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[2012年6月26日:掲載]

紹介料を払うと言って友人を紹介させる投資用教材販売業者

学内の友人から紹介された業者の勧めで高額な投資用教材を借金して購入したところ、「友人を紹介すれば紹介料を払う」と勧誘された事例を紹介する。


相談内容

 学内の友人Aから「会ってほしい人がいる」と誘われ、喫茶店でAと一緒に投資用教材DVD(以下、教材)の販売業者(以下、業者)の担当者Bと会った。Bから「組織で人脈を作り将来のビジネスパートナーを増やそう。教材代金は学生ローンで支払えばよい。もうかれば返せる」などと説明された。その後Aの友人だという学生Cを紹介され、「業者の会員になって取引すればすごくもうかる」などと言われた。翌日Aと2人で学生ローンの申し込みに行き、教材代金として数十万円を借り入れた。アルバイトの収入額を実際より多く伝え、用途は専門学校の学費と申告するよう言われていたので、そのとおりにした。

 数日後、喫茶店でBも同席し、業者から会員システムの説明を受け教材購入の契約をした。確認書を自分で読み上げてサインした。業者から、証券会社で先物取引の口座を開設するよう指示され、その際は業者から言われた職業・収入を申告した。

 1カ月以上経って、業者から「一番信用できる人を紹介してほしい。報酬を支払う」と持ちかけられた。自分は勧誘しなかったが、人を紹介するのが目的の組織だと思う。教材の内容は先物取引の初歩的な知識が得られる程度。契約を取り消し、返金してほしい。

(20歳代 男性 学生)



結果概要

 相談者とAは業者の販売方法等に強い不信感を持ち、消費生活センター(以下、受付センター)へ2人で相談に訪れた。受付センターは、経緯を文書にまとめて業者へ送るよう助言し、業者との交渉に入った。販売目的を隠して呼び出しており、アポイントメントセールスではないか。勧誘時には「特定利益を収受し得る」旨を告げていないというが*1、実態は人の紹介が目的の連鎖販売取引とも考えられる。学生ローン申し込み時に虚偽申告を促し、借金させてまで高額な教材を販売したのは問題ではないかと指摘すると、業者は「受付センターの指摘は一方的。勧誘方法に問題はない」と主張し電話に出なくなった。そこで、この業者に関する同種相談が増加する可能性も考慮し、本件を国民生活センター(以下、当センター)に移送した。

 当センターが、本件を引き継いだことを業者に伝えたところ、業者は次のように主張し、相談者への返金を拒否した。

 《訪問販売だがアポイントメントセールスではなく、勧誘方法に違法性はない。連鎖販売取引に該当しないことは弁護士に確認した。相談者は自己責任である旨の確認書等の記載を読んで契約したはず。

 (経済力のない学生に借金させてまで教材の購入を勧めており、適合性*2に問題があるのではないかという当センターの指摘に対し)学生とはいえ、成人している。相談者らは同じ主張だが、口裏合わせのうえで相談しているのではないか。

 学生ローン申し込み等に関し、担当者が自分の経験を話したかもしれないが、虚偽申告を指示したことはない。

 教材は先物取引のアドバイスをするもの。「教材を使えば絶対もうかる」などとは言っていない。使いこなせばうまくいく。成果を上げている人もいる》

 ところが後日、業者から「顧客満足が得られておらず一部返金する」と連絡があった。早く解決したいという相談者の意向を考慮し、当センターが返金額について交渉を進めたところ、業者は相談者の支払額の約半額の返金を提示してきた。当センターは、収入の乏しい学生にとってローン返済は負担である旨を伝え譲歩を求めたが、業者は応じなかった。

 また、業者から「販売方法の問題を認めて解約するのではないと分かる書面を相談者から送ってほしい」と連絡があった。相談者は早期解決のためなら了解するというので、「主張が認められず残念だが、早期解決のため提案を受ける」旨の文書を業者に送付した。相談者のもとに届いた合意解約書には「両当事者は相手方に対する他の請求を放棄し、刑事・民事を問わず一切請求等をしない」旨の記載があったため、不当条項*3の可能性も踏まえ削除を申し入れたが、業者は応じなかった。

 その後、相談者らから返金を受けたと連絡があったため、相談を終了した。

  1. *1 特定商取引法33条1項参照。
  2. *2 顧客の知識、経験および財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘は許されない(特定商取引法7条4号、同法施行規則7条3号等参照)。
  3. *3 民法90条、消費者契約法10条参照。


問題点

 相談者は、友人の紹介で知り合った業者の担当者等から「教材どおりにやればもうかる」などのセールストークで勧誘され、経済力のない学生の身でありながら、借金までして高額な教材を購入している。

 相談者自身は勧誘をしなかったが、高額な紹介料の話を聞けば、早く返済を終えようと、投資の勉強より人を勧誘して利益を得ることに力が入ってしまうことは十分予想できる。そうなれば、友人等との人間関係にも重大な影響を及ぼしかねない。

 連鎖販売取引と同様の問題が起こり得る勧誘方法として、今後も注視していきたい。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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