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[2007年9月3日:掲載]

電子メールを使ったネズミ講

  昨年、友人から、インターネットの電子メールを使ったマネーゲームへの参加を勧誘する電子メールが送られてきた。メールには、自分の上位にあたる4人の名前と銀行口座番号が書かれており、「上位の4人に1,000円ずつ送るとそれぞれからレポートが送られてくる」「その上で、名簿の一番上の人の名前を消してほかの人をひとつずつ上へずらし、4番目に自分を書き加えたメールで、多くの人を勧誘すると、その人たちからの振込みが次々にある」「レポートの販売を伴うのでネズミ講ではない」「弁護士に聞いたところ、法には触れず、問題ないと言われた」などと書かれていた。

 友人に誘われたのだし、メールにも「合法」とあるので、4人に1,000円ずつ振込み、自分も50人の人にメールを送って勧誘した。今のところ誰からも振り込みはない。

 昨日の新聞で、同じ手口の組織の開設者(ネズミ講を開いた者)が逮捕されたことを知り不安になった。今後どうしたらいいだろうか。

(男性 学生)


アドバイス

 相談者が勧誘のメールを送ったことは、ネズミ講の勧誘行為を行なったものであり、罪を問われてもしかるべきケースです。しかし、相談者は「違法性を知らなかった」と言っており、これ以上被害広げないために、今からでもできることとして、以下の2つがあります。

  1. (1)すぐに銀行口座を閉鎖し、勧誘した人からの振込みを防ぐこと。
  2. (2)勧誘した50人に対し、「違法性を知らずに勧誘してしまったが、法律に触れる行為なので絶対に参加しないでほしい」という内容を含んだお詫びの電子メールを送信すること。

 上記の行為をしたからといって、相談者の違法行為が無かったことになるものではないので、警察から事情聴取を受ける可能性はあります。その際には、「新聞報道で違法であることを知りセンターのアドバイスにより上記の措置をした」ということも含め、素直に事情を話すのがよいでしょう。



コメント&解説

(1)警察による摘発

 ネズミ講は、開設はもちろん、勧誘しただけで法律に抵触します(無限連鎖講の防止に関する法律3条)。警察の摘発は、単なる「勧誘者」も書類送検されており、今までにはない捜査当局の強い姿勢が見られます。

 ネズミ講にインターネットの電子メールを使うと、誰が開設者か、ということが非常にあいまいになります。警察による摘発では、ある人物を「開設者」であるとしていますが、この人も、同様のパターンを知人から聞いて、そのパターンに自分と家族の名前を当てはめ、大々的に勧誘を行なったとされています。

 インターネットによるネズミ講においては、勧誘は電子メールを用いるため、電子メールアドレスさえ大量に入手できれば、勧誘自体はたやすいと思われます。他人の電子メールの載った名簿は、ネット上で売買され、入手も簡単といわれています。このようなことを考えると、ネット上に蔓延している「マネーゲーム」「MLM(マルチレベルマーケティング)」などと称する手口を自分流に少々手直しし大量の勧誘メールを送ると、「ネズミ講の開設者」として、逮捕・拘留される可能性があるということになります。また、そのメールに自分の名を書き加え、転送すれば「勧誘者」として書類送検される可能性があるということにもなります。

(2)違法性

 ネズミ講(無限連鎖講)は、無限連鎖講の防止に関する法律により「金品(財産権を表彰する証券又は証書を含む。以下この条において同じ。)を出えんする加入者が無限に増加するものであるとして、先に加入した者が先順位者、以下これに連鎖して段階的に2以上の倍率をもつて増加する後続の加入者がそれぞれの段階に応じた後順位者となり、順次先順位者が後順位者の出えんする金品から自己の出えんした金品の価額又は数量を上回る価額又は数量の金品を受領することを内容とする金品の配当組織」(2条)と定義され、3条に「何人も、無限連鎖講を開設し、若しくは運営し、無限連鎖講に加入し、若しくは加入することを勧誘し、又はこれらの行為を助長しする行為をしてはならない」と禁止規定があり、6条と7条で罰則を定めています。特に7条では、「加入することを勧誘したもの」についても罰則の対象にしています。

 インターネットネズミ講は、主に以下の2つの理由をあげて「ネズミ講にあたらない」と主張しています(インターネットネズミ講は電子メールを使い電報ゲーム的に伝わっていくものなので、内容はそのメールごとに異なることもあります。以下の2つも書かれているものと書かれていないものがあります)。

ネズミ講メールが主張しているが、本当は間違っていること
(1)1人参加すると、最上位の1人が組織から抜けるため、「無限連鎖」ではない。
(2)レポートとという商品が介在しているため、金品配当組織ではなく無限連鎖講にあたらない。
間違いの理由
(1)については、「無限連鎖講」の「無限」ということばから、組織が無限に広がり維持されていくイメージがあるが、法律ではそのようなことは無限連鎖講であるための要件とはしていません。
(2)のレポートと称するものは、いかに意義のある組織かの説明や、勧誘のためのメールアドレスは購入ができるなどということが書かれているだけで、商品としての価値はまったくありません。警察も商品としての実態がないと判断したものと思われます。

(3)犯罪者にならないように!

 警察による摘発があった以降も、「アメリカに送金し、人を紹介するとドルで還元される」「世界で1本のライン」などというインターネットネズミ講の勧誘の電子メールが、ネット上でやりとりされています。「もしかしたら儲かるかも」「別に損をしても大した金額じゃないから」「面白そうだから」・・・・・こんな理由で気軽に参加した結果は、「犯罪者」となります。

 将来破綻することが明らかであるにもかかわらず、いたずらに射幸心をあおるような金銭配当組織−−−このようなものにかかわってしまわないように注意しましょう。




※当相談事例は2001年6月に掲載し、一部加筆・訂正を行い、再掲しました。



ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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