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[2010年8月27日:掲載]

エステ業者による化粧品等の次々販売

 1年間エステに通う度に美顔・脱毛コース、関連商品等を次々契約させられた結果、多重債務に陥ってしまった事例を紹介する。


相談内容

 3年前、勤め先にエステの無料体験の勧誘電話があり、サロンに出向いたところ、美顔エステを体験し、販売員3人に囲まれてコース契約を勧められた。断りきれず美顔コース24回と健康食品を申し込み、クレジットを組んだ。その後、通うごとに新たなコースや化粧品、宝飾品等を勧められ、1年間の間に7件、総額約300万円の契約を結んでしまった。クレジットはこれまで毎月返済を続けてきたが、退職して収入が途絶え、貯金も底をついたため、自己破産を考え役場に相談したところ消費生活センターを紹介された。販売方法に問題があると思うので解約したい。

(20歳代 女性 家事従事者)



結果概要

(1)受付センターの処理
 受付センターは相談者から契約に至る経緯について詳細に聞き取ったうえで、相談者に手紙を作成し、エステ業者(以下、業者)と信販会社各社に送付するよう助言した。その後、受付センターが対応を求めたところ、信販会社はいずれも残債の請求を放棄する意向を示した。しかし、業者は、「7件中6件については、当社とは別の会社と契約している。その会社は既に存在しないうえに当社とは無関係である」と主張し対応を拒絶した。受付センターは、相談者は同じ店舗に通い同じ担当者から施術を受け続けていたのだから相談者からみれば同一業者との間に交わされた一連の契約であると反論した。

 すると、業者の担当者は未使用品を返金する意向を示したが、その後、一切交渉に応じられないなど態度が一変した。交渉が難航したため受付センターは国民生活センター経由相談ホットライン(以下、当センター)に連絡し、共同処理をすることとなった。

(2)当センターの処理
[1]本契約の問題点

 契約関連資料や相談者の手紙を確認したところ次のような問題点があると思われた。

  • 容姿に高い関心を持つことにつけ込んで、断ることが困難な状況下で強引に勧誘し契約を結ばせていた。
  • 支払能力が不十分な相談者に繰り返し高額なクレジット契約を結ばせた。
  • 「この商品を食べればにきびがなくなる」など商品に関して事実と異なると思われる説明で契約させた。
  • 担当者が契約直後に「クーリング・オフをしないでほしい」と相談者に伝えている。
  • 勤務中に何度も来店を促すなど執拗な勧誘を行っていた。

[2]信販会社との交渉
 当センターから各信販会社に本件に関する意向を再確認したところ、いずれも問題点を認め、残債は放棄するが既払金の返還は困難であると回答があった。

[3]業者との交渉(その1)
 当センターから上記の問題点を業者に伝えたところ、業者は相談者の手紙を当時の従業員に確認したがそのような事実はなかったとする書面を送付してきた。事業譲渡により会社の経営主体が変わったため当時の状況は確認できないとした点も多かった。当センターが業者から送られた書面を相談者に見せたところ、相談者自ら反論を書面にし業者に送付した。

[4]業者の対応
 当センターは上記の経緯を踏まえ、勧誘時に相談者を威迫し困惑させる行為や重要事項の不実告知があったとして契約の取消しと返金を求めた。業者は、当センターが指摘する状況があったことを認めつつも7件中6件の契約は前の会社との契約なので、返品は受けられないと主張した。これに対し、当センターは、相談者は同じ店舗に通い、同じ担当者から勧誘されたものであると主張した。また以前の運営会社が顧客に対し営業を現在の会社に譲渡するがこれまでどおり役務を提供すると文書で通知している。この点も指摘したところ、業者はこれまでの主張を撤回して一部返金するとの意向を示した。そのうえで、2、3件目の未使用品を販売価格で買い取る、7件目についてはクレジット会社のキャンセル処理が可能であり、開封済み化粧品以外は返品返金に応じると回答した。

 これを受けて、相談者は該当する商品を業者に返送したが7件目の商品の一部については傷みがひどく、返金対象とはならないと回答があり、提示された返金額は予想を下回るものだった。

[5]業者との交渉(その2)
 そこで当センターは業者に来訪を求めた。業者の顧客相談室の責任者は、事業譲渡を繰り返したために、過去の苦情処理について現経営者の理解を得るのが困難としながらも再度経営者を説得すると述べた。

 数日後、業者から従来の提案に加えて、7件目の商品は全額を返金する、さらに5件目の健康食品についても全額を返金すると連絡があった。相談者がこれに合意し、業者が解約計算書を作成した。その後、すべての契約について、信販会社各社は残債を放棄し、業者からも合意内容どおりの返金がなされたことを確認し相談を終了した。



問題点

 本件は若年者への次々販売、強引な勧誘、高額なクレジット契約など多くの問題があった。信販会社は早々に残債を放棄し業者も問題点を認めたが、業者が事業譲渡を繰り返したため、譲渡前の契約については対応を拒絶するなど交渉は難航した。相談者が同じ場所同じ店舗に通い続け、同じ担当者から施術を受けていたため、契約相手の事業者名が異なっていても一連の契約とみなされると主張し解決に至った。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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