[本文へ] 消費生活・消費者問題に関する事例や対処方法を紹介しています。

現在の位置 : トップページ > 相談事例・判例 > 相談事例と解決結果 > SNSで知り合った人に勧誘され、消費者金融から借金して契約した講座

[2013年12月27日:掲載]

SNSで知り合った人に勧誘され、消費者金融から借金して契約した講座

 SNSで知り合った人に紹介された人物に講座の受講を勧められ、消費者金融からお金を借りて代金を支払ってしまった事例を紹介する。


相談内容

 就職のために数カ月前に引っ越してきたが、友達もなく寂しい生活を送っていた。友達を作りたいと思いSNSに登録した。親しく会話できる人はなかなかできなかったが、最近、自分の書き込みによく返事をくれる人が現れ、何度かメールのやり取りをして、楽しく会話をするようになった。しばらくしてその男性から「友達になりたい。会って話をしよう」というメールが来た。年齢も近かったので、友達になれたらと思い、会ってみることにした。喫茶店でお互いの仕事や趣味などの話をして盛り上がり、また会う約束をした。後日、メールで「今度は自分の友達も紹介する」と言われたので、また喫茶店で会うことになった。SNSで知り合った人が連れてきた男性と一緒に3人で話をしたが、その男性から突然「今の給料に満足している?」「もっとお金稼ぎたいよね?」と聞かれ、副業でお金を稼ぐ方法の説明が始まった。「占いとアービトラージ*なら確実に月10万円くらいは稼げるよ」と言われ、始めるにはまず講座を受講する必要があると熱心に勧められた。

 SNSで知り合った人から紹介された男性は講座を主催する業者の代表者であった。2人から長時間勧誘され、その場で決断を迫られた。アービトラージが何であるかもよく分からなかったが、断りにくい雰囲気で契約せざるを得ないと思ってしまった。「代金は150万円、現金一括払いにしてくれ」と言われ、「そんなお金はない」と言ったが、「消費者金融から借りればよい」「みんなそうしている」「稼ぎ始めればすぐ返せる」と強く勧められ、指示に従い消費者金融3社に行き150万円を借り入れ、2つの講座の契約書を記入して代金を支払った。翌日、代表者から呼び出されて2時間以上の講座を受けさせられた。しかし冷静に考えてみると、150万円もの借金は到底返せない。解約して返金してほしい。

(20歳代 男性 給与生活者)

  • *「裁定取引」とも呼ばれ、市場間の価格差を利用して利益を獲得しようとする取引。


結果概要

 アポイントメントセールス(訪問販売)による契約であるため、相談者の持参した契約書面を確認したところ、契約日は3日前でクーリング・オフの行使期間内であることが分かった。そこで消費生活センター(以下、当センター)から相談者へ、業者あてにクーリング・オフ書面を発送するよう助言した。しかし、相談者は事前にネットで業者情報を調べていて、書面上の住所に実在しない可能性があり、クーリング・オフの通知を出しても業者に届くかどうか不安である、自分はもう業者と話したくないのでセンターから確認してほしいと希望した。そこで、当センターより業者に電話したが、何度電話しても留守番電話だった。相談者から代表者の携帯電話番号を聞き、再度電話したところ、連絡が取れたため、「クーリング・オフの通知を出すので住所を確認させてほしい、速やかに返金するように」と伝えた。代表者からは、クーリング・オフで処理する、相談者の口座へ振込手数料を差し引いた金額を返金するとの提案があった。代表者にクーリング・オフ制度について説明し、振込手数料は業者負担であるべきと話した。代表者より振込手数料は当社で負担するとの回答があり、相談者の口座番号を伝えた。

 後日相談者より、150万円が振り込まれていることを確認したと電話があった。当センターから、消費者金融3社に返済方法の相談をするよう助言した。その後、完済したと電話があり、消費者金融のカードは、はさみを入れて廃棄するようさらに助言し、相談を終了した。



問題点

 若い人の間で、SNSをきっかけに消費者トラブルに巻き込まれるケースが増加している。SNSは限られた会員が参加しているという安心感があり、共通の趣味や情報を共有する者同士ということで、つい気を許してしまいがちである。しかし実際は、誰がどのような目的で会員になっているか分からず、悪用する者も出てくる。したがって、個人情報の取り扱いには特に注意が必要である。この相談でも、親しげに近づいてきて個人情報を聞き出し、「友達になりたい。会って話をしよう」と誘い出していた。1回目は本当の目的を告げず、共通の話題などで話を盛り上げ信用させる。2回目は「知人を紹介する」と言われ、勧誘のプロと2人で言葉巧みに本来の目的である高額な商品を契約させようとする。この時点では業者のことを友人と信じているため、関係を悪くしたくないとの思いで、友人が熱心に勧めてくるものをむげに断ることができない雰囲気になっている。また勧誘が長時間続くので疲れてしまい、言われたとおりにして早くこの場所から解放されたいという気分に追い込まれ、契約してしまう。契約金額が高額なためその場で支払いができないと言うと、相談者の気が変わらないうちに「みんなそうしている」「稼ぎ始めればすぐ返せる」と説得し、その場から消費者金融に連れて行き、お金を借りさせ契約と同時に全額を現金で支払わせる。支払いが終わるまで解放されない。

 今回はクーリング・オフ期間内の相談であったため、業者がクーリング・オフに応じ無事返金されたが、代金を支払ったあと連絡が取れなくなる場合や、あれこれ言い訳して返金せずこちらがあきらめるのを待つといった悪質業者も多い。また、もうけ話やマルチ商法の勧誘以外に出会い系サイトに誘導するケースもある。

 トラブルにあわないためにはまず、インターネット等を通じ知り合った人はあくまで面識のない人という認識が大事である。さらに、相手の要求に応じて安易に会わないこと、勧誘されてもその場で契約しないよう十分注意してほしい。また、早めに消費者相談の窓口に相談してほしい。



  • ※本記事は、都道府県等の消費者行政担当部署等の情報です。


ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

相談事例と解決結果トップページへ

ページトップへ