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[2005年5月20日:掲載]

クリックしただけで登録になり料金を請求されるPCでの不当請求

 携帯電話に届いた広告メールや架空請求メールを開き、内容を確認しようとクリックしただけで「登録」となり、料金を請求されるトラブルが多いが、最近、パソコンでも増えてきている。国民生活センターに請求のあった実例を紹介する。


相談内容

 国民生活センター(以下、国セン)のホームページ管理者用メールアドレスに、「○○登録料金未納のお知らせ」というタイトルのメールが届いた。このようなサイトは利用していないうえ、当該メールアドレスを利用している職員は限られている。

 そのメールの本文にあった「お客さまの登録未納状況URL」のURLをクリックしたところ、突然「登録完了しました」との表示が出た。そのページには「接続プロバイダー」「メールアドレス」「PC個人識別コード」なども表示されている。



処理概要

 サイト運営業者が「登録」と主張しても、そもそも契約が有効に成立しているとは考えられないため、それ以上は何もせずようすをみることにした。その後、サイト運営業者から請求はない。



問題点

 このような相談は、消費生活相談窓口にも多く寄せられている。携帯電話からアクセスし、「個体識別番号」が表示されるトラブルと似ているが、異なる点として、パソコンを用いた手口であること、本件では「プロバイダー」「メールアドレス」等が表示されていたが、他の同種事例では、「IPアドレス」「リモートホスト」「アクセスログ」等の用語が表示されることもあること、などが挙げられる。

 そのため、以下で、これらの手口や用語等について説明をする。

1.仕組みについて

 (1)メールアドレスに届いた広告メール(いわゆる「迷惑メール」)の文中に「無料」「アダルト画像が見られる」等の誘引があり、メール本文にあるURLをクリックしたところ、当該サイトのトップページとなり、その中の画像や写真をクリックしたら「登録」の表示が出るパターン。

 (2)メールアドレスに届いたメールの文中に、「登録料金未納のお知らせ」等、未納料金である旨が書かれている。メール本文にあるURLをクリックすると、いきなり「登録」の表示となるパターン。

 現在のところ、相談の大半は(1)のパターンだが、本件はサイトのトップページを経由しない(2)のパターンである。今後、(2)のパターンが増加する可能性もある。

 

2.用語について

・IPアドレス、リモートホスト名および接続プロバイダー

 IPアドレスとは、インターネットに接続されたコンピューター等のネットワーク機器ごとに割り振られた識別番号のことであり、正式にはInternet Protocol Addressという。IPアドレスは、0から255までの数字を四つ並べて表示されるが、数字の羅列では分かりにくいため、文字列に変換してみやすくしたものをホスト名といい、プロバイダーが、インターネット接続時に消費者に割り振る名前(文字列)をリモートホスト名と呼んでいる。

 リモートホスト名を見ることによって、アクセスしてきた人がどのプロバイダーを利用しているかを把握することができるため、IPアドレスが分かっていれば、検索サービスを利用して、ネットワーク名や組織名が分かる。しかし、それ以上の情報を知ることはできない。

 サイト運営業者は、アクセスしてきた消費者のIPアドレスとプロバイダーを自動的に表示するソフト等を用いて、これらを画面上に表示させ、あたかも消費者の情報を把握しているかのようにみせかけているものと思われる。

 なお、 同一時間帯に同一IPアドレスは存在しないため、インターネット上で犯罪行為を行った場合などは、警察等がIPアドレスを調べプロバイダーに照会することにより犯人の特定も可能である。しかし、この種のサイト運営業者が利用者を特定することはできない。

・アクセスログ

 Webサーバの動作を記録したもの。Webサーバの種類によって内容は異なるが、アクセスしてきた人のIPアドレス、アクセスされた日付と時刻、閲覧されたファイル名などを、アクセスごとに記録できる。

 ホームページの開設者などが、これらの項目を列挙したデータログを解析するソフトで各項目ごとに集計を行い、アクセス分析に利用することが一般的であるが、これから個人を特定することはできない。

・PC個人識別コード

 サイト運営業者が勝手につくり出して脅しているだけであり、このようなものは存在しない。

・メールアドレス

 本件のメールにあったURLには、受け手のメールアドレスが暗号化されて記載されており、アクセスした段階で、サイト運営業者は、どのメールアドレスからアクセスがあったのかを把握できるため、請求画面上にメールアドレスを表示させることができる。

 同種事例の中には、アクセスした途端、サイト運営業者から入会したという内容の自動返信メールが送られた、という例もある。

 サイト運営業者は、メールアドレスにメールを送っているだけであり、個人の特定をしているわけではない。

 これらの請求は、インターネットの仕組みを悪用して、消費者に個人情報を知られているのではないかという不安感を持たせ、支払いをさせようとする手口である。仕組みを理解すれば、サイト運営業者は個人情報の特定はできないことが分かる。

 メールアドレスの収集にはいろいろな方法がある。当センターの例は、不特定多数に広報しているホームページのメールアドレスだったが、個人のメールアドレスにしても、利用している限り第三者に知られる可能性はある。しかし、請求メールが送り付けられたというだけで過度に不安になる必要はない。




ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

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