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[2013年8月27日:掲載]

プロバイダーとの関係につき、消費者の誤解を招く勧誘電話をした販売代理店

 消費者が販売代理店から誤解を招くセールストークを織り交ぜた勧誘を電話で受け、契約内容を十分に理解しないままプロバイダー契約をしてしまった事例を紹介する。


相談内容

 「光回線の割引の件で」という勧誘電話が非通知の電話番号でかかってきた。昨年、光回線事業者の新しい割引プランに加入したので、その関係かと勘違いして話を聞いた。事業者から「現在の料金を割引する。ただしプロバイダーを変えなければならない」と説明を受け、料金が下がるならと思って承諾した。

 後日、遠隔操作でプロバイダーの変更手続き*1を行った。さらに、電話勧誘してきた事業者から「先日の変更手続きの件で、クレジットカード番号を教えてほしい」という電話がかかってきた。現在契約している光回線の利用料金はクレジットカードで支払っているため、光回線事業者に今さらカード番号を知らせる必要はないはずだと疑問に思い、教えなかった。事業者名を聞き取れなかったため、遠隔操作業者に電話をして尋ねたところ、「カード番号を確認したのは販売代理店ではないか」と言われ、販売代理店の電話番号を教えられた。その番号に電話をすると、販売代理店名ではなくプロバイダー名を名乗って電話に出たが、同じプロバイダー名の別の電話番号に問い合わせるよう言われた。同じプロバイダー名で複数の電話番号を教えられ、不審に思った。解約したいが、どこに連絡すればいいのか。

(50歳代 男性 給与生活者)

  1. *1 “遠隔操作”によるプロバイダー勧誘トラブルについて、国民生活センターが注意喚起を行っている。
    速報!“遠隔操作”によるプロバイダ勧誘トラブルにご注意!(2013年6月13日 国民生活センター公表)


結果概要

 相談を受けた消費生活センター(以下、当センター)は、相談者から詳細な聞き取りを行った。相談者は当初、契約している光回線事業者からの勧誘であると思い込んで勧誘を受けており、勧誘を行った事業者やプロバイダーの関係、連絡先などが判然としない状況だった。

 そこで当センターは、相談者が把握していた電話番号のうち、プロバイダーのものとして教わった電話番号に連絡したところ、プロバイダー運営事業者(以下、プロバイダー事業者)につながった。プロバイダー事業者に相談者の苦情内容を伝えたところ、当初、プロバイダー事業者は「勧誘行為は当社が行ったわけではなく、無関係である。当社に電話をかけてくるのは筋違いではないか」との主張であった。

 これに対して当センターは、(1)販売代理店がプロバイダー名だけを名乗っていること、(2)販売代理店があたかも光回線事業者の光回線契約に関連する契約であるような誤解を招くセールストークを行っていること、(3)当該プロバイダー契約を成立させるための勧誘行為であることから、プロバイダー事業者と販売代理店は無関係ではなく、販売代理店の勧誘行為を指導できる立場にあるのはプロバイダー事業者であることの3点を指摘し、相談者は解約を望んでいると伝えた。するとプロバイダー事業者は「それならもう全面解約でいい」と言って解約に応じた。同時に違約金やその他料金の支払義務は一切ないこと、解約に付随する書面等の送付も必要ないこと、後日プロバイダー事業者から送付されてくる予定の申込書面も破棄していいことなどを確認し、電話を終えた。

 以上を相談者に伝え、今後プロバイダー事業者から料金の請求などがあった場合は再度当センターに連絡をするよう伝えて、相談を終了とした。



問題点

電話勧誘販売について

 インターネット接続回線(プロバイダー契約を含む)、モバイルデータ通信、スマートフォンや携帯電話など、電気通信事業に関する契約は、昨今、多くの消費者にとって身近なものとなっているが、消費者にとって、そのしくみは分かりにくいものである。しかし、原則として、契約は口頭の合意のみで有効に成立するため、電話のやりとりのみでも成立してしまう。

 特にインターネット接続回線に関する相談は、電話勧誘販売によるものの比率が高い*2が、電話勧誘販売によるプロバイダー契約は、以下のような点からトラブルになりやすいと考えられる。

  1. (1)消費者は電話で不意をついて勧誘されるため、契約内容を十分に理解できずに契約してしまう。また、高齢者には判断が困難である。
  2. (2)勧誘時、事業者が事業者名を名乗らない、あるいは消費者が電話口で聞き取れない、またはやりとりの内容を記した書面が手元に残らないため、契約関係が正確に理解できないまま契約に至ってしまう。
  3. (3)本件のように、実際にはプロバイダー契約に関する勧誘であるにもかかわらず、光回線契約に関する勧誘であるかのような誤解を招くセールストークや、アンケートなどと称して販売目的を隠匿した勧誘、高齢者に不必要な高度な通信サービスの勧誘など、問題のある勧誘が行われやすい。

特定商取引法の適用除外

 電気通信に関する役務の提供については、特定商取引法の適用が除外されるため、法律に基づくクーリング・オフ制度が存在せず、再勧誘の禁止や不実告知の禁止など、特定商取引法の定める勧誘ルールも適用されないことになっている。このため、事業者が申し込みの取消しや解約に容易に応じないケースや、前述(3)のような無理な勧誘により契約してしまい、後にトラブルとなるケースが多くみられる。

 なお、2013年7月現在、電気通信4団体で構成される電気通信サービス向上推進協議会が、勧誘時における禁止規定や解約に関する定めを盛り込んだ「電気通信事業者の営業活動に関する自主基準」*3を策定・公表しており、その徹底が期待されるところである。

  1. *2 消費者委員会「電気通信事業者の販売勧誘方法の改善に関する提言(平成24年12月11日)」別紙参照
  2. *3 電気通信サービスの広告表示に関する自主基準及びガイドライン[PDF形式](電気通信サービス向上推進協議会)


  • ※本記事は、都道府県等の消費者行政担当部署等の情報です。

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ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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