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[2006年9月20日:掲載]

洗濯後の衣類に洗剤が残るドラム式乾燥洗濯機

 ドラム式乾燥洗濯機(以下、ドラム式洗濯機)で粉末合成洗剤(以下、洗剤)を利用したら洗剤が残留するという事例を紹介する。


相談内容

 洗濯乾燥後のタオルをぬるま湯につけておいたら、水の色が乳白色に変わり、洗剤が残留していた。洗濯機メーカーに苦情を言うと、洗剤の残留はやむを得ないと言う。ドラム式洗濯機は、少量の水を使用し、たたき洗いをするので、水圧が影響し、すすぎが不十分になる可能性があるのではないか。洗剤が残留していた場合、乳児などの体内に入ったら大変ではないか。調べてほしい。

(50歳代 男性 給与生活者)



処理概要

 相談者が洗濯機メーカーに説明を求めたところ、担当者は洗剤の残留を確認したとのことだった。
 そこで、国民生活センター(以下、当センター)が、洗濯機メーカーに相談の概要を伝え、相談者の申し出にある「水圧により洗剤が残留することを認めたのか否か」を確認したところ、「認めたわけではない」とのことであった。

 相談者は洗濯機メーカーのテストでは自社に不利な結果は出さないと考えられるので、当センターでテストしてほしいとの意向であったが、当センターでは'04年7月に洗濯機のテストを行っていることもあり、まず、洗濯機メーカーが調査し、原因や説明を聞くこととした。テストに当たっての相談者の希望は、(1)洗濯物に洗剤が残るのは水圧が弱いためなのかの検証(2)洗剤と人体への影響について、であった。

 洗濯機メーカーが当該ドラム式洗濯機と洗濯したタオルを預かりテストを行った。その結果、報告書が約2カ月後に当センターに提出された。結論としては、「洗剤量が適量でなく、2倍程度の量を洗濯機に投入使用したため、残留洗剤が高めになったと推定される。洗剤が適量の場合、水圧による低水量でもすすぎ性能には問題ない」とのことだった。
 また、洗剤が人体に与える影響については、洗剤メーカーではないのでコメントできないとのことだった。

 さらに、当センターから洗剤の残留量がどれだけ残ると正常ではないのか、また水圧の問題等について尋ねたところ、洗剤はもともと洗濯後も残留するものであるが、残留量についての基準はない。ただし、洗濯機メーカーとしての経験上では10〜12ppm程度であること、また水圧については、相談者の住居であるマンションでは1分間4リットルであるが、通常の水圧と大きな差はなく、水圧と洗剤の残留とは無関係と思われ、水圧によるすすぎ性能に問題はないとのことだった。
 また、ドラム式洗濯機の取扱説明表示を確認するため取扱説明書を取り寄せたところ、大手洗剤メーカーの個別の洗剤ごとに洗剤量が明示されていた。当該ドラム式洗濯機のパンフレットを見ると「今までドラム式で使えなかった一般合成洗剤も使えます。液体洗剤や低泡性の洗剤に加え、一般合成洗剤も使えるようになりました」と表記されていた。

 相談者は大手洗剤メーカーの商品を使用したとのことなので、当該洗剤メーカーに対して、ドラム式洗濯機で洗剤を使用する際の使用量の目安や洗剤の人体への影響について確認したところ、‘04年の秋頃にドラム式洗濯機の項目を表示するようになり、それ以前には表示をせず、当該洗剤をドラム式洗濯機に使うことは勧めていなかったとの回答だった。

 さらに、ドラム式洗濯機の洗剤量も表示するようになった経緯として、次のような説明があった。
 ドラム式洗濯機の取扱説明書にある洗剤量の表示は、洗濯機メーカーが独自に実験して表示したものであり、洗剤メーカーである当社には何ら問い合わせはなかった。しかし、消費者からのドラム式洗濯機に関する問い合わせが多く、消費者のニーズが先行した。結果的に洗剤を泡立ちの少ないものに改良し、社内で独自にテストし、問題ないと確認されたところで、ドラム式洗濯機の洗剤量の目安も表示した。これまでドラム式洗濯機で洗剤が残留したという苦情はない、とのことだった。
 また、洗剤の人体に対する影響については、通常の使用方法の範囲内であるなら安全性に問題ないことが確認されているとの回答だった。

 当センターから相談者に、洗濯機メーカーの調査結果を報告するとともに、当該洗濯機の取扱説明書と洗剤の表示のどちらを見て洗濯していたのか尋ねたところ、改良前における洗剤の箱の表示を見て、洗剤の量を判断していた、とのことだった。

 次に洗濯機メーカーに対して、どの時点の洗剤でテストしたのか確認した結果、改良前の洗剤でテストしたとの回答であったため、改良後の洗剤を用いてすすぎ時の残留洗剤濃度についてテストし、再度調査結果を提出してほしいと要望した。そのテスト結果によると、改良後の洗剤を通常の使用量で使用した場合の残留洗剤濃度は、改良前の洗剤の約75%に減少していた。

 当センターから洗濯機メーカーに対して、洗剤の使用量について消費者が誤解しないように取扱説明書の表示を改善するよう求めたところ、ドラム式洗濯機共通の取扱説明書に改良された洗剤に対応した表示を行うこととなった、との連絡があった。
 相談者には、報告書が送付されるとともに、当該ドラム式洗濯機は分解してしまったため、メーカーが買い取ることになり相談は終了した。



問題点

 多くの家電製品に共通している課題であるが、今回は洗濯機メーカーと洗剤メーカーが独自にテストを行い、その結果をそれぞれに表示をしていた。それゆえ、洗剤の改良品が出てもまったく対応がなされず、ドラム式洗濯機の表示は従来のままであった。メーカー両者がデータを交換するなどして情報を共有すれば、消費者の誤解も減少すると思われる。

 ドラム式洗濯機に限らず、家電製品とその家電製品に関連する業界団体等が連絡を密にし、消費者にとって使いやすい製品づくりをされるように協議を望む。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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