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[2009年4月20日:掲載]

生のにごり酒による事故

生のにごり酒(注)で開栓時に栓が飛んで目に当たり、眼底打撲で入院したという事例が寄せられた。

  1. (注) 清酒もろみを目の粗い布などで軽く濾(こ)しただけの白く濁った清酒(沈殿している場合もある)。出荷の際に加熱、殺菌していないものを活性酒ともいい、酵母や酸素が生きたまま瓶詰めされており、炭酸ガスを含んでいる。最近は酒質を安定させるため火入れをしたものが多いようである。また、「生」とは、製成後、一切加熱処理をしない清酒である場合に表示できるもの(「清酒の製法品質表示基準(国税庁)」より)

相談内容

 '07年6月、瓶入りの日本酒の栓を開ける際に、包み紙を取ると急に栓が飛んで目に当たり、眼底打撲と一部鼻骨骨折で5日間入院した。退院後も通院し10月に完治した。

 商品には「栓が飛び出す恐れがあるので注意してください」とあったが、包み紙を外しただけで栓が飛んでしまい、防ぎようがなかった。事故品は生のにごり酒である。当初、メーカーは治療費等全額支払うと言っていたのに、保険会社が間に入り過失割合の交渉となり納得がいかない。商品が欠陥であることを調べるための機関はないか。

(30歳代 男性 給与生活者)

処理結果

 相談を受けた国民生活センターでは、開栓時の危険性についてテストを行った。

◆簡易テスト概要

 今回の相談では、冷蔵保存した生のにごり酒を開栓したときの事故であるため、冷蔵保存した生のにごり酒を冷蔵庫から取り出し、20分間室温で放置後開栓した(写真1)。その結果、外栓(中栓を覆っている金具)を外した途端、中栓が勢いよく飛んだ(写真2)。その衝撃はスパークリングワインの栓がアルミ缶を凹ますのと同程度だった(写真3)。

 生のにごり酒は、出荷時に加熱、殺菌等の処理を行っていないため、生きた酵母が瓶の中で発酵を続けている。そのため、開栓時に栓が勢いよく飛ぶことがある。

写真1
写真1 瓶の口から垂直方向上の20cm離れた位置に空のアルミ缶を設置

写真2
写真2 冷蔵庫から出して室温で放置したものにおける、開栓時に中栓が勢いよく飛ぶようす

写真3
写真3 中栓が当たってできた、空のアルミ缶の凹み

 当センターは、テスト結果を受けて、消費者は、生のにごり酒の栓が開栓時にスパークリングワインやシャンパンのように勢いよく飛ぶことがある点を十分知らされていないと思われるため、情報提供するとともに、業界団体に開栓時における事故を未然に防ぐための対策を要望した。

 また、メーカーに相談者への対応について確認したところ、相談者が治療に要した費用については、負担するとの意向が示された。

問題点等

 開栓時に栓が勢いよく飛ぶことがあるにもかかわらず、消費者にはその危険性が想像しにくい点に大きな問題がある。従来の簡易な注意表示だけでなく、構造面を含めた、より抜本的な対策や開栓時に注意を払う必要がある旨が一目で分かるような絵表示等、危険性について予見しやすい工夫が求められる。

 また、にごり酒には、生の他に加熱等の処理を行ったものもある。消費者にとっては、同じにごり酒でありながら、生のにごり酒との区別がつきにくく、混乱しがちであるため、業界には整理を求めるとともに、消費者は生のにごり酒に炭酸ガスが含まれていることを知ったうえで必要以上に振ったりしないよう、取り扱いには気をつける必要がある。

関連情報


ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。