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[2007年3月20日:掲載]

販売目的を告げられずに呼び出され、契約してしまった会員サービス付き英会話教材

 販売目的隠匿、長時間勧誘かつ私的感情を利用して契約を締結させたため、販売方法に問題があるとして解約に至った事例を紹介する。


相談内容

 「以前自動車レース会場でアンケートに答えて頂いた件でお電話しました。残念ながら抽選にはずれてしまったのですが、当社の提供するお得なサービスの説明をさせて頂きたいので、ぜひ当社までおこしください」と、若い女性から自宅に電話があった。確かに1年前に自動車レース会場でアンケートに答え、電話番号や氏名等を記載したことを思い出した。面白そうだったので、翌日の13時半に会う約束をした。

 待ち合わせ場所に着いてから担当の女性の携帯電話に連絡すると、3人の女性が迎えにきて、雑居ビルの事務所に案内された。フロアはいくつかの部屋に仕切られており、その一つの部屋に通されて、数人の女性とドリンクを飲みながら楽しく話をした。すると、担当の女性がやってきて、海外旅行に安く行けるうえ、電気製品や自動車のパーツを安く購入できるという会員サービスの説明をした。自動車レースのチケットも5%引きになるというので興味を持った。会員になるためにはパソコン用英会話教材の購入が必要だと言われ、教材の説明を受けた。自宅にパソコンもなく、80万円と高額なため一瞬迷ったが、お得な会員サービスを受けられるのであればと思い契約した。事務所の近くの100円ショップで印鑑を買って入会申込書に押印した。担当者から「契約書の商品欄にはサービスが多すぎて書ききれないのでパソコン用英会話教材と書いておく」と説明された。事務所を出たのは、20時を過ぎていた。

 月々の会費3150円は半年間くらい払ったが、それ以降は払わずにいたので退会通知のようなものが届いた。その後は英会話教材のローンだけを支払っているが、教材はパソコンがないので一度も使っていない。会員サービスは、電気ポットを買っただけで一度しか利用していない。

 自動車のローンもあって、支払いが困難になり、自動車レースには一度も行くことができなくなってしまった。友人に相談したところ、だまされているのではないかと言われた。なお、担当の女性とは、携帯電話のメールアドレスを交換し、契約後もやり取りを続けている。

(20歳代 男性 給与生活者)



処理概要

 相談を受けた国民生活センター(以下、当センター)では、相談者に、契約の経緯や解約の申し出をまとめた書面を信販会社と販売業者に送付するよう助言した。

 その書面が届いた頃を見計らって、当センターから販売業者に連絡したところ、担当者に事情を確認してから返答するとのことであった。

 数日後、販売業者より連絡があった。「相談者の主張に若干の反論はあるものの、勧誘方法に問題があったことも確かなようだ」とのことで、販売方法に問題があったことを認めた。しかし、契約から1年以上経過していることを理由に、既払金放棄での解約を提案してきた。

 当センターは、販売目的が明確にされずに呼び出されていること、本来はパソコン用教材の販売であるにもかかわらず、それには触れずに長時間にわたって会員サービスの勧誘を行ったこと、最終的にはパソコンを持っていないことを伝えているにもかかわらず、十分な説明のないままパソコン用教材を販売しているなど、販売方法に問題があり、契約の取り消しや無効の主張も可能であると考えていることを販売業者に伝え、解約条件の再考を求めた。

 さらに、問題のある販売方法であることを気づかせないように、相談者の担当販売員の女性に対する感情を利用している点も悪質であることを指摘した。また、相談者は会員サービス契約については会費未納で退会となっているとの認識だが、確かに退会となっているか確認を求めた。

 その後、販売業者より、商品価格10%の解約料の提示があった。相談者も一度会員サービスを利用して電気製品を購入していたこともあったので、この条件で合意解約することになった。会員サービスの二次被害の事例についても付言し、本会員サービスについては退会の手続きが完了していることを再度説明し、処理を終了とした。



問題点

 相談者は、7時間近くにわたり会員サービスについての勧誘を受け、会員サービスを利用するためにパソコン用教材の契約をするに至った。相談者が、パソコンを持っていないため、教材は不要であることを伝えているにもかかわらず、勧誘は続けられていた。契約後も営業担当者とメールのやり取りを続け、結果として相談者の私的感情を利用することで、問題のある勧誘方法であることを相談者に気づかせないようにするなど悪質な販売方法であった。

 ただ、相談者自身も、契約当事者としての意識が希薄で、契約の内容も本件と他社のものとを混同しており、1年前の経緯すら十分に思い出せない状況であった。また、解約のきっかけも支払い困難という事由のみで、当該販売業者の販売方法について疑問を持つこともなく、メールのやり取りを続けていた。今後は、冷静な判断を心がけてほしい。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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