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[2005年11月18日:掲載]

メル友になってと近づいてきた事業者に契約させられたダイヤのネックレスとピアス

 販売目的を隠してメル友になり高額な宝石を売りつける、いわゆるデート商法の苦情は依然として多いが、今回はその中で特定商取引に関する法律(以下、特商法)改正直後の契約で、無条件解約になった事例を紹介する。


相談内容

 「ファッション雑誌に掲載されている服を卸す有名な会社で、今度あなたの地元に支店ができるので紹介したい」と、事業者の事務員を名乗る男性から自宅に電話があった。自分もファッションに興味があり、地元にそのような会社ができることをうれしく思い、話が弾んだ。最終的に、その男性からメル友になってほしいと言われ、携帯電話のアドレスと番号を教えた。

 その日以降、ほぼ毎日、電話とメールが来るようになり親しくなっていったが、それからしばらくたったある日、こちらに出張するというので会う約束をした。

 市内でお昼過ぎに会い、しばらく雑談をし、「つき合ってほしい」というようなことを言われ、うれしかった。そのうち、いつのまにか話題が宝石のデザインのことになり、男性はデザインをすることが好きでこの会社に入り、自分がデザインしたネックレスがあるので、一緒に見に行こうと誘われた。

 その後、市内のビジネスホテルに連れていかれ、会議室のような場所に通され、待っていると、メル友になった彼が自分がデザインしたというダイヤのネックレスを持ってきて首にかけてくれた。それからピアスと指輪も持ってきて、指輪を指にはめてくれた。その後、徐々に契約の話になり、これはとても良いもので買って損はない、などと言われた。自分はネックレスを見に来ただけと思っていたが、これはネックレスとピアスと指輪の3点セットと言われ驚き、そんな話のために来たわけではなく、ピアスにしても耳に穴を開けてもいない、とても今すぐそんなことは決められないと断った。しかし、明日には販売店などに渡るかもしれない、今すぐ決めてほしいとのことだった。月々4万円台のクレジットは高額過ぎて自分の収入ではとても無理だと再度断ったところ「じゃあ、なぜここへついてきたのか!」と怒られた。

 その後、彼の上司も現れ、ネックレスとピアスだけにして月2万円弱ではどうかと言ってきた。それでも断ろうと思って黙り込んでいたが根負けしてしまい、気の進まぬまま契約してしまった。

 何日か後に商品が届き、メールのやり取りもしばらく続いたが、年が変わってから、今度は同じ事業者の違う男性からまた同じような話しぶりの電話がかかってきたことで、これはデート商法だと確信した。契約してから6カ月近く過ぎたが、解約したい。

 なお、彼の言った支店は、地元にまだできていない。

(20歳代 女性 家事従事者)



処理概要

 国民生活センター(以下、当センター)は相談者にまず、事業者とクレジット会社に解約申出書面を送るよう助言し、相談者は詳細な経緯等を書き配達記録郵便で両者に送付した。

 当センターから事業者に相談者からの書面が届いたかどうかの確認と解約について連絡したところ、「相談者からの書面は昨日届いた。しかし、当社の管理部からクーリング・オフ期間に相談者に対して意思確認の電話をしており、契約後2カ月以内に支払いに問題はないかの確認もしている。また、担当者に確認したところ、“つき合ってほしい”と言った覚えはない、とのことだった。しかし、中途解約に応じるつもりはある。ただし、無条件ではなく、解約手数料は負担してほしい」との回答があった。

 そこで、当センターから
「この契約は、改正された特商法の施行日である2004年11月11日以降の契約である。改正特商法では、

(1) 販売目的を隠して、ホテルの会議室など公衆の出入りする場所以外の場所に連れて行くことは禁止している
(2) 4時間近く勧誘し、ピアスの穴を開けてもいない女性が断ったにもかかわらず、契約させている。さらに、上司の男性が出てきて説得しているが、そうした強引な勧誘は禁止している」

と問題点を指摘し、無条件解約に応じるよう求めた。

 事業者からは「解約手数料の負担について検討したうえで連絡する」との回答があった。

 なお、今回のケースはクレジット会社の契約書類に加えて、特商法改正後の省令6条1項1号(ロ)に関する事項について記したクレジットの「補足書面」は渡されていた。

 後日、「我々の理解と相談者の申し出内容に食い違う面はあるが、相談者にそのような誤解を与える勧誘方法に問題があったと認識している。通常は、解約手数料として1カ月に1%を徴収する。このケースでは5カ月が経過し、販売価格94万5000円の5%として4万7250円を請求するところだが、今回は無条件での解約に応じる」と連絡があり、相談者の口座に既払金を返金することおよび合意解約書を当センターと相談者に送付することを約束した。



問題点

 相談者も指摘しているように、本件は最近のデート商法の典型と考えられる。特商法の改正直後の契約であり、前記(1)、(2)の禁止行為は取り消しの要件ではないが、あっせんの際、当センターから事業者に勧誘方法の問題点を指摘した結果、事業者が相談者に誤解を生じさせた非を認め、無条件での解約になった。

 今回のケースのように、自宅への電話がきっかけでメル友になり、実際に会ったところ販売員だったという事例は多く、また、今回は男性が近づいてきたが、女性が男性を勧誘する例も少なくない。さらに、契約金額も高額化する傾向があるので、注意が必要である。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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