独立行政法人国民生活センター

検索メニュー

×閉じる

現在の位置: トップページ > 相談事例・判例 > 相談事例と解決結果 > 3年たっても納品されなかった中古バイク

ここから本文
[2007年7月20日:掲載]

3年たっても納品されなかった中古バイク

 契約をしてから3年間信販会社に毎月入金していたが、中古のバイクが販売店から納品されずに放置されていた事例を紹介する。

相談内容

 知り合いのバイク販売店の社長に、「中古の高級バイクを400万円でアメリカから見つけてきてあげる」と言われて、契約した。「バイクは2〜3カ月後に渡す」と口頭で言われた。支払いは、今乗っているバイクを下取りに出して代金の一部に充当し、残金は信販会社との立替払契約にした。信販会社からの確認電話には、販売店と契約したと返答した。しかし、いくら待っても納品されないため社長に何度も話をしたが、そのつどあいまいな返事をするだけであった。

 バイクのメンテナンスを依頼しなくてはならないし、個人的にかわいがってもらっていたこともあり、これまであまり強く言うことはできなかった。

 契約してから3年以上たって、300万円近く支払っているのに納品されない。もうバイクは要らないし、社長と関係が悪くなっても構わないので、これまでに支払ったお金を返してほしい。

(20歳代 男性 給与生活者)

処理概要

 国民生活センター(以下、当センター)が、消費者から入手した信販会社との契約書面を確認したところ、以下のことが分かった。

  • 書面は車両販売専用の契約書であった。
  • 商品等の引き渡し時期は空欄となっていた。


 また、相談者は、既に、抗弁書を取り寄せて必要事項を記入し信販会社に返送していたが、信販会社からの連絡はないということであった。

 そこで、当センターは、販売店に事実関係の確認のために連絡した。しかし、バイクを納入しなかった理由等について明確な回答はなく、それ以上の話し合いはできなかった。

 そのため、当センターから信販会社に連絡したところ、「相談者からの抗弁書は既に到着しており、現在調査中」ということであった。信販会社は、契約してから長期間にわたって商品が渡されていないにもかかわらず、支払いが滞りなく行われていたことは過去に例がなく、相談者から連絡が入るまでまったく分からなかったという。信販会社が、販売店に確かめたところ、納品しなかった理由は明確にせず、また、「相談者とは別のバイクを納品することで話がついている」ということであった。

 信販会社は、売買代金は一括して販売店に支払ったこと、バイクの納品についての確認までは行っていなかったことを認めた。

 当センターが相談者の意向を改めて確認したところ、「代替のバイクは要らない、これまで支払ったお金をすべて返してほしい」というものであった。当センターは相談者が幾度となく督促しているにもかかわらず、商品が渡されていない以上、既払金は全額返金するべきであると信販会社に伝えた。信販会社から、相談者に直接話を聞きたいと申し出があり、相談者もこれまでの経緯を説明したいということだったので、相談者・信販会社・当センターで話し合いの場を設けた。

 信販会社から、「販売店の社長は経営的なセンスはないが、相当な技術力を持っている人物であること、営業面を直せば適切な管理の下に加盟店契約を続けたい」といった趣旨の話がなされた。

 三者間での話し合いを終えた数日後、信販会社の支店長から、「商品が渡されていない以上、既払金は全額返金するが、社長を説得する時間がほしい」という提案がなされた。相談者に確認したところ、「既払金が返ってくることを信販会社が約束してくれるのであれば、待ってもよい」ということだった。その後、信販会社から当センターに社長が信販会社の説得に応じたという連絡があった。相談者に入金を確認してもらったところ、信販会社から既払金全額が振り込まれていたので、処理を終了した。

 信販会社からは、「中古バイクのように市場から調達した後、消費者に渡すといった契約については、車検証等の確認後に、加盟店に金銭を支払うようなしくみを検討したい」という話がなされた。

問題点

 当該契約は信販契約締結後に、販売店の社長がアメリカに出向いて、バイクを買い付けて消費者に引き渡すというものであった。信販会社は購入代金を一括で販売店に支払い、消費者から毎月の返済を受けている一方、納車の確認はまったく行っておらず、消費者からの連絡を受けてから初めて引き渡されていないことを知ったという。

 商品の売買に関する立替払契約では、販売店は契約から日をあけずに商品を引き渡すのが通常であるが、事例のように中古商品を市場で調達してから引き渡すという契約においては、販売店が商品を調達するまで、消費者の手元には商品がないことになる。そこで、事例のように販売店が商品を調達することができなければ、最終的に契約内容が守られないことも起こり得る。このような契約は、消費者が不安定な立場に置かれるため、好ましいとはいえず、また、不安定な契約締結の後押しをしている信販会社の姿勢も問題である。

 消費者保護の観点から、信販会社には販売店が商品を市場から調達し、消費者に引き渡した後に請求を開始するといった対応が求められよう。


ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。