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[2007年5月21日:掲載]

利用停止に時間がかかり請求金額が拡大したクレジットカード

 金融機関と信販会社との連携が不適切だったため、被害が拡大した事例を紹介する。


相談内容

 以前からキャッシュカードとクレジット機能が一体となったカードを所持していた。

 信販会社から送付された請求書を見て、覚えのない請求の記載があったので調べたところ、17歳になる息子がカードの番号を勝手に利用し、オンラインゲームの支払いに充てていたことが分かった。そこで、信販会社の窓口に電話し、カードの利用停止を申し出たところ、「当該カードは金融機関との共用カードであるため、金融機関で手続きするように」と指示を受けた。

 その後、金融機関に出向き、カードの利用停止を申し出て、その理由も話した。担当者は、カードの裏面に記載されていた信販会社に連絡を取り、自分に受話器を渡した。カード番号を変更すれば息子がカードを使えなくなると思っていたため、「今のカード番号では困る」と言って、番号の変更方法を尋ねた。信販会社の担当者から、「カードの再発行の手続きを行う」ということだったので、「クレジット機能の停止についてはこれで大丈夫なのか」と何度も確認したところ「問題ない」ということだったので信用した。

 すぐに信販会社の担当者の指示どおりに金融機関で、カードの再発行手続きの書類を作成、カードの再発行に関する理由について、金融機関の担当者に確認したところ、「紛失」にしておくと言われた。

 1週間後、信販会社から連絡があり、カードの紛失状況を聞かれた。カードが本当に使えなくなっているか不安になったため、それまでのやり取りを伝えて、カードの使用状況を確認してもらったところ、金融機関で手続きをした以降もカードの利用があることが分かった。そこで「手続き日からの利用分については支払いたくない」旨を申し出たが、「カードの再交付とクレジット機能の停止とは違う。使用分は正当な当社の債権であり、支払ってほしい」と主張して譲らなかった。

 手続き後の約7万円の請求には納得できない。

(40歳代 男性 給与生活者)



処理概要

 国民生活センター(以下、当センター)は、当該カードの利用停止の手続き方法等について確認するため、信販会社に連絡を取った。

 信販会社は「紛失等の申し出を金融機関で受け付けた場合、オンラインで情報のやり取りを行うしくみにはなっていない。金融機関で所定の書類を記入してもらい、信販会社に郵送してから利用停止となる。紛失、盗難であれば、信販会社でも受け付け、直ちに停止することもある。緊急性があればすぐに対応し、記録を残すことになっているが、今回は、金融機関でのやり取りについての記録が一切残っていない。記録がないということは、単なる再発行の問い合わせと判断したのではないか」という回答であった。

 そこで、当センターは信販会社に対して以下の点を主張した。

  1. (1)記録が残っていないからといって、信販会社の主張が正しいとまではいえない。消費者は信販会社に申し出をすればすぐにクレジット機能が停止されると思っていたと主張している。たとえ相談者が事情を十分に伝え切れなかったとしても、カード番号を変更するという申し出をしているのであれば、何らかの事情があったと考えて、その聞き取りを行うべきではなかったか。
  2. (2)信販会社は金融機関と提携して利益を得ているのであるから、金融機関に対してカードの取り扱いに関して、正確に対応できるように関係を強化するべきではないか。
  3. (3)同様のトラブルを防止する観点から、カードを所有するすべての契約者に対してもっと注意喚起をするべきではないか。

以上に対して信販会社は、(2)、(3)については検討するが、(1)に関しては、消費者の中には番号が気に入らないという理由だけで番号変更を申し出る人もいることから、対応に問題があったとまでは考えていない、請求金額全額を支払ってほしいという回答であった。双方の主張は平行線をたどっていた。このため、当センターは信販会社に対して、「電話を受け付けた担当者が、踏み込んだ対応をしてくれていたら、金融機関での利用停止申し込み以降、カード利用はできなかったという点を考慮するべきではないか」と交渉した。

 その結果、相談から1カ月半後、信販会社からカード利用分の半額を請求したいと提案があった。

 相談者は信販会社の提案を受け入れ、カードも引き続き利用することで解決した。



問題点

 今回のトラブルの原因として家族間の問題もさることながら、カードに関する各種手続きの複雑さ、信販会社と金融機関との連携の問題と、消費者への情報提供不足が挙げられる。

 信販会社は、カードは金融機関内で勧誘を行っており、カードに関する各種手続きも基本的には金融機関を通して行われているという。

 しかし、紛失等の手続きに関しては電子データでのやり取りではなく、書類で行われている。受け付けをした各金融機関支店から、いったん当該金融機関本社に送られ、そこでまとめて信販会社に送付されるという。盗難や紛失などの緊急性があれば、もちろん信販会社で直接、処理依頼を受け付けるとはいう。しかし、今回の相談者のようにカードを利用できなくしてほしいという希望を持っているにもかかわらず、「番号を変えたい」という趣旨のみが伝わってしまうと、その理由の聞き取りなどは電話に出たオペレーターに任されているという。

 信販会社には、消費者に無用な損失を与えないという観点から、初期対応を行う者の意識を向上させる取り組みを望みたい。

 さらに、金融機関側の対応や書類作成に問題があったことも、被害を拡大させてしまった原因であると思われる。トラブルを防止するためには、関係する信販会社すべての社員の意識の向上と教育、併せて事業者間の密接な連携が必要ではないかと考える。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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