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[2014年2月27日:掲載]

インターネット通販で購入した偽ブランド品と思われるスニーカー

インターネットのショッピングモール内の通販サイトで購入したスニーカーが偽物だと思い、返品するので返金してほしいと申し出たが、対応されなかった事例を紹介する。


相談内容

 インターネットのショッピングモール内にある通販サイト(以下、販売業者)で、有名ブランドのスニーカーを注文し、商品代金と送料をクレジットカードで支払った。サイト上の表示からは日本において運営しているように見えたが、商品は中国から届いた。届いた商品は縫い目が粗く、ロゴマークも販売業者が掲載していた写真と少し違っており、偽物だと思った。そこで、販売業者に「届いたものは本物ではないので返品したい」とメールを送ったが、断られた。ショッピングモールの運営業者(以下、モール運営業者)にもメールで「商品を調べてほしい」と伝えたが、「販売業者と話し合うように」とだけ返信があり、協力は得られなかった。モール運営業者には電話もかけたが、「こちらでは対応できない」と言われた。商品の調査もせず、まったく対応しないのは納得できない。返品するので返金してほしい。

(60歳代 男性 給与生活者)



結果概要

 相談を受け付けた国民生活センター(以下、当センター)では、届いた商品の画像などの資料を相談者から送ってもらったうえで、偽物だと思う根拠など詳細を聞き取った。

 当センターからスニーカーのブランドホルダー(商標権者)の国内法人(以下、ブランドホルダー)に問い合わせたが、「相談者の申し出内容だけでは、偽物とは断定できない。スニーカーの生産国は複数あり、パターンが多少異なるので、当社ではそれぞれの生産国でその商品が正規品だという証明を出している。販売業者に対し、商品に関する証明をどのように確認しているかを聞いてはどうか」とのことであった。

 販売業者は「広告に『海外正規並行輸入品なので、国内仕様と多少違いがあります。生産国や生産時期によりデザインと色が異なることがあります』と表示している。当社は、信用できる海外の卸売業者から購入している」と主張した。そこでブランドホルダーから聞き取った「正規品であるという証明」を提示してほしいと伝えたが、はっきりとした説明もなく、証明は提示されなかった。

 さらに当センターは、モール運営業者に対し、ブランドホルダーと販売業者からの聞き取り状況を伝え、本件のように「日本において運営していると思われる販売店で購入したところ中国から商品が直送され、商品を確認すると偽物のようなので返品したい」といった苦情が増加していることなどを説明し、調査を依頼した。これに対し、モール運営業者は「出店契約時に、『正規品しか扱わない』という約束になっているので、当社としては、その約束を信じることになる。販売業者に正規品かどうかを確認するが、正規品だと答えた場合は、それ以上のことはできない。偽ブランド品の問題が多発していることは承知している」との回答であった。

 後日、「販売業者から正規品であるとの回答があった」とモール運営業者より連絡があった。当センターは、証明書などで確認した結果ではなく販売業者に対して十分な調査を行ったとは思えないこと、また、同種のトラブルが多いことを踏まえ、モール運営業者として、安全な取引の場を提供するための対策を積極的に講じる必要があることを伝え、さらなる対応を求めた。しかし、これ以上の対応はできないとのことであった。その後も、当センターより販売業者やモール運営業者に対応を求めたが、相談者が求める回答は得られなかった。さらに、届いた商品が偽物であるかどうかの情報収集もこれ以上は難しい状況であった。

 相談者に、これまでの経過および当センターにおいても商品の真贋(しんがん)の判断はできないことを伝えたところ、返金は諦め、クレジットカード会社への対応も求めないとのことであった。



問題点

 最近、「インターネット通販で購入した商品が偽物ではないか」という相談が多く寄せられている。ブランド品について、独自の基準に基づき、基準内の商品であるかどうか判定を行っている団体はあるものの、商品の真贋について判断ができるのは、商標権者であるブランドホルダーのみである。しかし、ブランドホルダーから商品の真贋に関する情報を得ることは困難であるため、根本的な解決を図ることは、現状では大変難しい。

 本件では、ショッピングモール内にある通販サイトを利用していたことから、モール運営業者に協力を要請したが、販売業者に正規品かどうか尋ねただけで対応を終了してしまった。モール運営業者は販売業者に対して「正規品しか扱わない」という約束のうえ契約し、それを信じるというが、トラブルが増加している現状を踏まえると、この方法にトラブル防止の効果があるかは疑問である。ショッピングモールを運営する事業者として、安全な取引の場の提供に努めているとは言いがたく、より実効性のある対策を講じることが強く望まれる。

 インターネット通販の利用時には、できるだけトラブルにあわないためにも、「ショップの所在地、担当者名、電話番号」「返品条件」「ショッピングモールやネットショップの評判や運営実績」などを購入前に必ず確認し、慎重に検討することが重要である。トラブルが起きてからでは、支払ったお金を取り戻すのは困難である場合が多い。便利な反面、注意が必要である*1。

 なお、最近の相談では、支払い方法についてクレジットカード払いではなく、銀行口座振込による前払いを求めるものが急増している。商品が届かなかったり、偽物ではないかと思っても、代金を前払いした場合には支払いが完了しているため、救済はさらに困難である*2。

 前述のインターネット通販利用時の注意点に加えて、前払いでの「個人名義の銀行口座」への振り込みによる購入は、特にトラブルが多いので十分注意してほしい。

  1. *1 「メールでよくある情報提供と回答」(国民生活センター)
  2. *2 「『インターネット通販の前払いによるトラブル』が急増!−個人名義の銀行口座への前払いはしない−」(2013年12月19日 国民生活センター公表)



ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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