[本文へ] 消費生活・消費者問題に関する事例や対処方法を紹介しています。

現在の位置 : トップページ > 相談事例・判例 > 相談事例と解決結果 > 端末の有償保証サービス内容を一方的に変更した携帯電話事業者

[2009年7月27日:掲載]

端末の有償保証サービス内容を一方的に変更した携帯電話事業者

 消費者に十分周知することなく、サービス内容を変更したものの、指摘を受けて改善を行った事業者の事例を紹介する。


相談内容

 1年半前に携帯電話機を購入する際に、携帯電話機の保証サービスである「スーパー安心パック」も同時に申し込んだ。販売店の担当者は「毎月約500円を支払えば、故障の無償修理、盗難・水濡れ時に新しい携帯電話機を特別割引価格で提供、外装破損の無償交換などの特典がある」と説明した。

 最近、携帯電話機の折りたたみ部分が破損したため、通話機能等に問題はなかったが外装交換を求めたところ、現在は「あんしん保証パック」の「破損保証サービス」が適用されることになっているとして、外装交換費用(1万5000〜1万8000円)の2割を請求された。「納得できない」と申し出たところ、販売店の担当者は、「昨年の秋から『あんしん保証パック』の規約を適用することにし、その後1カ月間、カタログとホームページで周知した。また規約には、『サービス内容は予告なく変更する場合があります』との条項がある」と回答した。しかし、当初の説明どおりに無償対応してほしい。

(30歳代 男性 給与生活者)



処理結果

 国民生活センター(以下、当センター)には、2008年3月以降、ソフトバンクモバイル株式会社(以下、事業者)と携帯電話サービス契約を結んだ際、携帯電話機の保証サービスである「スーパー安心パック」に加入した消費者から、「『スーパー安心パック』の契約内容を一方的に『あんしん保証パック』の内容に変更され納得できない」という相談が複数件寄せられた。具体的には、携帯電話機の外装交換費用が「スーパー安心パック」では無料であったが、「あんしん保証パック」では20%(約3150円程度)の自己負担が発生したという内容であった。PIO‐NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)によると「『スーパー安心パック』の外装の修理に関する契約内容が一方的に変更された」という相談は、81件(注)登録されていた(2008年5月31日現在)。


 当センターで相談内容を検討したところ、保証サービス内容の変更について契約者に十分周知していなかったこと、約490万件にも上る「スーパー安心パック」を契約している消費者の利益を一方的に制限するという不利益的な変更であることが分かった。

 そこで、事業者に対して

  1. 1.「スーパー安心パック」の契約者には、今後とも「スーパー安心パック」契約時に締結した契約内容である外装交換の無償対応を保証すること
  2. 2.当初の契約内容を変更するのであれば、「スーパー安心パック」契約者に対して、「あんしん保証パック」を適用することを十分に個別に周知し、契約内容の変更に係る同意を得ること

 を求める要望書を送付し、2カ月間に数次にわたる交渉を重ねた。

 最終的に事業者は、「スーパー安心パック」の内容改定について契約者への事前告知が不十分であったことを認めて、契約者への再周知、「あんしん保証パック」を新たに契約するか否かについて個々の契約者に意思確認を行うこと。併せて、既に受領した外装交換費用を返金する等の対応を行うことを当センターに約束した。

(注)苦情相談情報の中から、各事例を個別に精査した数値である。



問題点

 以上の内容から、次の問題点が挙げられる。

(1)契約者への周知が不十分
 事業者は保証サービスの変更内容については、ホームページに掲載するとともに、請求書への同封、インターネット上で請求書を閲覧する契約者には「お知らせ」欄で案内したとのことであった。しかし、それでは契約者にサービス内容の変更を周知したとは言いがたい。

(2)サービス内容の一方的変更
 今回の変更は、規約にあると言っている「サービス内容は予告なく変更する場合があります」に基づいて行ったと事業者は言っている。しかしながら、当センターは変更内容が消費者にとって不利益(無償から有料負担)になることから、当該条項は消費者契約法の不当条項に当たるのではないかと判断し、この点を事業者に指摘したが、事業者から明確な回答はなかった。



おわりに

 当センターからの要望に対する今回の事業者の対応については、当センターとしては、一定の評価をしているところである。そのうえで、事業者におけるこのたびの対応の実効性をさらに向上することにつながると考えられることから、当センターでは本件について2008年8月20日記者公表を行い、事業者の対応内容を消費者に周知して注意喚起した。

参照:携帯電話機の有償保証サービスに係る消費者トラブルについて




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

相談事例と解決結果トップページへ

ページトップへ