[本文へ] 消費生活・消費者問題に関する事例や対処方法を紹介しています。

現在の位置 : トップページ > 相談事例・判例 > 相談事例と解決結果 > 無料のエステが受けられると説明され購入した高額な美容機器

[2006年10月20日:掲載]

無料のエステが受けられると説明され購入した高額な美容機器

 魅力的な広告に誘われた学生の契約が、解約可能になった事例を紹介する。


相談内容

 レストランに置いてあったフリーペーパーに、1050円で120分のバストケアの体験ができるという広告が載っていた。バストケアの専門店であり、完全個室で落ち着いた雰囲気ということにひかれ、店舗に行き、バストケアをしてもらいながら次のような説明を受けた。(1)美容機器を購入すると月に1回、無料のエステティックサービスが受けられる。(2)大手エステティックサロンで週1回ケアをした場合、ケアをした直後は効果があるが、次にケアをするまでに元に戻ってしまう。当社の場合は、機械を購入してもらい自宅で毎日ケアすることができるので確実に効果が出る。

 バストケアをやってもらっている最中に、「確実にCカップになる」「必ず効果がある」とも言われ、バストアップのほか、手足をトリートメントするという美容機器Aをクレジットを組んで約25万円で購入した。手続きをしている際に、販売員から「働いているのですか。学生ですか」と聞かれ、「今は一時帰国しているが留学中である」と答えた。

 数日後、美容機器Aを受け取るため店に出向き、またバストケアをしてもらった。その後、販売員が私の足や太ももを見て「足がひどい状態になっている。この前買った美容機器Aは表面的にやるだけだが、低周波が出る機械を使うと筋肉を付けることができる」「二つの機器を一緒に使ったほうが効果がある」等新たな美容機器Bを勧められ、クレジットを組んで約85万円で契約した(前回の契約と合わせると約110万円)。

 しかし、冷静になり考えると、自分には定期的な収入がなく返済が苦しいこと、「必ずバストアップできる」と言われたが具体的なデータに基づいて説明されたわけではなく効果が疑わしいことから、解約したい。

(20歳代 女性 学生)



処理概要

●広告について

 国民生活センターで、当該商品のインターネット上の広告を確認したところ、1回目の約25万円の美容機器Aについては「硬くなった脂肪の除去技術が家庭でも実現できます」と表示されていた。また2回目に契約した美容機器Bについては「細胞組織を活性化させ、リンパの流れを改善します」「心地よい筋肉運動によりたるみを引き締め、運動効果が余分な脂肪の燃焼を助け…」と記載されていた。この点について厚生労働省薬事法の担当課に見解を求めたところ、「硬くなった脂肪の除去技術が家庭でも実現できます」は、美容機器でありながら痩身(そうしん)効果をうたっていると考えらる。また「細胞組織を活性化させ、リンパの流れを改善します」等は、効能・効果をうたっているので薬事法違反の可能性があるとのことだった。

 また、フリーペーパーに掲載された当該広告を確認すると、「バストケア専門店」「当店自慢の特殊カップでの施術は…」「自社製品の販売およびアフターケアを目的としたサロンです」などと表記されており、エステティックサービスの広告とも思われた。実際、相談者は「美容機器を購入すると月に1回、無料のエステティックサービスが受けられる」と説明を受けている。これらのことから、本契約は特定継続的役務契約に該当する可能性があった。

●契約書の記載内容について

 相談者からさらに詳しく聞き取ると、美容機器の購入と同時にサポーター、クリームやオイル等の化粧品も購入していた。しかし、契約書に記載されていた品目は、美容機器とサポーターのみで、クリーム等についての記載はなく、商品内容や明細について明らかにされていない。また、契約書以外の書類は受け取っていなかった。

 クレジット契約書の勤務先には、相談者が夏休みの間だけ短期でアルバイトをする事業所の名称が書かれていた。しかし、相談者は契約時に学生であることを告げており、定期的な収入がなく、支払能力があるとは言い難い。

 以上のような問題点を業者に指摘し、解約について検討するよう求めた。特に美容機器でありながら効能・効果があると説明しており、それを裏づけるようにネット上の広告でも効能・効果をうたっている表示がみられることから、消費者契約法または特定商取引法の不実告知による取り消しを主張したいと伝えた。

 また信販会社に対しても、広告の記載内容についてエステティックサービスととらえられる表示になっていることから、当該広告をファクシミリで送信し加盟店調査を依頼した。

 業者からは、学生のように定職がない、23歳以下の人には販売しないという社内ルールがあるが、今回はこれに反していたとの報告があった。また社内調査の結果、薬事法に違反するセールストークがあったことが明らかになったため、取り消しに応じると回答があった。具体的には、使用済みのサポーターを相談者が引き取り、業者に商品代金を払う、サポーター以外の商品を業者に返送し、信販会社が既払金を返金するという提案があり、相談者がこれに合意し相談は終了した。



問題点

 業者の広告はエステティックサービスの広告ととらえられる内容であり、実際に施術を行っていることから、本件はエステティックサービスの契約とも考えられる。エステティックサービスであれば特定継続的役務契約としての法定書面が交付されなければならない。

 以上のような問題点を指摘し広告や契約書の改善を求めたところ、業者はエステティックサービスを事業として行うかどうかについては会社の経営方針の根幹にかかわることなので、社内で十分検討し後日報告するとのことであった。

 なお、ネット上の広告で薬事法に抵触する部分については削除する、との報告があった。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

相談事例と解決結果トップページへ

ページトップへ