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[2006年12月22日:掲載]

高校生に学校名簿の提供を求める名簿業者

 高校3年生の息子宛に受験生向けの記事の掲載された情報誌が郵送された。その情報誌内にアンケートがあり、「学校の名簿(クラス名簿、部活名簿、同窓会名簿等)を貸してくれたら、3000円の図書券を進呈する」という項目があった。親の知らないところでこんなアンケートが高校生に送られているとすれば、高校生は図書券に魅かれ、名簿に掲載されている生徒への影響も考えず名簿を提供する恐れがある。親の関与しないところで景品等で高校生を釣って名簿を取得する方法は問題ではないのか。

 (40歳代 女性 家事従事者)

アドバイス

 個人情報保護法では、個人情報取扱事業者に対しては本人の同意の無い第三者提供に対する規制がありますが、個人が所有する名簿等を第三者に提供する場合は対象になりません。

 また、同法では個人情報取扱事業者に対して不正な方法での入手を禁止しており、十分な判断能力を有していない子供から、子供の知り得る個人情報を親の同意なく取得するのは不正な方法での入手に当たる可能性があります。しかし、高校3年生ともなれば、一定の判断能力を有していると判断される場合も多いですし、個人の所有物の扱いに対して、規制することは困難です。

 名簿を発行し配布するのが個人情報取扱事業者であれば、漏洩や流出等を起こさないように安全管理措置義務があり、セキュリティに万全を尽くすことや委託先及び従業員への安全管理の監督義務があります。しかし、名簿の配布後に名簿保有者がどう取扱うかまで責任をもたなければならないとは言い難いでしょう。ただし、配布の際に「名簿掲載者相互の連絡のために利用すること」等、利用目的を限定することや、外部への提供禁止、廃棄の際の注意等を伝えることは必要であると思われます。

 本件では、事業者の個人情報の取得の方法が、個人情報保護法に明らかに違反しているとは認められませんが、適切であるとも言えないでしょう。個人情報を取り扱う場合、個人情報取扱事業者であろうとなかろうと、個人情報の本人に与える影響等をよく考慮して扱う必要があると思われます。

 名簿を配布するのが学校であれば、教育的見地から、生徒に個人情報の適正な取扱いについて伝えていくことが大事ではないでしょうか。


ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。