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[2005年11月15日:掲載]

通常のホテル代より高額になったパック旅行

 往復航空料金、宿泊代、食事代が含まれる国内パック旅行を申し込んだ。基本料金に加えて、ホテルを指定すると、差額料金がかかるプランだった。1人1泊2万円の差額料金を支払って、あるホテルを指定して宿泊した。実際に宿泊してみると、それほどよくないと思ったので、ホテルの従業員に通常の宿泊代がいくらか尋ねたところ、同じ部屋は1人約16000円という。差額料金が、通常の宿泊代より高いのは納得いかない。

(80歳代 男性 無職)

アドバイス

 相談者はまず、社団法人日本旅行業協会に苦情を申し入れていました。同協会が当該ツアーの資料を確認したところ、基本料金の中に宿泊費が含まれていましたが、実際には基本料金のみで宿泊できるホテルはごくわずかで、別のホテルを選択すると追加料金が加算されるものがほとんどであることが分かりました。同協会は、そのような広告表示の方法は問題であるとしたため、最終的には追加料金分が旅行会社から返金されました。

 また、当センターからも、ツアーを企画した旅行会社に料金設定について問い合わせました。基本料金に宿泊費が含まれているはずであり、さらに1泊2万円の追加料金を支払うことになると、旅行会社の手数料が加算されると考慮しても、個人で手配した通常の料金との差額がありすぎるのではないかと尋ねたところ、旅行会社は「年間を通じてホテルと契約をしており、お盆などの料金が上がる時期とそうでない時期との料金を均して設定している。この料金設定では逆に利益が出ない時期もある。しかし、追加料金の設定が2つのパターンしかなかったことによって、相談者が出かけた時期が高い方の料金設定になっていたため、料金に割高感が出てしまった。今後は追加料金の設定を更に細かくして、このような状況を無くしていきたい」という回答でした。

コメント&解説

 本件では、基本料金のみで旅行ができるかのようなパンフレットは、旅行者にとって誤解を招きやすいという点で、不当表示(有利誤認)に当たるおそれがあり、問題と言えます。

 また、パック旅行は個人ですべて予約するよりも安いと思っている人も多いと思いますが、必ずしもそうとは限らないようです。最近では、インターネットを使って自分で航空券やホテルの予約が可能になっており、インターネット予約の場合には割引の金額が設定されていることもあります。そのため、旅行会社を通さず、自分で手配するほうが安いこともあります。

 その反面、パック旅行であれば、予約などの手間が省けるほか、個人では予約が取りにくいホテルなどをまとめて旅行会社が確保しており、利用ができるといったこともあります。また、個人で旅行することに不安があっても、パック旅行であれば安心感があったり、事故が起きた場合の補償や、トラブルが起きた時に旅行会社に対応してもらえるといったメリットもあります。

 それぞれの利点を生かして消費者が選択する必要があるでしょう。

 2005年4月1日からは、旅行業法や標準旅行業約款が改正されました。この改正により、これまで主催旅行と呼ばれていたパックツアーは『募集型受注企画旅行』という名称に変更になりました。また、補償制度が拡充された(例:死亡・後遺障害補償金が国内旅行は1000万円から1500万円、海外旅行は2000万円から2500万円へ引き上げ、通院見舞金の新設)ほか、契約の責任についての規定が明確化されました。例えば、旅行者の責任として、万が一契約書面と異なるサービスが提供されたと認識した場合には、旅行地で速やかに申出をしなければならないとされています。おかしいと気付いた時には、その場で申し出るようにしましょう。


ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。