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[2006年12月20日:掲載]

スキミングされたクレジットカードでの消費者トラブル

 スキミングによる偽造クレジットカード被害の事例を紹介する。


相談内容

 銀行で記帳を行った際、利用した覚えのないクレジットカード(以下、カード)利用料金の引き落としがあることに気づいた。自宅に戻って届いていた明細書を確認したところ、行った覚えのないディスカウントストア、コンビニ、飲食店、タクシー利用料金として、約20万円の記載があった。

 利用されたカードを含めてクレジットカードはすべて財布の中に入っており、紛失していない。確認後すぐクレジットカード会社(以下、業者)に連絡したところ、業者からは、「調査には1週間必要。警察には届けを出さないように」と言われた。言われたとおりに1週間待ったが、業者からの連絡はなかったので催促の電話をしたところ、後日中間報告を出すと言われた。

 その後しばらくして、業者から、スキミングによる偽造カードの被害と思われるので、引き落とした全額を返金する旨の連絡があった。しかし、警察に届けを出さないようにと言ったこと、調査結果をなかなか出さないことなど、業者の対応に納得がいかない。

(40歳代 男性 給与生活者)



処理概要

 相談者の損失は補填(ほてん)されたが、業者の対応には問題があると思われたことから、国民生活センター(以下、当センター)では業者に来所を要請して、以下の点について確認した。

1 スキミング被害と判断した理由

 業者が伝票を取り寄せて確認したところ、伝票の中には相談者名の2種類のサインが存在しており、そのいずれも相談者の筆跡ではなかった。カードの利用日から時間が経過していたので伝票を取り寄せるのに手間取ってしまい、調査に時間がかかってしまった、相談者にはもっと頻繁に連絡をすべきだったと反省している。

2 全額補填した理由

 業者から相談者には、本件の利用について利用明細書を送付して連絡している。相談者に対しては、送付した明細書をすぐに見てほしかったということはあるものの(注1)、総合的な判断で補填することとなった。
 注1 業者の約款によると、「明細の内容について異議がある場合には、明細の送付を受けた後1週間以内に申し出るものとする」旨規定されている。

3 相談者に対して警察に届けを出すことを止めた理由

 当社を含む各業者と警察では定期的に情報交換を行っており、スキミングに係る偽造カード被害については、警察は被害届を受理しないこともあるという話を聞いていた。「カードの紛失・盗難ではないことから警察では受け付けないのではないか」と案内をしたと思われる。

4 業者の加盟店指導と不正防止対策

(1)偽造カードについてはカード裏面の本人サイン欄には悪用する者が署名をしていることから、加盟店が偽造カードを見破ることは難しい。また、カード裏面のサインと伝票になされるサインの相違については、飲食店で酔ってサインするような消費者等も少なくないため、余程の違いがない限り、加盟店が利用拒否することはないと思われる。

(2)カード利用の際、加盟店の中には消費者から預かったカードを別の場所に持って行き、そこで信用照会端末等を通し、出てきた伝票をまた消費者の手元に持ってきて、サインを求めることがある。つまり、カードが完全に消費者の手元から離れて見えなくなってしまう状態が発生することになる。 この間にスキミング行為が考えられるのではという当センターの指摘については、加盟店としては顧客の目の前で信用照会端末等に入力して、出てきた伝票にサインをしてもらうというのが望ましいとは思うが、実際には飲食店やデパートなどでは加盟店が店の事情や雰囲気等を考えて、前述のようなことを行っているところがある。これについては、加盟店に任されているので、当社から問題であるという指摘をすることは難しい。

(3)カード被害に関連して、利用限度額を超えて使われてしまうこともある。利用限度額については、インプリンター(注2)を使用している加盟店もあり、伝票の到着までに時間を要すること、また顧客とのトラブルにもなることから、限度額ちょうどでカードの利用を出来なくすることは難しく、利用限度額には余裕を持たせている。枠はこれまでのカード利用実績をもとに判断している。
 注2 クレジットカードの券面を伝票等に手動で写し取る機械のこと。オンラインでつながっていない加盟店やオンラインに障害が発生しているときに使われる。

(4)当社では24時間、不正なクレジットカード利用を監視・モニタリングしており、不正使用を早期に発見できる体制を整えている。カード所有者の利用履歴と照らして、システムで検知した不正を思わせる利用の照会があった際には、業者の担当者が加盟店に電話をして、本人しか知らないような質問を行って、本人の利用かどうかを確認することもある。カードの利用明細書は引き落とし日の10日くらい前までには送付するようにしているが、利用明細書の内訳に不正を思わせるような利用があった場合に、当該利用部分に目印等を付けて注意喚起を行うことまではしていない。また、こうした情報は詳細が漏れてしまうと悪用する側から裏をかかれてしまうので、詳細を明らかにすることは控えたい。



問題点

 スキミング犯罪の実情や業者の加盟店指導の状況から考えると、スキミングに係る偽造カードについて、加盟店での利用段階で不正利用を発見することは難しいように思われる。さらに消費者もカードの紛失・盗難と違って、カード自体は手元にあることから、スキミング被害にあっていることに気づくことは困難であると思われる。

 そのためスキミング被害については、業者への届け出が遅れても、常に全額補填するという方針を各業者が検討するべきであると思われる。また、消費者も毎月の利用明細書等を確認するなどの必要があると思われる。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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