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[2014年5月28日:掲載]

飛び石による車体の傷修理の補償範囲に制限があるという車両保険

飛び石によって車体に傷が付いたため車両保険での補償を求めたところ、補償の範囲には制限があると言われたという事例を紹介する。


相談内容

 走行中、対向車とすれ違った際に小石が飛んできて当たり、車体のフロントガラス、ボンネット、右ヘッドライトのまわりにそれぞれ複数の傷が付いた。加入していた車両保険の保険会社に連絡を取り、後日、保険会社の調査員が車体の検分を行った。

 その後、事故対応窓口の担当者から連絡があり、「1つの事故につき1パネルしか修理できない」と言われた。「1パネルとはどういう意味か」と確認したところ、「1面」という意味であるとのことであった。「みなさん、フロントガラスを直しますよ」と言われたが、今回の飛び石による傷はフロントガラス以外にもある。1度の事故で複数の箇所に傷が付くこともあると思い納得できず、約款のどの部分に書かれているのか確認した。しかし、約款に記載はないと言われた。

 また、飛び石で付いた傷すべての修理費の補償を求めるのであれば、それらの傷が同時に付いたという証拠を出せと言われた。事故対応窓口の対応に納得できなかったため、保険会社のお客様相談窓口にも連絡したが、事故対応窓口を案内されただけだった。保険会社の対応に納得できない。

(40歳代 男性 給与生活者)



結果概要

 当センターより保険会社のお客様相談窓口に連絡を取ったところ、本件については本社で対応すると回答されたため、本社に連絡すると、今度は「お客様相談窓口で対応する」と言われた。そこで、当センターから適切な対応部署を確認するよう依頼し、担当者からの折り返しの連絡を待つこととなった。しかし、後刻、当センターに連絡をしてきたお客様相談窓口の担当者は本件について内容等をまったく把握していなかった。このため、苦情内容や経緯を把握していないのは会社の体制として問題ではないかと指摘したうえで、再度本件の内容を伝え、対応を求めた。

 後日、当センターに対し保険会社から以下の説明があった。

  • 調査員の報告では、本件車両について、バンパー、ボンネット、左右ライト、ガラスなど、全体で合計約70カ所の傷が確認されている。
  • 通常、1回の飛び石で50カ所以上の傷が付くことは考えにくい。
  • 最近の自動車の塗装はかなり硬いコーティング仕様となっているため、傷の新旧の見極めが難しい。
  • 確認されている70カ所の傷のうち、どの傷が本件事故によるものなのか判別が困難であることも事実なので、1パネルの補修ではどうかと提案している。

 上記の内容を相談者へ伝え、意向を確認した。相談者は「修理を求めているのは本件事故で付いた傷(フロントガラス、ボンネット、右ヘッドライトの複数カ所)のみであり、古い傷を修理しようとは考えていない」とのことであった。当センターはその旨を書面で保険会社に出すようにアドバイスした。

 その結果、保険会社による再調査が行われ、相談者の意向どおりの修理に対する補償が行われることとなった。



問題点

 自動車の塗装技術の発達により、傷の新旧の見極めが困難になっていることから、それに乗じて、古い傷までも「ついでに」修理し補償を求める消費者もいる、と考える保険会社の懸念も理解できなくはない。

 しかし本件において、保険会社は、実際に本件事故で生じた傷の補修だけを求めている消費者の意向を確認せず、勝手に古い傷を含めた修理に対する補償を求めていると判断して補償範囲を不適切に縮小していたことが明らかになった。

 また、保険会社内で苦情に関する情報の共有がなされていないなど、企業としての顧客対応体制にも不十分な点がみられた。

 本件において明らかになったこれらの不適切な点については、早急な改善が必要と思われる。



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