったという事例を紹介する。

相談内容

 雑誌の広告に「幸運を呼ぶ置き物」が掲載されていた。私は病気を患っており、体調が良くなればと思い、業者に電話で注文したところ、届いた置物と一緒にブレスレットと手紙が入っていた。手紙には私の性格などが書かれており、「電話で注文をしただけなのになぜ私のことが分かるのだろう」と不安になった。その後「悩んだ時にはカウンセリングを受けられる」と広告に書いてあったのを思い出し、業者に連絡したところ「『お師匠様』より、後日改めて当社に電話をするように言われた」とのことで、日時を指示された。後日再度業者に電話をかけたところ「お師匠様」という男性から、「あなたは並外れた能力があるが、財運がないのは悪い縁が原因だ。それを取り除かなければならない。家族のためにいくらお金を出せますか」と言われた。「悪い縁」という言葉にびっくりしてしまい「10万円」と答えたが、「10万円では足りない」と言われ、言われるがままその日のうちに現金書留で20万円を送った。その数日後、幸運な出来事があったためうれしくなり、業者の担当者に報告したところ「こちらから『気』を送ったが、まだあなたの『気』が乱れている。今手元にある払えるお金はいくらですか」と突然尋ねられ、とっさに「200万円」と言ってしまった。

 その後冷静に考え、200万円という大金を支払うことが怖くなり、「お師匠様」に「お金は払えない」と電話で伝えたが、「200万円を払うと言いましたよね」と強く迫られた。脅されたような気持ちになってしまい、何も言えなくなった。それでも支払期日に「200万円という大金は払えない」と改めて「お師匠様」に電話で伝えたが、納得してもらえず、次第に気持ちが萎縮してしまった。そして、もう言いなりになるしかないと思い、翌日200万円を振り込んだ。

 その後、テレビのニュースで振り込め詐欺の手口を紹介していたのを見て、自分がだまされていることに気づいた。支払ったお金を返してほしい。

(50歳代 女性 家事従事者)

結果概要

 消費生活センター(以下、受付センター)と国民生活センター(以下、当センター)は、共同で相談処理を行うこととなった。相談者からの聴き取りにより、相談者が業者に電話をかけたときに、「悪い運を取り除くという祈とうサービスの勧誘」が行われるとは思っていなかったとしていることから、特定商取引法の電話勧誘販売に該当する可能性があることを相談者に伝えたうえで、お金を支払うことになったやり取り等の状況をまとめた書面を業者に送るように依頼した。書面を受け取った業者は、受付センターに対し「相談者は自ら当社に電話をかけ申し込んでいるので電話勧誘販売ではない」などと主張したが、後日、既に支払った金額の一部を返金するとの提示があった。しかし、相談者はこの提示内容に納得できなかったため、その旨を受付センターから業者に伝えたところ、再考するとの回答があった。

 業者との交渉と並行して、当センターから、本トラブルのきっかけとなった広告を掲載した雑誌の出版社に連絡し、トラブルの概要を伝えた。これについて出版社は業者からの聴き取りの結果、業者の勧誘方法に問題はなかったと判断していると回答した。出版社から当センターに連絡があった数日後、突如業者から受付センターに「なぜ出版社に連絡をしたのか。返金の話には乗らない」という連絡があった。これを受けて、受付センターでは消費者を不安にさせるような対応等の問題点を指摘してあっせんを重ねた。その結果、業者から当初提示した金額を上回る額の提示があり、相談者も了承した。その後、返金も確認された。

問題点

 消費生活センターに寄せられる「開運商法」にかかわる消費者トラブルにおいては、開運商品購入後に、業者や寺の住職を名乗る者から「何かが取りついているのでおはらいしなければならない」など、消費者の不安や恐怖心をあおる言動を重ねて、消費者を冷静な判断ができない状態にさせ、開運グッズや祈とうの勧誘を行って契約させるものもあり、非常に悪質な商法である。最近は高額な料金を支払わせるために借金をするように指示する業者もいる。また、被害に気がついても既に業者と連絡が取れなくなっているケースもあり、その場合、被害救済は非常に困難となる。

 本件事例のように、業者が「『お師匠様』より、あなたから当社に電話するように言われた」「『お師匠様』が来る日に電話をしてください」などと相談者に電話するように求め、「お師匠様」からアドバイスや話が聞けると思って電話をした相談者に対して不意打ち的に祈とうサービスを勧める場合、このような勧誘方法は、特定商取引法の電話勧誘販売に該当する可能性がある。しかし、業者が電話勧誘販売であることを認めない場合、あっせんは難航することがある。

 開運商法においては、最初の開運商品購入に当たり、雑誌の広告等を契機としている場合が多いが、消費者が開運商品購入後に消費者被害にあっていることを出版社等の広告掲載先が把握しているケースは少ないように思われる。開運商法にかかわる消費者トラブルを減らすためには、開運商品等の広告を掲載している雑誌等の出版社に、消費者トラブルの実情等を認識してもらうことも必要と思われる。

 消費者が開運商法のトラブルにあわないためには「お金を支払ったからといって運が開けるというわけではない」ことを前提に、業者から不安をあおるような言動や、「さらに運気が上がる」といった話で商品や祈とうサービスを勧められ、それに伴う代金の支払いを求められてもすぐに返事をせず、家族や消費生活センターなどに相談することが大切である。


ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。