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[2013年7月26日:掲載]

ニコチンを含んでいた電子タバコ

 ニコチンを含まないという電子タバコにニコチンが含まれていた事例を紹介する。


相談内容

 自分は1日にたばこを2箱吸うほどのヘビースモーカーであったが、病気になりたばこをやめることになった。何か代わりはないかと探していたところ、ニコチンを含んでいない電子タバコがあると聞いた。

 そこで、インターネットの通販サイトでニコチンを含有していないと表示されたものを購入し、使用したところ、ニコチンが入っているように感じた。使用した電子タバコにニコチンが入っていないかを検査してほしい。

電子タバコの一般的な構造としくみ

 電子タバコの本体は大きく分けてバッテリー、変霧器(カートリッジ内部の液体を加熱して霧化させる部分)、カートリッジで構成されている。組み立てた際の形状や大きさは紙巻たばこに似せて作られているものがほとんどである。カートリッジ側にある吸い口から吸引するとバッテリー内のセンサーが反応し、先端のライトが点灯すると同時に変霧器へ供給されたカートリッジの液体が霧化され、蒸気となって吸い口へと流れていく。

 国外ではニコチンを含むカートリッジが販売されているが、国内ではニコチンは医薬品成分に指定されているため、原則として、国内で流通するたばこ以外では医薬品にしか含まれてはならない。なお、国内ではタバコ事業法第2条により製造たばこは次のように定められている。

  1. 1.たばこ タバコ属の植物をいう。
  2. 2.葉たばこ たばこの葉をいう。
  3. 3.製造たばこ 葉たばこを原料の全部又は一部とし、喫煙用、かみ用又はかぎ用に供し得る状態に製造されたものをいう。


相談処理結果

 相談を受け付けた消費生活センター(以下、受付センター)は国民生活センター(以下、当センター)に商品テストを依頼し、その結果、以下のことが分かった。

  • 苦情品は電子タバコ本体の入ったケース3銘柄(苦情品A・B・C)と交換用のカートリッジ(苦情品D・E・F)である。
  • 苦情品のインターネットの販売サイトには「有害なニコチン・タールなどの発がん性物質は一切含まれていません」など、ニコチンを含んでいない旨の広告が見られた。しかし、苦情品のカートリッジには3種類ともニコチンが含まれており、販売サイトの広告は事実に反していた。
  • 家庭用の100Vの電源を利用する電子タバコの充電器は、電気用品安全法が定める特定電気用品「直流電源装置」に該当すると考えられたが、苦情品Bのケースは製品表面にPSEマークが表示されていなかった。また、苦情品CのケースにはPSEマークは見られたが、認定・検査機関のマークやメーカー等の名称が見られなかった。そのため、苦情品BとCは、電気用品安全法に抵触するおそれがあった。

 なお、ニコチンを含む苦情品が無承認無許可医薬品等に該当するか、苦情品を販売した事業者が薬事法に抵触するかについては、関係行政機関による事業者への聞き取りと判定が必要となる。

 受付センターは、相談者に当センターの商品テスト結果を報告した。相談者は、3種類のカートリッジにニコチンが入っており、また、電気用品安全法に抵触するおそれのある充電器もあったという結果をメーカーに伝えて、返金を申し出た。その後、メーカーから全額返金された。



情報提供等

(1)当センターの公表

 「電子タバコを使用したが、4〜5日経過すると常習性を感じるようになった」「たばこのような形で煙が出てたばこを吸った気分になる電子タバコを購入したが安全性について知りたい」などの相談が複数寄せられたため、当センターは電子タバコの商品テストを実施し、2010年8月18日「電子タバコの安全性を考える」を公表した*1。

 電子タバコのカートリッジ内の液体にニコチンが含まれていないかを調べたところ、国内で販売されている25銘柄45味中、11銘柄15味でニコチンが検出された。また、パッケージや取扱説明書等の添付文書の安全性に関する記述を調べたが、根拠が不明瞭なものが多かった。

 これらの結果等から当センターは消費者に次のようなアドバイスをした。

  • 電子タバコの安全性は根拠が不十分な商品があると考えられるため、安易な使用は避ける。
  • 後述(3)のとおり、禁煙または減煙効果は、はっきりしないと考えられるため、その効果を期待して継続的に使用することは避ける。
  • 未成年者が安易に使用しないよう保護者等は注意する。
  • 国外ではニコチンが含まれる電子タバコが販売されているので、購入・使用・譲渡には注意する。

(2)厚生労働省の見解

 2010年12月、厚生労働省は「消費者庁及び消費者委員会設置法第5条の規程に基づく資料の提出の協力依頼について(回答)」*2において、ニコチンを含有する電子タバコについて、薬事法上の医薬品及び医療機器に該当する場合、これを販売する行為は、無承認無許可医薬品等の販売等として薬事法に違反することが疑われるという見解を明らかにしている。

(3)海外の調査結果

 WHOは2008年9月、電子タバコの安全性や効果に関して疑問を呈しており*3、アメリカ食品医薬品局(FDA)は2009年5月に、ニコチンが含まれていないという電子タバコのカートリッジから微量のニコチンやジエチレングリコールが検出されるものがあったという調査結果を公表している。

  1. *1 「電子タバコの安全性を考える」(2010年8月18日 国民生活センター公表)
  2. *2 電子タバコに関して厚生労働大臣から提供のあった資料及びその対応について[PDF形式](厚生労働省)(資料内の別添参照)
  3. *3 News release Marketers of electronic cigarettes should halt unproved therapy claims(WHO)


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ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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