[本文へ] 消費生活・消費者問題に関する事例や対処方法を紹介しています。

現在の位置 : トップページ > 相談事例・判例 > 相談事例と解決結果 > 表示より綿の使用が少なかった婦人ブラウス

[2013年11月27日:掲載]

表示より綿の使用が少なかった婦人ブラウス

 綿のような肌触りがなかったブラウスを調べたところ、表示よりも綿が少なく、返金になった事例を紹介する。


相談内容

 「綿77%、ナイロン20%、ポリウレタン3%」と表示された婦人ブラウスを購入した。帰宅後着用してみると、ゴワゴワしていて夏用の素材とは思えず、綿のような肌触りもなく着心地に違和感があった。

 購入店に申し出たところ、超長綿(ちょうちょうめん)(超長繊維綿のことで、綿花の中の繊維の長さがおおむね35mm以上のもの)を使用しており、ピッケ*1になっているため、このような着心地になるとの説明を受けた。本当に表示どおりのブラウスなのか調べてほしい。

  1. *1 たて、よこ二重の組織で、接結点によって布面によこ方向のうね、又はひし形その他の模様を現したもの(JIS L 0206 繊維用語 織物部門)。織物の名称のひとつ。


繊維製品に関する規程

 家庭用品品質表示法は、一般消費者が製品の品質を正しく認識し、その購入に際し不測の損失を被ることのないように、事業者に家庭用品の品質に関する表示を適正に行うよう要請し、一般消費者の利益を保護することを目的に、1962年に制定された。

 同法の対象となる家庭用品とは、通常生活の用に供する商品で、品質に関する表示が十分でないために、消費者の利益が害されており、または将来害されることが予想される商品であって、消費者の保護を図る必要性の強いもののうち、繊維製品、合成樹脂加工品、電気機械器具および雑貨工業品の4部門の政令で指定された商品をいう(医薬品は薬事法により、食料品は食品衛生法等により、それぞれ表示の適正化が図られているので、本法より除かれている)。なお、「繊維製品」には、糸、織物、ニット生地等の一次製品および上衣、ズボン等の二次製品が含まれるが、綿、毛、ナイロン等の繊維そのものは含まれない。

 同法繊維製品品質表示規程により表示の対象となるすべての繊維製品で、繊維の組成を繊維名および混用率*2を百分率で示すことになっており、以下のとおりに、混用率の誤差の許容範囲が定められている。

  1. 1.混用率が100%である旨を表示する場合は、毛にあってはマイナス3%、毛以外の繊維にあってはマイナス1%
  2. 2.混用率を示す数値に「以上」を付記して表示する場合は、マイナス0%、「未満」と付記する場合は、プラス0%
  3. 3.混用率を示す数値が5の整数倍(100%を除く)である場合は、プラス・マイナス5%
  4. 4.前各号に掲げる場合以外の場合は、毛または羽毛の間にあってはプラス・マイナス5%、それ以外にあってはプラス・マイナス4%
  1. *2 各組成繊維の質量の、全組成繊維の質量に対する百分率(JIS L 0208 繊維用語−試験部門)。


結果概要

 相談を受けた消費生活センター(以下、受付センター)から依頼があり、国民生活センター(以下、当センター)は商品テストを行った。当センターでは、苦情品の前身頃(まえみごろ)、後身頃(うしろみごろ)*3のそれぞれについて、JIS L 1030-1「繊維製品の混用率試験方法−第1部:繊維鑑別」により繊維鑑別を行うとともに、JIS L 1030-2「繊維製品の混用率試験方法−第2部:繊維混用率」に基づき、混用率を溶解法にて調べた。溶解法とは、混用品の組成を鑑別後、選択した溶液で一方の組成を溶解除去し、残った分の重量を測定した後、溶解した組成の割合を減量分から計算する方法である。通常、組成の割合が大きい方の繊維、またはできるだけ繊維の損傷が少ない繊維から順次溶解除去する。

 繊維鑑別の結果、苦情品の各部位から切り取った試料には綿が含まれていた。

 苦情品の縫い付けラベルには、組成表示として「綿77%、ナイロン20%、ポリウレタン3%」と表示されていたことから、混用率の誤差の許容範囲はプラス・マイナス4%となる。テストの結果、苦情品の混用率の平均値は、綿が71.1%、ナイロンが25.6%、ポリウレタンが3.4%であり、表示上の混用率に対して、実際の混用率は、綿がマイナス5.9%、ナイロンがプラス5.6%であったことから、綿とナイロンについては規程に定める誤差の許容範囲をわずかに超えていた。

 受付センターは、メーカーにテスト結果を伝えた。あわせて、商品テストを行う際、ブラウスの一部を切り取り、着用できなくなったことから、相談者は代わりに表示どおりの組成のブラウスを希望していることを伝えた。

 メーカーは、ブラウスの組成表示が誤っていたことを認め、在庫品を処分した。また、メーカーは、綿が多い布地を用いて、同じデザインのブラウスを作るという提案をしたが、相談者からは、表示どおりの組成のブラウスがないのであれば、今後表示の誤りが起きないように今回の相談事例を生かせばそれでよいとの答えがあった。

 その後メーカーから相談者に、商品購入代金と相談者が郵送した手紙の送料が返金され、今後はこのような誤りが起きないように十分注意するとの意向が伝えられた。

 なお、当センターは、ブラウスが表示と異なる混用率であったことを消費者庁表示対策課に対し情報提供をした。

  1. *3 身頃とは、上衣の場合、袖や襟を除いた胴部分のことで、前の部分を前身頃、後ろの部分を後身頃という。
  2. 参考:家庭用品品質表示法(消費者庁)



ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

相談事例と解決結果トップページへ

ページトップへ