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[2009年11月27日:掲載]

仕事の紹介までたどりつけないパソコン内職

仕事をするには紹介料が必要だが、仕事の報酬で支払えると説明されて契約したパソコン内職。しかし、事前の試験に合格しなければならず、合格できないまま、紹介料の支払いが始まってしまった事例を紹介する。


相談内容

 インターネットで資料請求したところ後日、業者から電話があり、「データ入力は時給で1000円程度。レベルが上がれば時給は上がる。仕事の内容はそんなに難しくない」「この仕事をするには紹介料が必要だが、仕事の報酬の中から支払える」と言われた。紹介料(約50万円)は、クレジットカード2枚で支払うことにした。支払方法については、まず一括払いで契約し、後日リボ払いに変更するように指示され、そのとおりにした。

 また、仕事をするには研修を受けなければならないが、5分でできる簡単な課題を提出すれば仕事を紹介するとのことだった。しかし、研修には段階があり、各段階ごとのすべての試験に合格しなければ仕事はもらえないことや試験をクリアするための学習教材は購入しなければならないことなどの説明はなかった。

 契約後、研修が始まったが、内容は難しく、なかなか試験に合格できず、支払いが始まってしまった。合格しない限り仕事はさせてもらえないので、解約したい。

(30歳代 女性 自営業)



結果概要

 相談者は、業者に手紙で解約を申し出るとともにカード会社2社に経緯を記した手紙と抗弁書を送った。カード会社Aは、1カ月間請求を止めておくが、それ以降は請求を再開するとのことだった。また、カード会社Bは、抗弁書を当社へ送付されても対応できないので決済代行会社(*)へ抗弁書を出すようにとのことだった。このため、決済代行会社に対しても経緯を記した手紙と抗弁書を送付した。

 しかし、業者が問題点を認めず、カード会社2社も抗弁権の接続に応じないことから、国民生活センター(以下、当センター)より業者に連絡を取った。本件は特商法上の業務提供誘引販売に当たり、担当者が行った説明は特商法第52条に定める禁止行為(不実告知)に抵触する可能性が高く、契約は取り消すことができるものと考えていると伝えたところ、業者は調査して回答するとのことだった。

 その一方で、当センターよりカード会社2社に連絡し、抗弁権の接続を認めるよう求めたが、2社ともに「業者は決済代行会社の加盟店なので対応できない」との回答だった。B社は翌月も予定どおりに請求すると言い、A社は請求を2カ月間保留するのでその間に業者と交渉してほしいということだった。そこで、決済代行会社にも連絡したが、業者との加盟店契約をすでに終了していた。

 そこで当センターは、カード会社の対応には問題があるが、業者との交渉を急いだほうがよいと判断し、業者との交渉を優先することにした。

 業者は、「簡単に研修に合格できる」「仕事の報酬で紹介料を支払っていける」などとは言っていないとまったく認めなかった。また、「電話で説明のうえ、契約事項確認書にチェックを入れてもらっているから、なかなか合格しない場合もあると分かっているはず」と反論してきた。

 これに対し、相談者は「5分でできる簡単な内容」「課題を提出すれば仕事を紹介する」といったトークで勧誘されており、合格しないまま支払いが数カ月も続くとは思ってもいなかったと主張した。

 当センターはさらに交渉を続けることとし、次の点を重ねて強調し、取消しによる返金を求めた。

  • 「簡単な研修に合格すれば仕事を紹介するので報酬が入る。紹介料もその報酬の中から分割で払っていける」と電話で説明されたからこそ、契約をした。
  • 仕事の提供がないままカードのリボ払いが始まってしまった。収入のないまま支払うだけという状況が数カ月続いたため、今後の支払いについて不安を感じざるを得なかった。

 交渉の結果、業者から契約金額の約9割を返金するとの提案が出てきた。当センターが相談者の意向を確認したところ、相談者は受け入れた。合意解約書を作成した後、業者は相談者へ返金し、相談者は返された代金をカード会社2社への返済に充当した。

*「決済代行会社」とはカード会社の加盟店となって、通常加盟店になれない小規模事業者と提携してカード決済ができるようにさせる事業者のこと



問題点

 本件は「研修に合格せずいつまでたっても収入にならない」という典型的なケースであった。業者の説明を裏付ける資料が残されていなかったため、交渉は難航したが、相談者が収入を得られると信じるに足る何かが業者の説明にあったのだろうと粘り強く説得することによって、取消しに近い状態まで持ち込むことができた。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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