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[2005年9月20日:掲載]

塾だと思って契約した学習教材

 指導付き学習教材の契約に関するトラブルでは、販売業者が教材と指導は別であると主張し交渉が難航するケースが多いが、書面に問題があり解約に応じられた事例を紹介する。


相談内容

 高校生の子どもに大学進学のアドバイスをすると電話があり、男性が来訪、親子で話を聞いた。国立大学受験を勧められたが、子どもは学習意欲がない、私立大学の付属校なのでそのまま進学すればよいと考えていると断った。男性は、「個別指導の教室で必ずやる気にさせる」と、たくさんの書類を示して説明した。週1回の個別指導、毎日の学習計画表をファクス指導する、精神面のカウンセリング、浪人した場合は1年間継続利用も可など「自社の万全の総合受験システム」を説明され、通常の塾よりも優れた特別な塾だと思った。価格は75万8000円で、別に申込金35万円を現金で頂くと言い、個別指導アフターサービスの書類等でまた説明を始めた。4時間以上話を聞かされ、自分も子どもも疲れてしまい、「頑張る」と子どもが言うので契約を決め、勧められるとおりにクレジット申込用紙も記入した。

 2日後、学力テストを受けるため、個別指導の教室へ子どもに付き添って行くと、きちんとした教室で生徒たちはまじめに勉強しているように見えた。テスト結果を見てやはり無理だと言うと、男性は「万全なシステム」を繰り返した。「僕が責任もって指導します。任せてください」と聞き、教育熱心なこの人が教えてくれるなら信頼しようと決めた。

 1カ月後、教材が届き、子どもは月に3回くらい教室に通った。家庭学習に取り組んだのは最初の1カ月くらいで、やる気をなくしたのは明らかだった。何回か男性に解約したいと伝えたが、改善策を提案され、継続した。1年近くたっても子どもは一向に勉強しないので問い詰めると、生徒が質問した範囲だけの指導など、思っていたのと違った教室の実態や、男性は教師ではなく販売員であることなどが分かり、裏切られたような気がした。そこで、男性と顧客相談室に解約を申し出たが高額な解約料を提示された。納得いかない。

(30歳代 女性 自営業)



処理概要

 相談者は、役務付き教材申込書、クレジット申込書のほか、個別指導のアフターサービス内容、価格表など多数の説明書類を受け取っていた。

 「教材申込書」にはテキスト等の教材内容と、電話・ファクスによる質問制度などのサービス内容、さらにそれらの価格内訳が書かれ、裏面には中途解約の場合の使用料算出基準、契約期間は契約成立時から高校卒業年度の3月末日であることなどが書かれていた。「個別指導のアフターサービス内容」には、無料のオリエンテーション、チェックテストと、マンツーマン指導100回で申込金35万円と書かれていた。 これら書面上からは、自宅に届けられる簡単な役務付き学習教材と教室での個別指導は別契約と思われたため、相談者に再度聞き取ったところ、相談者は総費用が書かれた「価格表」で説明を受けており、個別指導が主たる契約で教材は個別指導で使うものと理解していた。

 相談者からクレジット会社へ抗弁書を、販売業者本社へ文書にて経緯詳細を発信した。顧客相談室から、当初は解約料を12カ月経過として計算したが8カ月経過として計算し直すと提示があった。当センターからその根拠を尋ねたが、12カ月とすると既払金よりさらに払ってもらわなければならないが、当社から返金する計算にすると8カ月になるなどと、理屈にもならない提案であった。

 この事業者は、’00年に当センターに寄せられた相談で中途解約に伴う解約手数料を「申し込みから3カ月以上は一律教材が10%、役務サービスが1万5000円」に変更したとしていたのに、本事例の「教材申込書」では消費者にとって不利に変わっていること、以前からこの事業者の苦情が経由相談にも寄せられていることから、当センターへ来所を求め、事情を聞いた。

 契約書が変わった経緯について事業者は、「’99年の特定継続的役務提供の規制後、契約期間は明記せず使用料の上限を設けていたが、インターネットで当社は解約料が安いとの情報が流れ、大学に合格した後に解約の申し出もあり、中途解約に応じざるを得なかった。そこでクレジットの業界団体に相談、’03年から契約期間を決め、中途解約のパーセンテージも示した現在の形に変更した」と説明した。

 事業者グループと事業内容について尋ねたところ、教材会社と個別指導の会社は同じグループだが別会社、全国展開している販売代理店は教材と個別指導の販売委託をしているが、教材の販売は必須、個別指導は任意であり、教材と個別指導は別契約、個別指導は受講申込書を別に書いてもらっているとのことであった。

 そこで、相談者が受け取っている「価格表」には、教材と個別指導は一体として価格も合計金額で書かれていること、個別指導の申込書を相談者は書いてないし、見たこともないと言っていることを申し入れた。

 後日、事業者は販売の問題点を認めて教材は無条件で解約に応じた。また、販売代理店では個別指導の受講申込書があるか否かもあいまいとのことで、これも無条件解約、全額返金となった。



問題点

 指導付き学習教材のトラブルは、当初の話と違うと感じて解約を申し出ても、関連商品の教材の解約料は非常に高額になる傾向がある。

 また、指導と教材が一体のものであると誤解させるような勧誘をすることもある。今回も指導(塾)と教材が別契約であるにもかかわらず、一体のものであると思わせるようなセールストークがあり、相談者が受け取っている書面にも指導と教材を合計した金額が書かれていた。

 指導と教材が別契約ということであれば、最初からその旨はっきりと説明するべきであり、金額についても別契約とはっきり分かるように記載するべきである。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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