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[2013年1月28日:掲載]

インターネット回線契約を結ぶと引っ越し料金が格安になるセット契約

引っ越し契約と一緒にインターネットの回線契約をすると、引っ越し代金が格安になると勧誘されて契約した事例を紹介する。


相談内容

 インターネットで引っ越しの見積もりサイトを探し、数社に見積もりを依頼した。その後、1社(以下、引っ越し業者)から「引っ越しと一緒にインターネット回線の契約をすると引っ越し代金が10分の1になる」との電話があったので、その電話で引っ越しとインターネット回線の契約(以下、回線契約)をセットで申し込んだ。回線契約についての詳細な説明はなく、改めて通信業者から必要書類が届くとだけ言われた。

 電話を切った後、よく考えてみるとあまりに安いので不安になり、すぐにキャンセルの電話を入れ了解された。しかし、後日、引っ越し当日の予定を知らせるメールが届いた。

 引っ越し業者に確認の電話をしたところ、キャンセルされていなかった。再度キャンセルしたいことを伝えたが、きちんとキャンセルされているか不安である。

(30歳代 男性 給与生活者)



結果概要

 国民生活センター(以下、当センター)は、相談者に対し、電話だけでなく、念のため契約の経緯を記した文書を引っ越し業者に送付し、解約を申し出るよう助言した。

 併せて、引っ越しと回線契約の内容について相談者からの聞き取りや引っ越し業者のホームページなどから確認を行った。引っ越し業者は、見積もり時に相談者に対して引っ越し契約の約款を提示しておらず、必要事項を明記した見積書も渡していなかった。

 引っ越し業者に確認したところ、「当社は車両を貸し切って行う通常の引っ越しサービスを取り扱っている。引っ越し料金は3万円だが、回線契約を同時に申し込んでくれた人だけ、引っ越し料金を格安にしている。契約内容によっては引っ越し料金を無料にすることもある。新規の回線契約者を紹介すると、通信業者から紹介手数料をもらえるため、その金額を消費者に還元している」とのことであった。

 当センターより、通常の引っ越しサービスであるならば、見積もり時に義務づけられている「標準引越運送約款」*の提示や必要事項を明記した見積書がなかったことは問題であると指摘したが、明確な回答はなく「相談者の文書は確認しており、間違いなくキャンセルした」と回答するのみであった。

 また、当センターから、通信業者に対し、回線契約に関する説明を求めたところ、次のような回答があった。

引っ越し業者について

 回線契約の勧誘や説明ができるのは、代理店のみである。本件の引っ越し業者は代理店ではないため、回線契約の詳細な説明をしたり契約の申し込みを受けることはできない。

 このため、代理店からの説明などがないまま、契約書類が通信業者から届くことはないはずである。引っ越し業者が代理店であるかのような誤解を招く勧誘を行っていることは問題である。

回線契約の成立について

 代理店から契約内容の説明を行い、その説明を理解した消費者から申し込みを受け、さらに、当社がその申し込みを承諾した時点で契約が成立する。

 通常、消費者から申し込みがあった当日または翌日に代理店から連絡があるので、その後、すぐに当社での事務手続きが完了する。この手続きの完了をもって、契約の成立としている。さらに、手続き完了から数日後に、回線開通のお知らせを消費者に郵送している。本件については、そもそも契約は成立していない。

通信契約時の説明について

 通信業者は、「引っ越し業者とは契約上の関係がないため、すべてを把握することは難しい。しかし、本件について調査したところ、代理店がきちんと契約内容を説明していなかったなど、多くの問題点が明らかになった。引っ越し業者から紹介された人には代理店からきちんと電話をかけ、十分に説明をしてから契約を取るよう指導した」と述べた。

 当センターは、回線契約とセットで申し込むことにより格安で引っ越しサービスを提供する業者は他にも複数存在しており、苦情相談が多数寄せられていることから、引き続き、他のケースについても調査し、トラブルを未然に防止するよう通信業者に要望した。

 引っ越し業者および通信業者から聞き取った内容を踏まえ、当センターから相談者に対し、引っ越し契約はキャンセルになっていること、回線契約についてはそもそも契約が成立していなかったことを伝えたところ、相談者は安心し納得したため、相談を終了した。



問題点

 本件は、引っ越し業者が見積もり時に「標準引越運送約款」を提示していなかったり、見積書を渡していなかったなど、引っ越しサービスの契約自体に問題があった。

 また、回線契約の内容を説明したり、契約を取ることができない引っ越し業者が、回線契約の申し込みにより入る紹介手数料を前提として格安で引っ越しサービスを提供することは、消費者からみれば契約先や契約内容が分かりにくくなるという不利益が生じることになる。

 さらに、回線契約を解約することにより、引っ越しの料金が当初の説明と変わってしまうなど、契約内容が複雑になり、トラブルになりがちである。

 通信業者は、トラブル防止策を徹底することが求められる。



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ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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