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[2006年4月20日:掲載]

無料体験で呼び出し、高額な契約をさせるエステティックサービス業者

 エステティックサービスに関する相談は依然多いが、今回は懸賞サイトで当選したとして学生を勧誘し、高額な契約をさせた事例を紹介する。


相談内容

 '04年の秋に、インターネットの懸賞サイトに何となく登録をして応募したところ、エステティックサービス会社(以下、業者)からエステの無料チケットに当選したという連絡があった。

 期間限定で○月○日〜○月○日の間に来てほしいとのことだったが、その期間は忙しくて行けないと伝え、これで無料体験の権利は失ったものと思っていた。

 しかし、後日、また業者から「まだチケットを使っていないようですが…」と電話があり、かねてから自分の容姿についてのコンプレックスもあったので、無料体験に行くことにした。

 11月初旬にエステサロンに行ってみると、明るくてきれいな雰囲気の中、カウンセリングを経て施術が始まった。からだのサイズや体脂肪率を測り、その後続けてさまざまなマッサージやゲルマニウム温浴などをした。その間に「うちのお店はほかのエステ会社に比べて安い」など値段の話になり、「ほかのところでひととおりのプランを組むと100万円近くしてしまうが、あなたみたいな学生だと興味はあってもそんなに払えないでしょう、うちでは分割払いもできる安いプランもある」とのことで、「ちなみに、月いくらなら出してもいいか」と聞かれた。いつの間にかすっかり乗り気になって「1万円代なら…」と答えてしまった。すると、担当者は「今、店長と相談してくる」と言い、店長のところから戻った後「学生さんだし、クリスマスも近づいているので、特別プランの許可がもらえた」と話した。

 その後、契約書の記入になり、具体的な費用の説明を受けた。分割手数料が非常に高く、不安を感じたが、その日に契約した(美容器具、ジェルなどの化粧品、サプリメントなどの商品約30万円も含めて合計金額約60万円)。

 しかし、その後アルバイトなどで大変忙しくなり、エステにも月1回行くのがやっとという状態で、このままでは契約した回数を期間中(有効期限1年間)にこなせないと感じ始めた。解約しようと思いつつ時間がたってしまい、気づくと契約から5カ月が過ぎていたが、解約する旨の電話をし、解約手続きを行った。その際、未開封のサプリメントやジェルは返品した。解約の際の担当者からある程度の説明を受け、詳細は本社から通知が行くとのことだった。しかし、だいたい精算に25万円くらいかかるとの話に、親に内緒にしていることもあり動転した。

 自分が一括で支払うのはとても無理なので親に伝え、国民生活センター(以下、当センター)に相談することにした。

(20歳 女性 学生)



処理概要

 当センターは、まず、業者に相談者の苦情を伝え、経緯を聞いた。

 業者から相談者に送られた精算に関する通知によると、精算金として約16万円と書かれていた。その根拠は、「精算金={利用済み施術代金(1回当たりの料金×回数)+開封済み商品の通常の使用料相当額+解約損料+クレジット利用手数料}−支払済み現金」とのことであった。

 しかし、業者は、学生に高額な契約をさせたことについて重大に考えている、また、エステのキャンペーンに関しては懸賞サイトから業者のホームページにリンクするようにしてあり、苦情が多いのも事実であるが、当選者から連絡させるようにはしてある、誤解を招かないよう社内で検討中とのことであった。

 その後、業者から解約損料を無料に、開封商品も約9万円を減額した、新たな精算額約3万5000円を提示してきた。

 当センターでは、改正特商法(特定商取引に関する法律)施行日('04年11月11日)の直前の契約ではあるが、

  • 「無料体験が当たった」と、販売目的であることを告げないで電話で呼び出している。
  • 公衆の出入りしない場所で勧誘している。

ことから同法の禁止行為に該当すると考えた(特商法6条4項)。

 そこで、当センターでは、改正特商法の公布は半年前に行われているので、同法にのっとった対応をしてほしいこと、また、既払金放棄で検討してほしいと業者に伝えた。

 業者からは精算額についてはさらに検討するとの回答があった。また、今回のケースは20歳の学生と50万円以上の契約を結んでいるが、業者内部で検討し、その後学生には契約金額に上限を設けたことなどが伝えられた。

 後日、業者から使用済み商品を着払いで返送してほしい旨連絡があり、相談者が送付し、既払金(約5万円)放棄で合意した。

 一方、相談者には当センターから契約は慎重にするように伝えた。



問題点

 20歳の大学生への勧誘であり、約60万円の契約は高額であると考えられる。また、契約日は改正特商法施行日の直前であったが、無料体験に当選したと販売目的を告げずに電話で呼び出し、公衆の出入りしない場所で契約を勧めており、同法の改正後であれば禁止行為であった可能性が高い。その点を考慮するよう業者に求め、交渉を重ねた結果、既払金放棄で合意した。

 勧誘の方法は、懸賞サイトの募集であり、2位以下の当選について本人から当該業者のサイトへ飛び登録をさせるかたちになっている。本人が登録するので、情報の流出にはならないが、おとり広告の疑いがあり、問題である。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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