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[2007年9月3日:掲載]

新品のコマが割れ、中の電池が子供の目を直撃

 今回は幼稚園のイベントの景品のコマ(1個50円)の中に入っていたいわゆるボタン電池により子供が目を負傷したという製造物責任の事案である。


相談内容

 幼稚園のお祭りで景品としてもらったコマ。プラスチック製でヨーヨーの形状をしており、左右にヒモを引っ張ってコマに回転力を与え、高速回転させる商品。

 事故は遊び方を、父親が子供の目の高さで回して見せていたところ、突然コマ本体のプラスチックのつなぎ目部分が2つに割れ、中に入っていたボタン電池2個が飛び出し、1個が近くにいた子供の片目に当たり、目を負傷した。

 事故後、タクシーで大学病院の救急外来に行ったところ、角膜の部分に傷がついていると診断され、点眼薬をもらって帰宅した。

 初めての使用でこのような事故になったが、商品に問題があるのではないか。

(43歳 男性 当事者 5歳 男児)



処理概要

(相談の詳細)

 相談者は、本件コマが入っていた袋を捨てており、手でつかむ部分に中国製の標記があるものの、コマ本体にはメーカーなどの社名はなかった。しかし、景品として2つもらっており、コマを入れてある袋には輸入元が明記してあった。

(センターの調査)

 苦情同型品を入手し、当センター商品テスト部で苦情処理テストを行った結果概要は次のとおりである。

  1. (1)外観を見ると入手した15個の同型品のうち、6個が購入時の状態で、苦情品と同じ部分に類似の形状の亀裂があった。
  2. (2)同型品のネジを増し締めして人為的に亀裂を作成した場合、それが、苦情品の亀裂と類似していた。
  3. (3)同型品の再現テスト(コマを使用実態のように回転させる)を行ったところ、同型品の一つに破断した部分の状態が苦情品と類似していた。以上のことなどから今回の事故の原因の一つとしては、コマの購入時点で存在したネジの締め過ぎによる接合部の亀裂と考えられた。コマの材質を考慮すると、ネジの接合方法に問題があると考えられた。

 以上の結果を輸入元に伝えたところ以下のような説明が当センターにあった。

(事業者の回答)

  • 今回のような事故は初めてである。
  • コマは、中国のメーカーが生産し、台湾の会社に卸しており、当社はその卸し会社から買い付けた。
  • 当社では2000年6月に3万個、同年8月に3万個を輸入した。それらはすでに国内の問屋や、いわゆる駄菓子屋に卸している。
  • サンプル品のコマは、実際に回したり、バリ・鋭利については調べたが、第三者機関等で検査しているというわけではない。
  • 本件はSTマーク付の商品ではないが、本件コマはPL保険に加入している。


処理結果

子供の角膜の傷は治ったが、念のため眼科の専門医に診てもらったところ後遺症はないとのことであった。

 輸入元が相談者に対し、PL保険からの支払いではなく、治療費などの実費相当分などを支払うことで解決した。



問題点

  • コマは1個50円であったが、安いからといって、テスト結果によると購入時の状態で15個中6個も同型品に亀裂が入っているのは商品の品質管理上問題がある。
  • 輸入品の中には、輸入元の社名を記載していないなどにより、会社名が不明なものが見られる。コマを入れていた袋には輸入元が記載されていたが、本体には会社名の記載がなかった。袋をなくし、購入店が不明な場合、同種の事故が起きたとしても責任追及は難しい。
  • 輸入品の場合、PL法では、輸入した会社が製造者とみなされるが、今回は最初に、商品のいわゆる使い勝手程度を調査しただけで、安全性について第三者のテスト機関に調査依頼をしていない。
  • 今回の場合は父親が遊び方を見せていたときの事故であるが、母親もその場に同席しており、目撃している。玩具のような商品で子供が負傷した場合、親などの目撃者がいないと事故時の状況が把握できず被害の救済が難しい。
  • このほかに、コマではないが子供が扱う玩具で「遊んでいたヨーヨーが突然分解し、目を直撃」という事故があった。(『たしかな目』'99年4月号56ページ)遊ぶ前にひび割れなどの異常がないか点検することも必要だ。


 なお、輸入元は、コマの輸入は今後中止し、同社が本件コマを卸している問屋や小売店などに対し、在庫の回収依頼の文書を送付することとした。




※当相談事例は2001年7月に掲載し、一部加筆・訂正を行い、再掲しました。



ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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