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[2012年6月26日:掲載]

訪問勧誘時にうそを言って契約させた新聞販売店

自宅を訪れた新聞の勧誘員から「大学の授業で新聞を使う」と言われ、断りきれずに契約した事例を紹介する。


相談内容

 数カ月前、自宅アパートに若い男性が訪ねて来た。男性は新聞販売店(以下、販売店)の勧誘員だったが、最初に「新しく入居した者だ」と名乗ったのでドアを開けてしまった。勧誘員と気づかず世間話をしているうちに、勧誘員が自分と同じ大学に通っていることが分かった。

 勧誘員から「新聞を取ってくれないか」と言われ「読まないから必要ない」と断ったが、「年明け後に大学の授業で新聞を使う。どのゼミでも使うから、新聞を取らなければならない」「どうせ契約するなら自分から買ってほしい」と言われた。それでも「必要になったときに考える。今は契約しない」と言って断り続けたが、最後は根負けしてしまい、3カ月分購読する旨の契約をした。勧誘員は、私が断っているのにトイレットペーパーや洗剤を大量に置いて帰った。

 後日、大学の先輩や先生に確認したところ、勧誘員の説明がうそだったと分かった。「学校で必要」と言われなければ契約しなかった。販売店に電話で解約を求めたが、応じてもらえない。

(10歳代 男性 大学生)



結果概要

相談者への助言

 国民生活センター(以下、当センター)では、断ってもなお契約を勧められた、「大学の授業で必要」とうそを言われた、などの経緯を記載し、解約の意思を伝え、景品が「不当景品類及び不当表示防止法」(景表法)および「新聞業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」(以下、新聞公正競争規約)に反して過量であったため景品類の引き取りを求める書面を販売店と新聞社に送るよう、相談者に助言した。また、今回は月額約4,000円の契約であり、小遣いの範囲とみなされ未成年者取消し(民法5条)が認められない可能性もあるので、販売店と新聞社に勧誘方法の問題点を指摘しつつ交渉する旨を相談者に説明した。

新聞社に対応を依頼

 当センターが新聞社に相談の概要等を伝えたところ、新聞社は当初「契約上の問題はお客様と販売店との話し合いで解決してもらっている。本社は対応しない」ということだった。しかし、当センターから販売店管理の一環として、経緯を確認し必要な指導を行うなどの対応を依頼したところ、新聞社は「販売店に経緯を確認し、不適切な対応があれば改善を促す」と約束した。また、販売店が相談者に交付した契約書には、特定商取引法(以下、特商法)9条による解約(クーリング・オフ)の場合は配達済みの新聞の購読料について支払い義務がないことの記載がなかったため、その旨を新聞社に指摘した。

販売店に問題を指摘

 一方、販売店に対しても、当センターは、勧誘に先立って店名や販売目的を告げず、不実の告知をしており特商法違反と考えられる旨を伝えたところ、販売店が「解約理由を内容証明郵便で送ってくれれば解約を検討する、と相談者に伝えてある。景品類は相談者が宅配便で返送すればよい」と言うので、それに対して「相談者には、内容証明郵便の形式にこだわらず販売店に書面を送るよう助言した。販売店には相談者が断っているのに契約させ、半ば強引に景品類を置いていったのであれば、販売店が引き取るべきではないか。また、勧誘員への事実確認と今後の指導教育を徹底してほしい」と伝えた。

新聞社の説明

 販売店への対応を尋ねたところ、新聞社は、定期的に各販売店を巡回し、販売促進と労務管理に関する指導をしている。消費者からの苦情に販売店が対応しない場合は新聞社にも責任があるが、すべての苦情に販売店、新聞社の双方が関わるというわけにはいかない。今回は販売店が誤って古い契約書を使ってしまったが、改訂版では法定の記載をしているなどと説明をした。

解決内容

 当センターのあっせんの結果、販売店は「景品類は、相談者が指定した日時に責任者が引き取りに伺う。勧誘員の指導監督を確実に行う」と約束した。

 その後、相談者から「販売店の責任者が、契約を解除すると言って景品類の回収に来た。当センターの助言に従い、解約と景品類の引き取りが完了した旨の書面に責任者の署名押印をもらった」と連絡があった。

 新聞社からも「販売店の営業の際に不実告知があり、特商法に違反すると判断し、解約と景品類の引き取りを迅速に行うよう指示した。契約書の改訂版への切り替えを指示し、他の支社等にも周知を図った」と苦情対応の経緯について説明があったため、相談を終了した。



問題点

 特商法等により、勧誘時の不実告知や相手方から契約する意思がない旨を告げられたにもかかわらず、勧誘し続けることは禁止されている(特商法3条の2等)。また、販売店の規約違反行為について新聞社は指導監督責任を負い、前述したとおり、訪問販売の苦情には新聞社と販売店が責任をもって対処すべきものとされている。

 販売店による勧誘方法の適正化や苦情対応への取り組みについて、新聞社の積極的な関わりが望まれる。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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