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[2009年6月10日:掲載]

つけ爪でかぶれ、やけど、カビが生えることも

指先のおしゃれとして「つけ爪」が人気である。
ネイルサロンが身近な存在になり、自分でつけ爪をするための用具や材料も購入できる。一方で、危害情報も少なからず寄せられている。


相談内容

【事例1】
 美容院で「爪にやさしい。1カ月半もつ」と言われジェルネイルをした。1週間ではがれてきたのでやり直してもらったが、やはり1週間ではがれ、3回やり直してもらったら爪が乾燥して表面がはがれ痛みが出た。元に戻るのに半年くらいかかるらしい。

(30歳代 女性 給与生活者)

【事例2】
 勤務していたネイルサロンの衛生管理が悪く、自分も勧められて施術をしたがバクテリアの繁殖で爪の色が緑から黒くなった。

(20歳代 女性 無職)

【事例3】
 日用雑貨量販店で購入したつけ爪用瞬間接着剤。容器に半分くらい残っていた状態でふたを開けたら、中ぶたがくっついていて液が飛散した。じゅうたんから白煙があがり、履いていたジーパンの右太ももに痛みを感じたので見ると皮膚がただれていた。病院に行ったところ、熱傷2、3度と診断された。

(40歳代 女性 家事従事者)



調査結果

つけ爪の技法など

 つけ爪の主な技法として、以下のようなものがある。

  1. (1)色や飾りの付いた既製の人工爪(ネイルチップ)を接着剤(ネイルグルー)や接着テープで自爪に固定する方法
  2. (2)アクリル樹脂を専用リキッドに溶かしたミクスチャーと呼ばれる材料で自爪の上に人工爪を成形する方法(「スカルプチュア」「アクリリックネイル」などという)
  3. (3)ジェル状のアクリル樹脂の一種を自爪の上に置き、UVライトで紫外線を当てて硬化させて人工爪を形成する方法(「ジェルネイル」などという)
  4. (4)ネイルチップを自爪に接ぎ、アクリルやジェルを塗って一体化させる方法(「チップオーバーレイ」などという)

 これらをネイルサロン等で施術してもらう方法と、用具や材料を購入して自分で施術する方法がある。(1)は一時的な装飾、(2)(3)(4)は長期間保つことができる。

国民生活センター危害情報システムに寄せられた件数

 2008年10月1日現在、国民生活センター危害情報システムには「つけ爪」に関連した相談が少なくとも38件寄せられている。PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)にはサロン等でのつけ爪の施術に関する危害情報が24件、つけ爪の用具等による危害情報が8件、病院危害情報にも6件寄せられている。



問題点

(1)爪への負担

 つけ爪は自爪をやすりで削ったり化学物質を大量に塗布するため、自爪に負担がかかる点はどの施術でも避けられない。皮膚がかぶれたり乾燥したり、何度も施術を繰り返していると自爪が薄くなりもろくなることがある。

 スカルプチュアやジェルなどの場合、施術前によく消毒をしなかったり、人工爪と自爪の間にすき間があるまま放っておくと、バクテリアやカビなどが繁殖することがあり、それが原因でさまざまな感染症にかかる危険性もある。

 また、用材やアクリル樹脂によりアレルギー反応が生じることもあり、異常を感じながら放っておくと健康な爪の生育を阻害する場合もある。

(2)サロン等での施術に関する問題点

 ネイルサロンでの施術における問題点として、技術の未熟さ、衛生管理の不備などが挙げられる。

 いくつかのNPO法人ではサロンやスクールの認証、技能検定などを行っている。しかし、開業や施術を行うことに対する規制はないため、施術者の技術は一定ではない。

 ネイルケアが流行しネイルサロンも次々と増えている現在、施術や設備等に関して一定以上の水準を確保する必要があろう。

(3)材料や用具の問題点

 つけ爪の材料や用具については成分や注意表示に義務づけはない。つけ爪用接着剤は瞬間接着剤と同じシアノアクリレート系のものが多い。この接着剤は皮膚に付くと取れなくなったり化学やけどを起こしたりする。ほかにも取り扱いに注意を要する用材は多い。

 国民生活センターで確認した限りでは、表示がまったくない用材はなかったが、成分表示や具体的な危険に関する表現、文字の大きさはみなばらばらで、分かりにくいものもあった。

 また、つけ爪用の材料や用具には輸入品も多い。外箱には日本語の注意や成分表示があっても、箱から取り出して個別の用材を使うときには外国語の表示しかない場合がある。

(4)消費者へのアドバイス

  1. 1.つけ爪は爪に負担をかけるものであるということを知っておく。
  2. 2.つけ爪用の接着剤や用材を使うときはかぶれや化学やけど、引火に注意が必要である。購入時は表示をよく確認し、使用の際も慎重に取り扱う。
  3. 3.自分で施術する場合の衛生管理をしっかり行い、異常を感じたらすぐに受診。
  4. 4.サロン選びに注意。認定資格なども参考に。
  5. 5.無理をして施術を続けず時々は爪を休ませる。



ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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