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[2009年9月11日:掲載]

契約前の説明と実態が異なっていたパソコン内職

月々3〜4万円の収入が得られると勧誘されたので契約を締結したが、実際は不可能だと分かったため解約に至った事例を紹介する。


相談内容

 インターネットで在宅ワークを探し、資料請求したところ業者から電話があった。データ入力業務の勧誘を受け、初心者レベルでも1日2〜3時間働いて月3〜4万円が収入の目安だと説明された。仕事をするためには「システム料」として約50万円が必要だと言われたが、収入は徐々に増えていくと説明されたので、支払っていけると思い、クレジットカードで支払うことにした。しかし、業務を受注し始めたところ、収入は毎月のクレジットの支払額にも満たなかった。このまま続けても十分な収入にはならないと思うので解約したいが、業者の解約規程では返金額が少なく、納得できない。

(30歳代 女性 家事従事者)



処理結果

 相談者には小さい子どもがおり、在宅で2〜3時間でできる仕事を探していた。初心者でも1日2〜3時間の作業で月3〜4万円の収入になると、業者の営業担当者から電話で説明されている。資料請求した際に届いた案内書面の中にも、同主旨の内容が記載されている。

 ところが実際は、スキルチェックに合格した後、業務委託契約を結び3回業務を受注するも、収入は見込みの5分の1以下であった。

 国民生活センター(以下、当センター)では、相談者は収入について事実と異なることを告げられた(特商法52条)ことから、業者に対して特商法58条の2により契約の取消しができるものと考えていると主張した。業者はこうした当センターの主張を受け、調査・検討することになった。

 なお、並行してクレジットカード会社とも交渉を行った。カード会社によると、相談者より抗弁書と経緯および契約を取り消したい旨が書かれた通知書面が届いている。業者に関しては以前から同様の問題があるとの相談が入っており、本件通知書の内容を検討した結果、チャージバックの依頼を出したとのことだった。

 再度、業者に連絡し、検討の結果を尋ねたところ「不実告知」は認めず、月3万円くらいの収入にはなるよう業務を紹介したと反論し、業務を発注した際に相談者に送ったメールをFAXで送付してきた。しかし、その内容は実行不可能であると思われた。

 一方、相談者は自分の作業時間の記録を残しており、月平均で1日2〜3時間の入力業務を行っていたことが確認できた。

 このことにより、当センターは業者の説明の矛盾を突き、不実告知による取消しを再度主張した。すると、業者は不実告知を認め、最終的には相談者から商品(教材)の返送を確認した後に全額を返金すると回答した。



問題点

 パソコンのデータ入力内職については、「トレーニングに合格せず、いつまでたっても収入にならない」「仕事をしても説明されたほどの収入にならない」「業者と連絡が取れない(倒産した)」という相談が多くみられる。本件も、「説明されたほどの収入にならないので解約したい」という、典型的な業務提供誘引販売の相談であった。

 説明されたほどの収入にならない、という相談者の主張に基づいて解約交渉をする場合、業者の説明がどのようなものであったかを詳細に聴き取ったうえで、消費者を誤認させるような説明をしたことを業者に認めさせなければならない。そのため、明らかな証拠がない場合には「言った」「言わない」の水かけ論になってしまい交渉が進まなくなってしまうことがある。

 本件では、相談者が自分の作業時間を記録していたことで、業者に説明されたような時間で仕事をしても説明どおりの収入にはならないこと、業者が自らの説明を裏付けるような案内文書(概要説明書)を出していたことの二つが決め手となり、業者に勧誘時の不実告知を認めさせることができた。

 書面の不交付や、契約書面等に明らかな記載不備が見当たらない事案では、相談者の言い分を裏付けられるよう、資料を収集することが重要である。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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